今週の【早わかり株式市況】5週ぶり下落、中国恒大の債務不履行懸念で世界市場が乱高下
■今週の相場ポイント
1.日経平均は5週ぶりに下落、立ち会いは3日間だが急落と急伸の激しい相場
2.中国恒大集団の債務問題に対する懸念で世界の株式市場は乱高下状態
3.週前半の21日は中国恒大のデフォルトリスク意識し日経平均は急落
4.22日は依然としてリスクオフ姿勢が強く売り優勢の状態が続く
5.週末24日は中国恒大に対する懸念が後退し買い戻しが流入し大幅高
■週間 市場概況
今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比251円(0.82%)安の3万0248円と5週ぶりの下落となった。
今週は秋の連休となる「シルバーウイーク」で、立ち会いは3日間のみだった。ただ、中国不動産大手で約1兆9700億元(約33兆円超)もの巨額負債を抱える恒大集団に債務不履行(デフォルト)懸念が浮上。「中国版リーマン・ショック」の発生が恐れられ、世界的なリスクオフ姿勢が強まり、株価は急落した。ただ、同社は人民元建て債の利払いを実施することを表明したことで懸念がいったん後退。また、22日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は市場予想通りだったことも安心感を誘った。これを受け、週後半には相場は急速に値を戻した。
3連休明けの21日(火)は、中国恒大集団のデフォルトリスクが意識され前日のNYダウが一時1000ドル近い下げをみせたことを嫌気。東京市場もリスクオフ姿勢が強まり、日経平均は660円安と急落した。全体の9割近い銘柄が下落し日経平均は3万円台を割り込んだ。22日(水)は、引き続き中国恒大集団に対する不透明感が強く、日経平均は200円安と続落した。東京市場は翌日が秋分の日で休場となることもあり、同日に予定されているFOMCの結果発表を控え、いったんポジションを落とす動きもあった。休日明けの24日(金)は急反発。中国恒大集団が人民元建て債の利払いを実施することを表明したほか、FOMCでは11月にもテーパリング(量的緩和縮小)の開始を決定することが示唆されたが、市場の予想通りとの見方からNYダウは大幅高となった。この流れを受け、東京市場では売り方の買い戻しが流入し日経平均は609円高と3日ぶりに急反発。終値で17日以来となる3万円台を回復した。東証1部の9割超の銘柄が値を上げる全面高となった。海運、銀行、鉄鋼など景気敏感株を中心に値を上げた。
■来週のポイント
今週末の急反発で改めて相場の強さを確認したことから、来週は3万円大台の定着に向けて底堅い展開が期待される。
重要イベントとしては、国内では30日朝に発表される8月鉱工業生産や10月1日朝に発表される日銀短観と8月有効求人倍率が注目される。海外では28日に行われるパウエルFRB議長の上院銀行委員会での証言や30日発表の中国9月製造業PMI、10月1日に発表される米国8月の個人消費支出と個人所得に注視が必要だろう。なお、中国は国慶節で10月1日から7日まで7連休となる。
■日々の動き(9月21日~9月24日)
【↓】 9月21日(火)―― 急反落、中国恒大リスクで世界同時株安の流れ
日経平均 29839.71( -660.34) 売買高13億1988万株 売買代金 3兆3780億円
【↓】 9月22日(水)―― 続落、中国恒大集団の債務問題などで上値は重い
日経平均 29639.40( -200.31) 売買高12億0359万株 売買代金 2兆8901億円
【↑】 9月24日(金)―― 急反発、中国恒大を巡る警戒感後退で3万円台を回復
日経平均 30248.81( +609.41) 売買高14億2537万株 売買代金 3兆5578億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、20業種が下落
(2)ダイキン <6367> 、日立建機 <6305> など機械が値下がり率トップ
(3)伊藤忠 <8001> 、丸紅 <8002> など卸売業は大幅安
(4)神戸鋼 <5406> など鉄鋼、信越化 <4063> など化学、三井金 <5706> など非鉄といった素材株が売られた
(5)日立 <6501> など電機、日産自 <7201> など自動車といった輸出株は低調
(6)内需株は大成建 <1801> など建設や味の素 <2802> など食品が安いも
三井不 <8801> など不動産、OLC <4661> などサービスは堅調
(7)金融株はオリックス <8591> などその他金融やSBI <8473> など証券が下落も
三菱UFJ <8306> など銀行、東京海上 <8766> など保険は上昇
(8)郵船 <9101> など海運、JAL <9201> など空運、JR東海 <9022> など陸運が揃って買われた
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