富田隆弥の【CHART CLUB】 「不透明要因が山積の中、バカンスに向かう市場」

市況
2021年7月17日 10時00分

日経平均株価は7月9日に一時2万7419円まで下げたが、そこで日足は「たぐり足」(始値より大きく下げるが、下げ幅を縮め長い下ヒゲを残したローソク足)を描き、下ヒゲで200日移動平均線(9日時点2万7522円)に差し掛かって切り返した。チャートは5月13日の安値2万7385円手前で下げ止まり、6月21日(安値2万7795円)に続いて3度目となる「下放れ」懸念を回避した。

◆だが、反発したものの戻りは7月13日の高値2万8852円で抑えられている。ここは25日移動平均線(15日時点2万8740円)や75日移動平均線(同2万8924円)、2月高値から引かれる上値抵抗線(同2万9100円近辺)などが集まる厚い節目だ。

◆厚い節目であるから、いったん上値を抑えられるのは仕方がない。この節目を突破するなら5カ月に及ぶ調整を挟んでの好転となるだけに「上放れ」に対する期待は小さくなく、2月の高値3万0714円突破から3万2000円指向となることが想定される。

◆そんな上放れを期待したいのは山々だが、いま東京は4度目の緊急事態宣言が発令中(7月12日~8月22日)であり、新型コロナウイルス感染拡大の第5波は勢いを増している。その中で東京オリンピックが開幕する。また、秋までに衆院選挙も行われる。

◆このようにいま日本は不透明要因が山積で、バカンスを控える外国人投資家が好き好んで日本株を買いに来るとは思えない。夏の日本株は8月のお盆まで閑散、調整基調となる習性もある。ならば、日経平均株価が節目を突破するのはもう少し後となり、それまではしばらく2万7000円~2万9000円でもみ合うことも想定される。あとは米国次第だが、最高値で動きが鈍くなってきた米国株もバカンスを意識して調整に入る可能性があり、その動向に注視したい。

(7月15日 記、毎週土曜日に更新)

情報提供:富田隆弥のチャートクラブ

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