サムティ Research Memo(5):WMIとの提携や外資オペレーターとの連携などに取り組む

特集
2021年8月19日 15時05分

■サムティ<3244>の活動実績

1. ウェルス・マネジメントとの資本業務提携を締結

2021年5月25日に、ホテルの再生・開発に強みを持つデベロッパーであるWMIと、ホテル開発事業等における協業などを目的とした資本業務提携契約を締結すると、2021年7月30日にはWMIの筆頭株主である合同会社アクアマリーンから株式(発行済株式の32.02%)を取得し、持分法適用会社とした。1) 同社グループが設立を進めているホテルREITの組成等を含むAM事業の連携強化、2) 同社グループとWMIを共同スポンサーとするホテルREITに関する協働、3) WMIグループが組成するホテル開発ファンドにおける共同投資を含む協働、4) WMIグループのホテル開発事業における支援などに狙いがある。

2. ホテルREIT設立及び上場へ向けた取り組み

2022年春から夏頃にかけてIPOを目指しているホテルREITについては、2021年内に設立届出を実施する予定である。ホテルREITへのパイプラインサポートが可能な物件として、稼働中11物件、開発中案件6物件、売却済・優先交渉2物件のほか、資本業務提携を締結したWMIの保有物件10物件(優先交渉権を付与)を合わせると、既に約3,400億円の規模を確保済みである。

3. 海外事業(ベトナム)の状況

ベトナム最大手の不動産デベロッパーであるVINHOMES JOINT STOCK COMPANY(以下、VHM)※1と共同で開始した、ハノイ市西部での分譲住宅事業「THE SAKURA PJ」※2については、VHMによる公式サイトがオープンし、4棟のうち1棟の販売活動を開始した。コロナ禍により厳しい行動制限がされるなかで、オンラインによる販売説明会は1.6万人が視聴、2021年7月上旬までに684戸のうち290戸の申込みがあるなど順調に滑り出している。さらには、第二弾のプロジェクトの企画についてもVHMと協議中のようだ。

※1 VHMは、2008年に創業したベトナム最大の複合企業Vingroup傘下の中核企業であり、ベトナム国内の不動産会社において、売上、利益、時価総額トップを誇っている。

※2 VinHomes Smart Cityの全58棟中4棟(総戸数3,620戸)の分譲住宅事業に参画したもの。

4. 外資オペレーターとの連携に向けた動き

2021年6月28日に、関西地区で初進出となるアロフトブランド※1のホテルとして、大阪・梅田エリアに「アロフト大阪堂島」を開業した。当ホテルは、2021年4月に同物件の信託受益権を保有する合同会社を連結子会社化したことで、事業に参画したものである。マリオット・インターナショナル<MAR>※2がオペレーションを行うほか、WMIグループがAMの受託やホテル運営にも携わっており、今後、協働を推進していく方針である。また、2021年4月及び7月に相次いで開業した「アゴーラ京都烏丸」及び「アゴーラ京都四条」の自社開発ホテル2物件(SPCに譲渡したものの、設立準備中のホテルREITへの組み入れを想定)については、(株)アゴーラ・ホスピタリティーズ※3にオペレーションを委託している。さらに2024年冬には、世界的なホテルチェーンであるシャングリ・ラグループとの共同により「(仮称)シャングリ・ラ京都二条城」※4の開業も予定している。実績のある外資オペレーターとの連携により差別化を図るとともに、同社グループのノウハウの蓄積やサービスの向上にもつなげていくところに狙いがあると考えられる。

※1 音楽やデザインを愛するミレニアム世代、Z世代の旅行者をターゲットとした、洗練かつ斬新なスタイルのライフスタイルホテルブランドであり、現在世界で29の国と地域に190以上を展開している。

※2 世界各地でマリオットやリッツ・カールトンなど様々なブランドのホテルや宿泊施設の運営やフランチャイズを手掛けている。

※3 香港資本のファー・イースト・グローバル・アジア社傘下のアゴーラ ホスピタリティー グループ<9704>に属し、国内では「美しい日本を集めたホテルアライアンス」をビジョンに掲げ、ホテル・旅館のリブランドを中心に事業を展開している。コンセプトを軸に据えた「コンセプトドリブン」を戦略とする運営で、個性豊かなホテルアライアンスネットワークを築いている。

※4 2021年3月29日付けで、シャングリ・ラグループを共同事業者とするホテル開発プロジェクトを開始するため、特定目的会社(SPC)の出資持分80%を2回に分けて取得(連結子会社化)することを決議した。2021年11月末までに49%、12月末までに残り31%を取得する予定である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)

《YM》

提供:フィスコ

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