前日に「買われた株!」総ザライ ―本日につながる期待株は?―

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2021年8月4日 5時30分

■GCA <2174>  1,351円 (+300円、+28.5%) ストップ高

東証1部の上昇率トップ。GCA <2174> がストップ高に買われた。同社は独立系のM&A助言会社で、米国や欧州などクロスボーダー案件に強みを持っているが、米投資銀行のフーリハン・ローキー <HLI> が同社を買収する方向にあることが判明し、これがマーケットにサプライズを与えた。フーリハンは新型コロナウイルスの収束後に日本企業のM&A案件が増加するとの判断から、同社株を完全子会社化することでビジネスチャンスを獲得する狙いとみられる。現在の株価よりも3割程度のプレミアムをつけ、1株1380円でTOBを行う見通し。全株取得による買収額は600億円強に達する。これを受け同社株には買い注文が殺到した。

■星医療 <7634>  4,500円 (+700円、+18.4%) ストップ高

星医療酸器 <7634> [JQ]がストップ高の4500円に買われた。NHKニュースが3日午後1時20分過ぎ、「政府は、新型コロナウイルスの感染が急拡大しているタイとラオスに対し、医療体制を支援するため、酸素濃縮器を送ることを決めた」と報じており、医療用ガス製造を行う同社に思惑的な買いが向かったようだ。報道によると、茂木敏充外務大臣が3日の閣議の後の記者会見で明らかにしたとしており、タイに酸素濃縮器を775台送るほか、ラオスには酸素濃縮器100台とおよそ60万回分のワクチンを提供するという。

■ティラド <7236>  3,400円 (+500円、+17.2%) ストップ高

ティラド <7236> がストップ高。2日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高328億7400万円(前年同期比30.2%増)、営業損益22億3900万円の黒字(前年同期5億6700万円の赤字)と営業損益が黒字転換したことが好感された。国内や欧州及び中国で増収(外貨ベース)となったことに加えて、米国でスクラップ費用や固定費の削減により営業損益が改善したことが要因。また、タイにおいて受注機種の売り上げ構成の変更に伴い利益率が改善したことも寄与した。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高1349億円(前期比19.3%増)、営業利益52億円(同4.1倍)の従来見通しを据え置いている。同時に、上限を60万株(発行済み株数の8.29%)、または15億円とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は21年8月3日から22年1月31日までで、株主への利益還元と資本効率の向上を図るためとしている。

■田中化研 <4080>  1,044円 (+150円、+16.8%) ストップ高

田中化学研究所 <4080> [JQ]がストップ高。2日の取引終了後、22年3月期第1四半期(4-6月)の決算を発表し、純利益は2億7200万円(前年同期3億6700万円の赤字)だった。通期は最終赤字を見込んでいるが、第1四半期時点で黒字に浮上したことから、これを好感した買いが入ったようだ。売上高も97億4900万円(同41億6600万円)と好調だった。足もと車載用途を中心に販売が増加基調で推移しているほか、同社製品の主原料であるニッケルやコバルトの国際相場が上昇基調で推移していることが業績の押し上げ要因となった。なお、通期見通しについては売上高330億円(前期227億5400万円)、最終損益9億円の赤字(同4億1400万円の赤字)とする従来予想を据え置いた。

■イーガーディ <6050>  3,160円 (+403円、+14.6%)

東証1部の上昇率3位。イー・ガーディアン <6050> が急反騰。2日の取引終了後、21年9月期第3四半期累計(20年10月-21年6月)の決算を発表し、売上高は72億800万円(前年同期比26.1%増)、純利益は9億1700万円(同33.6%増)だった。また、未定としていた通期の配当予想を14円(前期10円)にすると発表しており、好決算と配当実施を好感した買いが入った。SNSなどの投稿監視やカスタマーサポートなどを手掛ける主力事業において、コロナ禍においても成長を続ける動画領域に注力したことから売り上げが拡大し、全体業績を牽引した。なお、通期見通しについては売上高96億2100万円(前期比22.6%増)、純利益10億9600万円(同11.9%増)とする従来予想を据え置いた。あわせて、上限を10万株(発行済み株数の1.0%)、または3億5000万円とする自社株買いを実施すると発表した。取得期間は8月3日から9月20日まで。

■乾汽船 <9308>  1,458円 (+137円、+10.4%)

東証1部の上昇率5位。乾汽船 <9308> が続急騰し年初来高値を更新、10%を超える上昇で1400円台半ばまで株価水準を切り上げた。新型コロナウイルス感染への警戒を背景とした世界的な巣ごもり消費拡大が、家電製品や家具などの需要を喚起しコンテナ船市況の高騰につながっている一方、鉄鉱石や石炭、穀物などを運ぶばら積み船市況の総合的な値動きを表すバルチック海運指数も約13年ぶりの高値水準で上昇基調を鮮明としている。同社は売上高の過半を占める外航海運で中小型のばら積み船を主力としており、この恩恵を享受する。また、同社の筆頭株主は“物言う株主”であるアルファレオHDで、これも株式需給面から株高思惑につながった。

■昭電線HD <5805>  2,006円 (+166円、+9.0%)

東証1部の上昇率6位。昭和電線ホールディングス <5805> が大幅高で4日続伸。2日の取引終了後に発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高451億8400万円(前年同期比33.6%増)、営業利益25億6600万円(同4.1倍)、純利益17億1900万円(同4.3倍)と大幅増益となったことが好感された。電装・コンポーネンツ事業で自動車向け高機能製品の需要が好調を維持したことに加えて、5G需要や中国向けなどで通信・産業用デバイス事業も好調だった。また、電力強靱化や老朽化更新向けなどに電力インフラ向け需要も堅調だった。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高1800億円(前期比11.3%増)、営業利益86億円(同13.3%増)、純利益68億円(同36.9%増)の従来見通しを据え置いている。

■三井物 <8031>  2,735円 (+169円、+6.6%)

東証1部の上昇率10位。三井物産 <8031> が続急伸、年初来高値を更新。3日午後1時30分ごろ、22年3月期の連結業績予想について、純利益を4600億円から6400億円(前期比90.8%増)へ上方修正したことが好感された。好調な商品市況を受けて金属資源セグメント、エネルギーセグメントの利益見通しをそれぞれ増額修正したことが要因としている。なお、同時に発表した第1四半期(4-6月)純利益は1912億6400万円(前年同期比3.1倍)だった。同時に、上限を3000万株(発行済み株数の1.83%)、または500億円を上限とする自社株買いを実施すると発表しており、これも好材料視された。取得期間は8月4日から10月29日まで。また、8月16日付で4500万株の自社株を消却するとしている。

■三井倉HD <9302>  2,796円 (+165円、+6.3%)

三井倉庫ホールディングス <9302> が大幅高で3日続伸し年初来高値を更新。3日午後1時30分ごろ、22年3月期の連結業績予想について、売上高を2370億円から2570億円(前期比1.4%増)へ、営業利益を132億円から160億円(同9.4%減)へ、純利益を76億円から92億円(同20.3%減)へ上方修正したことが好感された。第1四半期において、フォワーディング業務及び港湾運送業務の取り扱いの回復が想定を上回ったほか、オリンピック・パラリンピックのテレビ観戦需要などで家電メーカー物流及び家電量販店物流の取り扱いが増加したことが貢献する。また、コンテナ不足による海上輸送から航空輸送へのシフトの逓減・収束時期が想定よりずれ込んでいることなども寄与する見通し。なお、第1四半期(4-6月)決算は、売上高683億2700万円(前年同期比20.9%増)、営業利益55億6500万円(同73.5%増)、純利益32億3700万円(同59.1%増)だった。

■東計電算 <4746>  4,985円 (+245円、+5.2%)

東計電算 <4746> が急反発。同社は2日大引け後に決算を発表。21年12月期第2四半期累計(1-6月)の連結経常利益は前年同期比26.4%増の18.6億円に伸びたが、通期計画の40.5億円に対する進捗率は46.0%となり、5年平均の44.7%とほぼ同水準だった。

■アンビスHD <7071>  6,170円 (+270円、+4.6%)

アンビスホールディングス <7071> [JQ]が大幅反発。2日の取引終了後、21年9月期の連結業績予想について、売上高を144億1700万円から149億6700万円(前期比63.1%増)へ、営業利益を26億1900万円から33億5000万円(同78.6%増)へ、純利益を18億5700万円から23億9400万円(同93.2%増)へ上方修正しており、これが好感された。既存施設の稼働率が過去最高水準で推移していることに加えて、稼働率にあわせた人員管理を実施し人件費率が想定より低い水準となっていることが要因としている。

■丸紅 <8002>  994.9円 (+40.5円、+4.2%)

丸紅 <8002> が大幅続伸。3日午前11時ごろ、22年3月期第1四半期(4-6月)の決算を発表し、純利益は前年同期比92.9%増の1121億3200万円だった。通期計画(2300億円)に対する進捗率が48.8%となり、これを好感した買いが入ったようだ。売上高も同34.4%増の2兆1340億円と好調。農業資材価格の上昇や好天候を背景に農業関連部門が伸びたほか、商品価格の上昇に伴うチリの銅事業やオーストラリアの鉄鉱石事業の増益などが業績を押し上げた。

■長谷川香料 <4958>  2,716円 (+76円、+2.9%)

長谷川香料 <4958> が続伸し新値追い。2日の取引終了後、21年9月期の連結業績予想について、売上高を537億円から547億円(前期比9.0%増)へ、営業利益を52億3000万円から60億7000万円(同13.3%増)へ、純利益を53億5000万円から59億5000万円(同16.9%増)へ上方修正し、あわせて22円を予定していた期末配当予想を28円に引き上げると発表したことが好感された。中国子会社及び米国子会社の業績が想定を上回って推移していることが要因という。なお、第3四半期累計(20年10月~21年6月)決算は、売上高411億2300万円(前年同期比9.2%増)、営業利益52億8700万円(同21.9%増)、純利益51億700万円(同20.5%増)だった。

■荏原 <6361>  5,650円 (+150円、+2.7%)

荏原 <6361> が続伸。2日の取引終了後、集計中の第2四半期累計(1-6月)連結業績について、売上高が2660億円から2740億円(前年同期比11.6%増)へ、営業利益が185億円から250億円(同95.8%増)へ、純利益が120億円から165億円(同2.4倍)へ上振れて着地したようだと発表しており、これが好材料視された。新型コロナウイルス感染症からの復旧などによる建築設備市場の持ち直しに加えて、コンプレッサ・タービン事業の収益性改善、半導体市場における需要拡大や案件ミックスなどが寄与した。

■日工営 <1954>  3,115円 (+75円、+2.5%)

日本工営 <1954> が続伸。2日の取引終了後、集計中の21年6月期連結業績について、売上高が1166億円から1177億円(前の期比4.9%増)へ、営業利益が71億円から77億円(同67.8%増)へ、純利益が26億円から35億円(同28.4%増)へ上振れて着地したようだと発表したことが好感された。主力のコンサルタント国内事業で好調な受注環境や生産性が向上したことに加えて、都市空間事業で英国での事業が順調に進捗したことが要因。また、その他の各事業でコスト抑制が進捗したことなども寄与した。なお、同社は21年6月期決算からIFRSを任意適用することにしており、同基準では売上高は1172億円から1178億円へ、営業利益は62億円から71億円へ、純利益は34億円から45億円へそれぞれ引き上げられている。

■伊藤忠テクノ <4739>  3,590円 (+75円、+2.1%)

伊藤忠テクノソリューションズ <4739> が続伸。3日午後1時ごろに発表した第1四半期(4-6月)連結決算が、売上高1085億6400万円(前年同期比4.3%増)、営業利益76億6000万円(同31.0%増)、純利益53億9500万円(同31.8%増)と大幅増益だったことが好感された。サービスビジネスで製造向けクラウドや海外事業会社におけるインフラ構築などが増加したほか、開発・SIビジネスで運輸や流通向け開発、通信向け5G関連案件などが増加した。なお、22年3月期通期業績予想は、売上高5200億円(前期比8.4%増)、営業利益485億円(同11.2%増)、純利益330億円(同8.2%増)の従来見通しを据え置いている。

■AGC <5201>  4,905円 (+80円、+1.7%)

AGC <5201> が続伸。2日の取引終了後、21年12月期の連結業績予想について、売上高を1兆6500億円から1兆6700億円(前期比18.2%増)へ、営業利益を1600億円から1800億円(同2.4倍)へ、純利益を830億円から1170億円(同3.6倍)へ上方修正し、あわせて中間・期末各70円の年140円を予定していた配当予想を中間80円・期末130円の年210円に引き上げると発表したことが好感された。足もとで建築用ガラスの出荷増及び販売価格の上昇が想定以上であることに加えて、東南アジアにおける塩化ビニル樹脂の販売価格が想定よりも高い水準で推移する見込みであることが要因。また、北米建築用ガラス事業の譲渡に伴い、約250億円の譲渡益をその他収益として計上する見込みであることなども寄与する。同時に発表した第2四半期累計(1-6月)決算は、売上高8113億3200万円(前年同期比24.0%増)、営業利益952億800万円(同4.6倍)、純利益638億4300万円(同5.6倍)だった。

■バリュエンス <9270>  2,540円 (+34円、+1.4%)

バリュエンスホールディングス <9270> [東証M]が3日ぶりに反発。東京証券取引所が2日の取引終了後、同社株を3日付で貸借銘柄に選定すると発表。これを受けて、株式流動性の向上による売買活性化への期待から買いが入ったようだ。また、日本証券金融も3日約定分から同社株を貸借銘柄に追加している。

■ダイセル <4202>  949円 (+12円、+1.3%)

ダイセル <4202> が続伸。3日午後1時30分ごろ、22年3月期連結業績予想について、売上高を4200億円から4350億円(前期比10.5%増)へ、営業利益を270億円から350億円(同10.3%増)へ、純利益を220億円から240億円(同21.7%増)へ上方修正したことが好感された。第1四半期(4-6月)において、化粧品原料や電子材料関連製品、エンジニアリングプラスチックなどの需要が想定より強く販売数量が伸長していることや、製品市況が上昇していることが要因。なお、同時に発表した第1四半期決算は、売上高1113億5800万円(前年同期比34.3%増)、営業利益139億4400万円(同4.5倍)、純利益122億8300万円(同19倍)だった。

■KeePer <6036>  2,981円 (+33円、+1.1%)

KeePer技研 <6036> が続伸。2日の取引終了後に発表した7月度の月次速報で、既存店売上高は前年同月比52.1%増の大幅な増収となり、15ヵ月連続で前年実績を上回ったことが好感された。会社側によると、「人々の清潔意識」の高まりに加えて、SNSなどを通じてKeePerの評価が上がっていることがコーティング施工台数の増加につながったという。また、梅雨明けが例年より早く、夏に備えた既存店舗の空調や断熱対策の実施を早急に進めたことも奏功した。なお、全店売上高は同59.5%増だった。

※3日の上昇率が大きかった銘柄を株価変動要因となった材料とともに抜粋。

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