前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年1月8日 5時30分

■西松屋チェ <7545>  1,542円 (+60円、+4.1%)

西松屋チェーン <7545> が3日続伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が6日付で同社の投資判断「ニュートラル(中立)」を継続し、目標株価を1350円から1600円へ引き上げたことが材料視された。レポートでは、新型コロナウイルスの感染拡大がきっかけとなり、同社の業績は今年度に入り回復傾向を強めていると報告。ただ、株価はすでに大きく上昇しており、業績回復は織り込んだとみている。今後は事業環境変化一巡後の成長持続に注目している。

■三菱UFJ <8306>  480円 (+16.1円、+3.5%)

三菱UFJフィナンシャル・グループ <8306> などメガバンクや第一生命ホールディングス <8750> など大手生保株が大きく買われた。米ジョージア州の上院決選投票で民主党候補が2議席を確保し、民主党が大統領、上院、下院を制する「トリプルブルー」が実現したことで大型の財政政策が通りやすくなるとの思惑が浮上している。これを受け米長期金利が急上昇し、6日終値ベースの10年債利回りは1.037%と約10ヵ月ぶりに1%台に乗せてきた。運用利ザヤの拡大期待を背景に米国株市場ではゴールドマン・サックス、シティグループ、JPモルガン、バンク・オブ・アメリカなど大手金融機関が軒並み大幅高に買われており、東京市場でも米国事業を展開するメガバンクや生保に大口の買いを誘導した。

■日電産 <6594>  13,665円 (+385円、+2.9%)

日本電産 <6594> が反発。一時520円高の1万3800円まで上値を伸ばし、昨年11月30日につけた1万3585円を上回り上場来高値を更新した。世界的な脱炭素への取り組みが加速するなか、電気自動車(EV)シフトの動きが鮮明化するとの思惑が強い。米国株市場ではEV大手テスラへの投資資金の流入が止まらず、前日時点でテスラ株は9連騰と破竹の勢いで最高値街道を走っている。同社はEV向けトラクションモーターシステム(駆動用モーター)に注力しており、顧客開拓も急速に進んでいる。特に2035年にすべての新車販売についてEVを中心とする環境対応車とする方針にある中国向けでの需要獲得が見込まれる。21年3月期の営業27%増益予想は増額含みだが、22年3月期以降も2ケタ利益成長トレンドが期待されている。

■ベル24HD <6183>  1,687円 (+45円、+2.7%)

ベルシステム24ホールディングス <6183> が続伸。6日の取引終了後に発表した第3四半期累計(3-11月)連結決算が、売上高1021億4400万円(前年同期比7.0%増)、営業利益101億4700万円(同14.4%増)、純利益64億2500万円(同15.5%増)と営業利益で2ケタ増となったことが好感された。新型コロナウイルスの感染拡大による影響はあったものの、主力のCRM(顧客情報管理)事業で前期に業務を開始した既存継続案件の売り上げが拡大したほか、伊藤忠商事 <8001> 及び凸版印刷 <7911> との協業強化によるシナジー案件が堅調に推移した。また、コロナ関連のスポット業務なども寄与した。なお、21年2月期通期業績予想は、売上高1320億円(前期比4.2%増)、営業利益115億円(同3.6%増)、純利益72億円(同2.8%増)の従来見通しを据え置いている。

■国際石開帝石 <1605>  599円 (+14円、+2.4%)

国際石油開発帝石 <1605> や石油資源開発 <1662> 、ENEOSホールディングス <5020> といった石油関連株が高い。6日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の2月限が前日比0.70ドル高の1バレル=50.63ドルに上昇した。米国の石油在庫が減少したほか、米ジョージア州の上院選挙で民主党が2議席を獲得し勝利したことから、インフラ投資などへの期待が膨らみ景気敏感株が上昇している。この流れに乗り、国際石開帝石などへ買いが流入した。

■パワーソリュ <4450>  2,369円 (+53円、+2.3%)

パワーソリューションズ <4450> [東証M]が3日続伸。同社は7日、経理業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)化を推進するため、ファーストアカウンティング(東京都港区)とパートナー契約を締結すると発表しており、これが買い手掛かりとなったようだ。経理業務は2016年度の電子帳簿保存法改正に伴うペーパーレス化が求められているほか、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてリモートワークが急速に普及している。こうしたなか、同社は経理業務に特化した人工知能(AI)プラットフォームサービスを提供するファーストアカウンティングとタッグを組むことで、企業ごとの経理業務ニーズにあった業務効率化をサポートするとしている。

■アダストリア <2685>  1,955円 (+40円、+2.1%)

アダストリア <2685> が続伸。6日の取引終了後に発表した20年12月度の月次売上高で、既存店売上高は前年同月比13.4%減と2ヵ月連続で前年実績を下回ったが、織り込み済みとの見方が強い。気温の低下により中旬は冬物商品が伸長したものの、前年に比べて休日が1日少なかったことに加え、新型コロナウイルスの感染再拡大に伴う外出需要の減少が客数に大きく響いた。なお、全店売上高は同12.9%減だった。

■アークス <9948>  2,367円 (+42円、+1.8%)

アークス <9948> が続伸。6日の取引終了後に発表した21年2月期第3四半期累計(3-11月)の連結決算は、売上高4148億4000万円(前年同期比8.6%増)、経常利益148億8900万円(同68.8%増)となり、これを好感する買いが入った。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う内食需要の高まりを背景に、スーパーマーケットの既存店売上高が前年同期比6.3%増と好調だったことに加え、特売広告・ポイント倍増セールなどの販促企画を自粛したことなども大幅増益に貢献した。

■天満屋ス <9846>  1,119円 (+19円、+1.7%)

天満屋ストア <9846> [東証2]が反発。6日の取引終了後に発表した21年2月期第3四半期累計(3-11月)の連結決算で、経常利益が17億500万円(前年同期比16.1%増)と2ケタ増益を達成したことが好感された。売上高は514億100万円と同3.2%の減収だった。コロナ禍により大型店舗への客足が遠のき、衣料品や生活用品の需要が減少する一方、内食需要の高まりで食料品は堅調に推移した。利益面では、店内混雑緩和を目的とする折込チラシの配布や大型イベントの自粛、営業時間の短縮などで販管費が抑制され、増益確保につながったもよう。

■スマレジ <4431>  4,985円 (+75円、+1.5%)

スマレジ <4431> [東証M]が4日ぶりに反発。6日の取引終了後に発表した12月度のクラウドPOSレジ「スマレジ」の月次登録店舗数が前月比1141店増の9万1858店舗となったことが好感されたようだ。内訳は無料プランが同727件増加の7万3728件、有料プランは同414件増加の1万8130件だった。

■BS11 <9414>  1,140円 (+16円、+1.4%)

日本BS放送 <9414> が4日続伸。6日の取引終了後に発表した21年8月期第1四半期(9-11月)の連結決算で、経常利益が前年同期比35.7%増の6億4300万円に拡大しており、これを好感する買いが入った。新型コロナウイルス感染拡大の影響による再放送や再編集版への差し替えで番組関連費用が抑制されたほか、番組宣伝や局認知向上施策の効率化などのコストコントロールが寄与し、採算が大きく改善した。上期計画の8億3000万円に対する進捗率は77.5%に達しており、業績上振れが期待されている。

■ニトリHD <9843>  22,710円 (+295円、+1.3%)

ニトリホールディングス <9843> が3連騰で一時600円近い上昇で2万3000円大台を目前に捉えた。昨年8月4日につけた2万3455円の上場来高値更新が視野に入ってきた。巣ごもり消費需要を背景に台所用品やリビング・ダイニング家具などの売れ行き好調で業績は大幅な伸びが見込まれている。また、国内でも新型コロナウイルス感染拡大が再加速し、東京都など1都3県に緊急事態宣言が発令される状況下で企業のテレワークシフトが再び進む方向となった。そのため、パソコンデスクなどテレワーク関連商品も改めて需要が伸びる可能性が出ており、これを拠りどころに消費の勝ち組企業として買いが集まった。

※7日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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