【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 日本にもある!長期保有で報われる銘柄たち
「日本にもある!長期保有で報われる銘柄たち」
●米国株で資産を膨らます投資家に学ぶ
先日、年末の挨拶に訪れた某中堅証券会社の支店長が話していたことが気になる。いまはどんな株に投資している人が儲かっているかの話しになり、私から見ると、とんでもないことを言ったのだ。
「米国株に投資しているお客様です」
私は聞き間違いかと疑った。「お宅の会社、外国株の売買できるの?」――こう聞いてしまったのだが、もちろん話しの本題はそこではなかった。米国株投資をしている投資家たちが儲かっているという件だ。支店長によると、預かり資産が1億円を超える顧客の多くが米国株投資家だというのだ。
日本株に投資している人はどうなのか。預かり資産が億を超す投資家は数えるほどしかいないというのだから、意外だった。「ただ、うち(会社)にとっては外国株に投資しているお客様は正直、あまりありがたくないですけどね」と不満げな口ぶり。どういうことか。
外国株に投資している人たちは、ほとんど銘柄を動かさないのだという。アップル、アマゾン、テスラなどを一度買ったら、買い増すことはあっても売ることがないそうで、3億の預かり資産があっても、さほど嬉しくないということだった。もちろん、売買の手数料を落としてくれないからだ。
●長期持続に耐え得る銘柄とは?
支店長とのやり取りで見えてくるのは、外国株、特に米国株、具体的にはアップルやアマゾン、テスラなどに投資している人は、ほとんどが長期投資であり、それにより驚くほど資産を増やしている。それにも関わらず、いまも保有を継続し、売らない。このような投資手法が明らかに大成果をもたらしていることになり、参考にしたいところだ。
では、アップルやアマゾン、テスラなどの株に投資しろ、ということか。もちろん、違う。日本株の中にも長期投資に耐える銘柄はあるので、それらをしっかり持続すればよいということになる。では、どんな銘柄を?
具体的には、まずは現在調整中の日本電産 <6594> がある。電気自動車用モーターの需要増が見込める以上、この株の未来は明るい。
株価は高いが信越化学工業 <4063> もシリコンウエハー世界首位の実力、実績は改めて書くまでもなく魅力的で、株は長期持続に耐え得る。
世界首位のセラミックコンデンサーメーカーである村田製作所 <6981> も、そんな銘柄の1つになる。
保管・搬送システムで世界首位級のダイフク <6383> も、いまは株価が高値で足踏み中ながら、今後、復調する確率が高く、また新値更新に進むと見る。
新型コロナの感染拡大が止まらない中、投資家の強い信頼感に支えられ、好感度が高いオリエンタルランド <4661> も、いまは失速中ながら来年の蘇生が見込め、長期持続の期待に応える可能性が高い。
上述した銘柄の水準はかなり高く、資金100万円以上を要するのに対し、比較的投資しやすい銘柄では、ジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> がある。エレベーター保守・管理会社だが、株価は緩やかな上昇を続けており、目先も新値を更新中と力強い動きが続いている。
いまは忘れられた格好になっている日本M&Aセンター <2127> も、中小中堅企業の再編が不可欠なことを考えると、株価の再生は必至と見てよい。押し目での投資は、少し時間はかかるだろうが成功する確率が高い。
2020年12月25日 記
株探ニュース