【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─活路はサブスク関連で切り拓く!
「活路はサブスク関連で切り拓く!」
●勢い増すコロナ禍、日経平均は11カ月連続の月末下落
日本列島はコロナパニックに近い状況となっている。この原稿を書いている7月30日時点で、東京の1日の新規感染者数は実に3865人に達している。私の住む神奈川でも1164人だ。こうなると外出が怖くなり、自宅シェルターに籠もりっきりになっている。
東京市場の懸念はさらに大きいようで、30日の日経平均株価は大きく下げてしまった。毎月月末は下げる。こんなアノマリーがあり、昨年9月から実に先月まで10カ月連続で下げていたため、7月はそれに歯止めをかけてほしかったのだが、残念ながらそうはならなかった。なんと11カ月連続の月末下落だ。正直、「これはなんなんだっ!」だ。
しかし、もちろんこんなことにかかずらわってなどいられない。注意深く探せば、市場にはどんな場合にも活路があるからだ。
では、それはどこにあるのか。
コロナの感染拡大にも関わらず安定した収益をキープするビジネス。それは以前なら食品や鉄道、電力、ガス株が好ましいとされたが、いまはもっと好ましい銘柄がある。「サブスク関連株」だ。サブスクとは、顧客が商品やサービスを定期的に購入するシステムのこと。最近ではトヨタ自動車 <7203> でさえ進出しているが(収益が上がっているのかどうかは分からない)、明らかに同システムが収益の安定に大きく寄与している企業がある。
それらは、いわゆるディフェンシブ銘柄よりも、成長性が高い点で、投資対象として有望度が高くなる。
●安定性+成長性が魅力のサブスク銘柄
サブスクは言葉を変えれば「顧客を囲い込んでいる」ようなもの。私もDVDやメルマガをネットで販売しているが、購入者のほとんどは以前からずっと購入、購読し続けてくれている人たちであり、お蔭様で私はコロナ禍でも仕事を継続できていることになる。
具体的にサブスク関連銘柄を挙げると、まずはメニコン <7780> になる。コンタクトレンズの販売会社だが、この会社のサブスクシステムが素晴らしいのは、売上の半分ほどが会員の定期購入によること。顧客から高い信頼を得ているため、株価は高値をつけたあと失速中ながら、落ち着きを待って投資したい。
エレベーターの保守・管理は中長期契約が基本。その恩恵を受けているのがジャパンエレベーターサービスホールディングス <6544> になる。サブスクとしての中長期的な保守・保全の契約台数増による収入増に加え、リニューアル需要もあって収益増が続くため、株価も期待が持てる。
大手新聞が掲載し切れていない企業情報などをネットで配信するビジネスを展開しているPR TIMES <3922> のビジネスモデルもサブスクであり、収益の安定性が高い。株価は調整中ながら緩やかな浮上が見込める。
企業に名刺管理サービスを提供しているSansan <4443> のビジネスもサブスクになっている。スマホやタブレット向けアクセサリーのデザイン、販売に強いHamee <3134> は、実はEC事業支援ビジネスを展開し、システム構築・管理がサブスクになっているので同社株も期待が持てる。
有機・特別栽培野菜、食品添加物を使わない加工食品などの通販を手掛けるオイシックス・ラ・大地 <3182> のビジネスも会員向けとなっており、これまたサブスクシステムになっていると見てよく、定期的購入が今後もこの会社の収益を保証してくれることになる。
最後に、サブスクとは無関係な銘柄にも目を向けておこう。スノーピーク <7816> 。キャンプ用品に強い会社であり、海外ではワクチン接種を終えた人たちが、一斉にキャンプに繰り出している。この会社の製品は海外でもブランド力が高いため、同社株は押し目からの反発待ちでよいだろう。
2021年7月30日 記
株探ニュース