前日に「買われた株!」総ザライ (1) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年7月13日 5時20分

■北興化 <4992>  1,075円 (+150円、+16.2%) ストップ高

東証1部の上昇率2位。北興化学工業 <4992> がストップ高に買われた。全農系の農薬の専業大手で、医薬中間体や電子材料など非農薬のファインケミカル部門も充実している。前週末9日取引終了後に発表した21年11月期上期決算は営業利益段階で前期比4%減の20億9900万円と減益となったが、3-5月期で見た場合はトップラインと利益いずれも急改善しており、営業利益は前年同期比21%増という高い伸び率を示した。半導体の高集積化が進むなか、同社がスチレン系機能性モノマーとして川上で展開するKrFフォトレジスト用材料などが全体業績に貢献、医薬中間体なども好調で収益を後押ししている。これをポジティブ視する買いが集中した。

■HIOKI <6866>  7,120円 (+800円、+12.7%)

東証1部の上昇率3位。HIOKI <6866> が急反騰、前週末比12.66%高の7120円に買われ、一気に上場来高値を更新した。前週末9日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を266億円から281億円(前期比29.7%増)へ、営業利益を47億5000万円から54億2000万円(同2.2倍)へ、純利益を36億7000万円から42億1000万円(同2.0倍)へ上方修正し、あわせて45円を予定していた期末配当予想を90円に引き上げると発表したことが好感された。中国、台湾、韓国など東アジア各国の経済活動が急速に回復したことを受けて、海外市場への売上高が増加していることが要因。また、世界的な脱炭素に向けた取り組みを受けて、主要顧客の自動車及び電子部品業界で設備投資の回復が進み、バッテリーやモーター、電子部品関連の計測器の需要も高まっているという。なお、年間配当は155円(従来予想110円)となり、前期実績に対しては95円の増配になる予定だ。

■テンダ <4198>  4,405円 (+330円、+8.1%)

テンダ <4198> [JQ]が続急伸。前週末9日の取引終了後、集計中の21年5月期連結決算について、売上高が29億7600万円から29億8500万円(前の期比6.5%減)へ、営業利益が3億100万円から3億4200万円(同17.1%増)へ、純利益が1億9000万円から2億2300万円(同8.8%増)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好感された。第4四半期(3-5月)に、主力事業であるITソリューション事業で内製化による総原価抑制が進捗し、粗利益率が改善したことが寄与した。

■旭化学 <7928>  1,232円 (+90円、+7.9%)

旭化学工業 <7928> [JQ]が続急伸。前週末9日の取引終了後、21年8月期の連結業績予想について、売上高を95億円から103億円(前期比34.4%増)へ、営業利益を4億5000万円から7億9000万円(同8.4倍)へ、純利益を3億5000万円から4億7000万円(同10倍)へ上方修正したことが好感された。主な販売先である電動工具業界は、巣ごもり需要などにより販売が継続して好調に推移していることが要因としている。

■エコーTD <7427>  661円 (+45円、+7.3%)

東証1部の上昇率9位。エコートレーディング <7427> が続急伸。前週末9日の取引終了後に発表した第1四半期(3-5月)連結決算が、売上高231億6700万円(前年同期比14.8%増)、営業利益7800万円(前年同期2100万円の赤字)、最終利益4700万円(同2500万円の赤字)となり、営業損益が黒字転換したことが好感された。新型コロナウイルス感染拡大の影響で新規にペットを飼育する人が増加し、それに伴うペットフード・ペット用品需要拡大などがあったことに加えて、在庫管理の徹底による適正在庫での運用や更なる効率化が寄与した。なお、22年2月期通期業績予想は、売上高870億円(前期比1.6%増)、営業利益3億2000万円(同1.3%増)、最終利益2億800万円(同14.0%減)の従来見通しを据え置いている。

■ライフコーポ <8194>  3,390円 (+225円、+7.1%)

ライフコーポレーション <8194> が満を持して急反発。前週末まで8日連続安でこの間に株価を450円も切り下げていたが、12日は押し目買いが高水準で大きく切り返す動きをみせた。同社は首都圏と京阪神を中心に積極展開する食品スーパー大手。前週末9日に発表した22年2月期第1四半期(3-5月)決算は営業利益が前年同期比3.4%減の84億1500万円と小幅減益となったが、対通期進捗率が44%と高く、コロナ禍にあって健闘が目立つ内容だった。株価は低調な決算を警戒して、事前に大きく下落させていたこともあって、足もとでは買い戻しが集中する格好となった。

■ファナック <6954>  27,535円 (+1,705円、+6.6%)

ファナック <6954> が急反発、1700円を超える上昇で2万7500円台を回復した。12日は、全体相場が急速な買い戻し局面に入っており、同社など主力輸出株にはインデックス的な買いが流入し株価に浮揚力を与えた。特に同社については、12日朝方に内閣府から発表された5月の機械受注統計が前月比7.8%増と高水準の伸びを示しており、事前の予測中央値であった2.6%前後も大幅に上回った。これが同社の株価を強く刺激する格好となった。

■安川電 <6506>  5,760円 (+350円、+6.5%)

安川電機 <6506> が急伸。前週末9日の取引終了後、22年2月期の連結業績予想について、売上高を4300億円から4600億円(前期比18.0%増)へ、営業利益を420億円から540億円(同98.7%増)へ、純利益を317億円から410億円(同2.2倍)へ上方修正し、あわせて中間・期末各20円の年40円を予定していた配当予想を中間・期末各26円の年52円に引き上げると発表したことが好感された。グローバルでコロナ禍からの正常化が進み、製造業全般の設備投資に力強い回復が見られるなか、中国では自動車をはじめとしたニューインフラ関連など幅広い市場で積極的な投資が継続して行われ、他の地域においても自動車・半導体・電子部品などを中心に需要が高い水準で推移しており、これを背景に主力事業であるモーションコントロール事業とロボット事業で想定以上の受注が続いていることが要因としている。同時に発表した第1四半期(3-5月)決算は、売上高1190億200万円(前年同期比31.1%増)、営業利益129億4400万円(同2.1倍)、純利益101億9700万円(同2.2倍)だった。

■OSG <6136>  2,067円 (+104円、+5.3%)

OSG <6136> が急反発。前週末は全体波乱相場で一時1900円近辺まで水準を切り下げる場面があったが、その後は下げ渋り長い下ヒゲ陽線をつけ5日移動平均線の上で着地した。12日は、同移動平均線を足場に一気に上値追い指向を強めた。同社が前週末9日取引終了後に発表した21年11月期上期(20年12月-21年5月)決算は、売上高が前年同期比10.8%増の612億1700万円、営業利益が同17.6%増の70億9100万円と2ケタ増収増益を達成、特に3-5月期の伸びが著しく、これを評価する買いを呼び込んでいる。同社は精密切削工具の大手メーカーだが、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に航空機向けは低調ながら、欧州やアジアを中心に自動車向けなどが好調で全体収益を押し上げた。

■メドピア <6095>  4,445円 (+220円、+5.2%)

メドピア <6095> が急反発。12日、子会社Mediplatが、安田日本興亜健康保険組合に対してクラウド型健康管理サービス「first call」の「オンライン医療相談」の提供を開始したと発表しており、これが好材料視された。これにより、安田日本興亜健康保険組合の組合員とその家族の合計約7万6000人は、さまざまな医療・健康上の疑問や不安をチャットやテレビ電話でいつでも専門医に相談できるようになるという。

■トランコム <9058>  8,500円 (+410円、+5.1%)

トランコム <9058> が3日ぶり急反発。前週末9日の取引終了後、倉庫マッチングサービスを提供するsouco(ソウコ、東京都千代田区)と資本・業務提携したと発表しており、これが好感されたようだ。トランコムが持つ1万3000社のパートナー企業の情報と、ソウコが展開する倉庫マッチングサービス「souco」とを連携し、同サービスを利用する荷主企業の輸送ニーズに対応する。

■カーブスHD <7085>  982円 (+46円、+4.9%)

カーブスホールディングス <7085> が大幅続伸。前週末9日の取引終了後、21年8月期の連結業績予想について、売上高を240億円から244億円(前期比2.7%減)へ、営業利益を13億円から15億円(同28.5%増)へ、純利益を7億2000万円から9億5300万円(同24.6%増)へ上方修正し、あわせて3円を予定していた期末一括配当を4円にすると発表したことが好感された。新規入会数が着実に回復に向かっていることに加えて、20年12月にリリースしたプロテイン高機能新商品の販売が堅調に推移し、顧客単価が上昇していることが寄与する。また、緊急事態宣言下においても休業などの影響が一部の店舗にとどまり、加盟店への経営支援金の拠出額が予想を下回ったことや、為替差益が発生したことも寄与した。同時に発表した第3四半期累計(20年9月-21年5月)決算は、売上高181億7000万円(前年同期比7.1%減)、営業利益13億1400万円(同23.9%減)、純利益8億2400万円(同26.5%減)だった。

■フリー <4478>  9,980円 (+460円、+4.8%)

フリー <4478> [東証M]が大幅反発。午後1時ごろ、GMOあおぞらネット銀行(東京都渋谷区)の法人顧客に向けて、入出金明細管理サービス「freee入出金管理 with GMOあおぞらネット銀行」の提供を開始したと発表しており、これが好材料視された。同サービスは、他行を含めた複数の事業用口座の残高や入出金明細を一元管理できるもの。経営者自ら日々の入出金や資金繰り管理を行っている創業間もない企業やスモールビジネス企業の顧客にとって、いつでもどこでも簡単に入出金や残高確認、資金繰りの見える化を可能にするという。なお、フリーが同サービスをネット銀行の顧客を対象に提供するのは初となる。

■ビックカメラ <3048>  1,135円 (+51円、+4.7%)

ビックカメラ <3048> が4日ぶりに大幅反発。一時6.5%高の1154円まで買われる場面があった。前週末9日取引終了後に21年8月期第3四半期決算(20年9月-21年5月)を発表したが、コロナ禍にあってもトップラインが尻上がりに改善、また利益面でも好採算のプライベートブランド(PB)商品の販売好調が牽引する状況にあり、営業利益段階で前年同期比倍増となる161億6200万円と急拡大した。会社側が開示している営業利益の通期計画は177億円だが、増額修正の公算が大きいとみられ、株価の上昇に反映されている。

■日機装 <6376>  1,145円 (+46円、+4.2%)

日機装 <6376> が大幅高。12日正午ごろ、いわゆる「空飛ぶクルマ」を開発する米ジョビー・アビエーション社(カリフォルニア州)が開発を進めているeVTOL(電動垂直離着陸機)の構成部品を供給するサプライヤーに選出されたと発表しており、これが好材料視された。Joby社が開発を進めるeVTOLは、パイロット1名が最大乗客4名を乗せ、時速320キロメートルの速さで運ぶことができる新しいモビリティー。日機装は航空機のナセル(機体から分離して設けられる筐体)、主翼、ドアのリーディングカンパニーを顧客に抱え、民間航空機における複合材部品の設計、量産化の分野で30年以上の実績を有しており、今回のプロジェクトでは複合材部品の設計の初期段階から協力し、量産段階での製造のしやすさを考慮した最適な設計、競争力のあるコストを実現することを目指すとしている。

※12日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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