前日に「買われた株!」総ザライ (2) ―本日につながる期待株は?―

注目
2021年7月28日 5時30分

■日水 <1332>  577円 (+22円、+4.0%)

日本水産 <1332> が大幅反発。SMBC日興証券が26日付で投資評価を新規「1」、目標株価を650円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、医薬品原薬のEPA(エイコサペンタエン酸)事業がようやくスタートラインに立てるメドがついたと指摘。今下期から出荷開始の見通しで、今・来期累計で20億円の利益貢献を予想しているという。一方、水産市況は、コロナ収束に伴う世界的な外食需要の回復で、価格が切り上がり始めており、今期は上げの相場になる可能性が高いとしている。足もとの株価はPERで過去平均並みだが、EPAの出荷開始とモメンタム改善を契機に、バリュエーションが是正される局面入りを予想している。

■マクニカ富士 <3132>  2,829円 (+102円、+3.7%)

マクニカ・富士エレホールディングス <3132> が3日続伸。26日の取引終了後、22年3月期の連結業績予想について、売上高を6300億円から6700億円(前期比20.9%増)へ、営業利益を210億円から250億円(同33.2%増)へ、純利益を130億円から170億円(同56.3%増)へ上方修正したことが好感された。半導体及び電子デバイスその他事業で、半導体への設備投資、5Gやデータセンター、自動車の電動化などさまざまな需要の増加が見込まれ、産業機器、通信インフラ、車載市場などが引き続き好調に推移する見通し。また、ネットワーク事業では、クラウドの利活用の加速を背景にクラウドサービス関連商品、エンドポイントセキュリティー関連商品、クラウドゲートウェイセキュリティー関連商品の導入が進むことから、クラウド、セキュリティー関連商品を中心に成長すると見込む。なお、同時に発表した第1四半期(4-6月)決算は、売上高1780億6400万円(前年同期比42.3%増)、営業利益73億600万円(同89.9%増)、純利益62億5500万円(同2.5倍)だった。

■栄研化 <4549>  2,250円 (+63円、+2.9%)

栄研化学 <4549> が3日続伸、株価を2200円台に乗せボックス相場上限突破に期待がかかる状況にある。同社は臨床検査薬大手で新型コロナ検出用遺伝子分野などでの独自技術も注目されている。足もとの業績も便潜血検査試薬を含む免疫血清学的検査用試薬などが牽引し好調に推移している。26日取引終了後に発表した21年4-6月期決算は営業利益が前年同期比2.6倍の25億9200万円と急増しており、これを評価する買いが集中した。

■OBARAG <6877>  3,945円 (+90円、+2.3%)

OBARA GROUP <6877> が3日続伸。26日の取引終了後、上限を40万株(発行済み株数の2.46%)、または15億4200万円とする自社株を、27日朝の東京証券取引所の自己株式立会外買付取引(ToSTNeT-3)で取得すると発表しており、これが好材料視された。

■トランコム <9058>  8,780円 (+200円、+2.3%)

トランコム <9058> が4日続伸。同社は26日取引終了後に、22年3月期第1四半期(4-6月)の連結決算を発表。営業利益は前年同期比37.7%増の21億6400万円となり、上半期計画36億7000万円に対する進捗率は59.0%となった。売上高は同10.2%増の396億500万円で着地。ロジスティクスマネジメント事業が既存拠点の物流増加や生産性の向上などから堅調に推移したほか、物流情報サービス事業が国内輸送需要の持ち直しなどを背景に伸長したことが寄与した。なお、上半期及び通期の業績予想は従来計画を据え置いている。

■アサヒ <2502>  5,144円 (+112円、+2.2%)

アサヒグループホールディングス <2502> が3日続伸。SMBC日興証券が26日付で投資評価を新規「1」、目標株価を6300円でカバレッジを開始したことが好材料視されたようだ。同証券では、海外ビジネスがコロナ禍による環境変化の急変にも機敏に対応し、改めてその強さを証明したと指摘。グローバルでの経営管理力を高めており、積極的なブランド投資、強い現場力が相まって、攻めの経営を可能にしているとして、海外で稼ぐ利益は中期的に6割以上に拡大すると予想している。

■日工営 <1954>  3,065円 (+60円、+2.0%)

日本工営 <1954> が反発。27日午後1時ごろ、水素エネルギー関連のコンサルティング業務を3件受注したと発表しており、これが好材料視された。モルディブとパラオ、中南米地域の脱炭素化における水素関連の情報収集や調査で、発注者はアジア開発銀行や経済産業省、国際協力開発機構(JICA)となっている。

■リクルート <6098>  5,809円 (+112円、+2.0%)

リクルートホールディングス <6098> が3日続伸。5600円近辺を横に走る25日移動平均線を足場に上放れ、6月10日につけた年初来高値5832円を払拭して約1ヵ月半ぶりに年初来高値を更新した。総合人材サービス企業の看板に偽りなく幅広く人材に絡む分野で需要を開拓、そのなか求人情報検索エンジン「Indeed」が収益の成長ドライバーを担っている。国内外で新型コロナウイルスの感染拡大が懸念視されているが、ワクチン普及を背景としたアフターコロナを先取りする動きも株式市場では依然として根強い。同社は人材流動化の流れに乗ってビジネスチャンスが膨らむとの見方がここにきての物色人気を後押ししている。株式需給面でも、信用倍率は1.61倍とやや買い長だが、日証金では貸借倍率0.27倍と株不足の状態にあり上値が軽い。

■日本製鉄 <5401>  1,845.5円 (+33.5円、+1.9%)

日本製鉄 <5401> 、ジェイ エフ イー ホールディングス <5411> 、神戸製鋼所 <5406> など大手をはじめ鉄鋼株の強さが目立つ。新型コロナウイルスで感染力の強いデルタ株の蔓延が引き続き懸念されているものの、景気敏感セクターはワクチン普及を背景としたアフターコロナの経済環境を先取りする動きが続いている。前週末21日に東京製鐵 <5423> が22年3月期の業績予想を大幅上方修正したことを受け、市場では鋼材需要の回復が意識され、鉄鋼株全般の見直し人気につながっている。株価指標面でも割安株の宝庫で、業界トップの日本製鉄でもPER7倍台、PBR0.6倍台に過ぎない。

■蝶理 <8014>  1,910円 (+34円、+1.8%)

蝶理 <8014> が3日続伸。26日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高606億7100万円(前年同期比23.8%増)、営業利益25億6200万円(前年同期8億9000万円の赤字)、最終利益22億6700万円(同11億8500万円の赤字)となり、営業損益が大幅に黒字転換したことが好感された。繊維事業で合繊原料や衛生材などの素材分野が堅調に推移したことに加えて、化学品事業でファインケミカル分野などが引き続き堅調に推移し、バルク商材の有機化学品分野でも市況の回復が見られたことが牽引した。また、前年同期に中国の化学品製造会社グループに対する貸倒引当金繰入額を計上したことの反動も利益押し上げに寄与した。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高2800億円(前期比29.5%増)、営業利益95億円(同2.6倍)、最終利益68億円(同5.5倍)の従来見通しを据え置いている。

■しまむら <8227>  10,700円 (+180円、+1.7%)

しまむら <8227> が3日続伸。26日の取引終了後に発表した7月度(6月21日~7月20日)の月次売上速報で、既存店売上高は前年同月比3.9%増と2ヵ月ぶりに前年実績を上回ったことが好感された。7月度は梅雨明けが早く夏物が堅調に推移した。商品別ではPB「CLOSSHI」の接触冷感素材のTシャツやパンツ、寝具やインテリアに加えて、新規に立ち上げた「LOGOS DAYS」などのサプライヤー共同開発ブランドが好調に推移。また、インフルエンサー企画では、婦人アウターでティーンズ・ヤングからミセス、大きいサイズまで取扱い範囲を拡大し、Webチラシを中心に打ち出したことでそれぞれ好調だった。なお、全店売上高は同3.8%増だった。

■ペプドリ <4587>  4,800円 (+60円、+1.3%)

ペプチドリーム <4587> が3日続伸。27日朝方、武田薬品工業 <4502> の米国子会社との間で、中枢神経系疾患に対するペプチド-薬物複合体(PDC医薬品)に関するパートナーシップの拡大について契約を締結したと発表。これにより両社は、慢性神経変性疾患において重要な役割を担う複数の中枢神経系ターゲットについて、PDC医薬品の創製に向けた取り組みを進める。今回の契約締結に伴い、ペプドリは武田から契約一時金を受領する。ペプドリでは、今後この契約によって発生する契約一時金、並びに今後の非臨床及び臨床試験の進捗、製品の発売及び製品の正味売上高に応じたマイルストーンフィーとして、総額で最大約35億ドル(約3903億円)を受け取る可能性があるという。また、これに加え製品化後の正味売上高に応じたロイヤルティーを受領する権利を有するとしている。

※27日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.