【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─決算通過の"評価不足"銘柄を仕込む!
「決算通過の“評価不足”銘柄を仕込む!」
●一考に値する決算発表前のリスク回避売り
3月期決算企業の中間決算の発表が相次いでいる。四半期決算の発表もそうだが、この時期の投資は非常にやりにくくなる。
決算発表前には当然、保有銘柄の決算がどんなものになるのか、あれこれ予想することになる。4月以降、新型コロナウイルスの感染拡大が続いてしまったため、収益の好転を果たせなかったのではないか。こう心配せざるを得ない銘柄も多い一方で、最悪期は脱して通期予想は好転しているだろうと思える銘柄もある。結局どちらになるか分からないまま企業の発表を待つことになってしまうのだが、実はこれは非常にリスキーな対応だ。
業績が期待外れだったら大きく売り込まれるのは当然としても、たとえ好業績であっても売られてしまうことがあるからだ。それも1つや2つの銘柄ではない。多数の銘柄がそうなってしまうのだ。
これは実に困ったことで、残念ながら有効な対処法がない。
株式投資では対処法がない2種類の売り材料がある。
(1)証券各社のレーティング引き下げ
(2)決算発表による売り
これらになる。どちらも多くは予想ができないため、とんでもない利益減や損失拡大につながることが多い。
では、そんな事態を回避するにはどうしたらよいのか。(1)については残念ながらいまだに有効な対処法が見つかっていない。そのため、ある日、突然レーティングを引き下げられても、その時はその時として諦めることにしている。
しかし、(2)については方法がある。それもバカバカしいほど簡単な方法だ。決算の発表前に売っておく。これになる。たとえ好決算の発表が予想されても、構うことなく機械的に売っておくのだ。
そうするためには決算発表の日時を知っておかねばならないが、日本経済新聞社のサイト内の「決算発表スケジュール」でチェックすることが可能だ。
●日立、ZOZO…、修正高が期待できる銘柄に着目
さて、このような状況下、決算発表の影響を受けることなく投資するにはどうするか。すでに発表が終わった銘柄に投資すればよい。それも好業績にも関わらず株が売られたり、さほど上がらなかったりした銘柄がよい。
具体的にはまずは日立製作所 <6501> だ。22年3月期の連結営業利益予想は前期比46%増を見込むものの、予想を下方修正したため株は売られた。46%増で十分ではないかといえるため、株価の回復は早いと見てよい。
28日発表された上期業績が好調だったのに、29日に株価が急落したZOZO <3092> も、すぐの回復は難しいだろうが、時間をかければ回復に転じると見る。緊急事態宣言の解除により人流が盛んになり、ファッションに対するニーズの高まりが見込めるからだ。
大きく下げはしなかったものの、増益ながら軟調な値動きになった日本電産 <6594> も電気自動車(EV)関連の中核銘柄であることを考えると、評価不足だろう。
評価不足とまではいえないものの、もっと評価されてよいと思えるのがソニーグループ <6758> だ。22年3月期の連結営業利益を従来予想の9800億円から1兆0400億円に上方修正したにもかかわらず、発表翌日の29日の上昇率は前日比1.9%にとどまった。電子部品、エンターテインメント、金融など総合力で戦える国内唯一の企業だけに、今後は改めて同社の底力を見直す買いが期待できる。
小型株にも目を向けておくと、遠藤照明 <6932> がある。26日に上期業績を上方修正したが、材料出尽くしとして株は売られてしまった。しかし、収益の向上が続いてる以上、これまた見直し買いの対象になるだろう。
そして、最後に日本ハム <2282> だ。理由はもちろん新庄剛志氏の監督就任だ。信じられない就任であり、同社株には当然プラスとなる。
2021年10月29日 記
株探ニュース