【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─乱高下相場における勝利の法則とは?
「乱高下相場における勝利の法則とは?」
●4つの条件を指針に投資に臨む
東京市場は相変わらずの上下動の激しさだ。8月20日から9月14日にかけての日経平均株価の駆け上がり方は素晴らしかったが、翌日から10月6日までの急落はショッキングなものとなった。
そして、今度は10月7日から20日まで急反発、これまたかなりの上昇ぶりで一気駆けとなったが、その後に急落。この原稿を書いている時点では戻りの気配を見せているところだ。
こんな具合に上下動が激しくては、正直、投資しにくい。少し利益が乗っても、たちまちそれを失ってしまうことになる。それを避けるには、ある程度利益が乗ったら確実に利益を確定する…ということになるだろう。しかし、これは理論的には正しくても、実行に移すのは非常に難しい。実際の株式投資では、そんなふうに器用かつ的確には動くことはできないからだ。
では、どうするのか。
(1)まずは市場環境が最悪と思える時に投資する。
(2)通常時は、押し目狙いに徹する。
(3)銘柄は売上高、営業利益が増加予想の銘柄に限る。
(4)市場テーマに乗っていればなお好ましい。
以上の条件を念頭に置いて投資することを心掛けたい。(1)のような場面は、東京市場なら年に数回はあるので、それをしばらく待てばよい。
(2)は説明の必要もないかもしれないが、具体的な銘柄であえて説明すると、トヨタ自動車 <7203> を狙うとする。
同社株は10月18日に目先の高値2062円をつけ、現在は1992円(本稿執筆時点)。高値からは少し下げて、これから押し目を形成することになるだろう。この調整は円が対ドルで少し上昇しているためだが、それは長続きしないだろうから、押し目買いのチャンスを待てばよいことになる。当然、そのタイミングはまた円が下げ始めるところになると見てよく、それを待つことになる。
さらに(3)、(4)の条件もしっかり確認して投資すれば、現在のような乱高下相場にも耐えられる。
●クライオ電子顕微鏡で期待大の日本電子
以上を前提に、いまは次のような銘柄への投資を考えたい。まずは日本電子 <6951> になる。この会社は電子顕微鏡で世界首位だが、注目したいのはクライオ電子顕微鏡。世界で製造できるのは日本電子と米国のサーモ・フィッシャー・サイエンティフィック<TMO>の2社のみだ。タンパク質の立体分析が可能で創薬のスピードを早めることから、今後の需要拡大が確実な製品。それを日本電子は製造しているのだ。
緊急事態宣言の解除を受けて、各種商業施設が内外装の改装に取り組み始めているが、そこには照明器具が不可欠。この分野で首位の会社は遠藤照明 <6932> 。今後、年末年始にかけて照明機器類の需要拡大は必至であるが、株価は10月19日に高値をつけて反落しており魅力的だ。
フリマアプリ最大手のメルカリ <4385> [東証M]も大きく下げたわけではないものの、浅い押し目を入れているため投資しておきたい。米国で展開するフリマ事業が黒字化し、国内ではスマホ決済サービスにも展開。積極策が結実しつつある。
中古住宅の再生事業に強いカチタス <8919> も、株価が25日移動平均線まで下げているところは拾いどころに見える。
株価は少し25日線を割り込んでいるものの、ここからはさほど下げないだろうと思えるのはキッコーマン <2801> 。年末に向けて醤油の需要増はほぼ確実とみてよいため、株価の回復は早そうだ。
最後に新値更新中の東和薬品 <4553> を。後発医薬品をフル製造中であり、株価は高いが続伸する確率は高いと考えられる。
2021年10月22日 記
株探ニュース