話題株ピックアップ【夕刊】(3):東エレク、トヨタ、エイジス
■東京エレクトロン <8035> 65,560円 +50 円 (+0.1%) 本日終値
東京エレクトロン<8035>、レーザーテック<6920>、アドバンテスト<6857>、など半導体製造装置関連は売り買い交錯。同関連株はここグロース株からバリュー株に資金シフトが起こるなかで総じて調整を強いられたが、目先売り一巡から押し目買いも観測される状況にある。半導体関連は高速通信規格5Gの普及加速やデータセンター増設などを背景に旺盛な需要が続いていたが、最近では仮想空間メタバースなどの新分野開拓に伴うコンピューター周辺の需要拡大が新たな追い風となっている。もっとも、相場全般は株式需給悪が意識される状況にあり、先駆した半導体の主力株については上値も重くなっている。
■トヨタ自動車 <7203> 2,423.5円 +0.5 円 (+0.0%) 本日終値
トヨタ自動車<7203>は売り買い交錯も頑強な値動き。新たなEV戦略を打ち出したことが海外投資家の高評価を獲得し、同社の株価は今年に入ってから上げ足が鮮明で、最高値街道を走る展開が続いている。売買代金もレーザーテック<6920>やソフトバンクグループ<9984>などと並んで上位に食い込むことが多くなった。足もとでは外国為替市場でドル買いの動きが強まっており、1ドル=114円台後半の推移とドル高・円安に振れたことから、輸出採算向上の思惑も買いの根拠となった。同社の22年3月期通期想定為替レートは1ドル=110円と実勢よりも4円以上円安に設定されている。
■エイジス <4659> 2,831円 -414 円 (-12.8%) 本日終値
エイジス<4659>が5日続落。17日の取引終了後に発表した12月度売上高が前年同月比15.1%減となり、7カ月連続で前年実績を下回ったことが嫌気された。国内事業で前年の臨時発注案件の消失や業務の内製化などにより発注店舗数が減少したことや、海外事業でASEAN地域における新型コロナウイルス感染症による都市封鎖などの影響があった。
■愛三工業 <7283> 776円 -72 円 (-8.5%) 本日終値 東証1部 下落率4位
愛三工業<7283>は大幅に4日続落。同社は17日取引終了後、パワートレイン事業の競争力強化に向けて、デンソー<6902>からフューエルポンプモジュール(FPM)の開発・生産・販売の一連の事業を譲り受けると発表した。FPMは、燃料タンクからエンジンへ燃料供給するために必要な部品を機能として一体化した製品。19年から両社のパワートレイン領域における重複分野の競争力強化に向けた検討を行い、今回の事業譲渡で合意したという。これに伴い、米国のキョーサン・デンソー・マニュファクチャリング・ケンタッキー(ケンタッキー州)の全持ち分を8月1日に取得するとしたが、この取得価格が190億8100万円と高額であること、及びあわせて協議されていたデンソーによる愛三工への出資比率引き上げは見送りとされたことから、愛三工は売りが優勢となった。
■ミダックHD <6564> 3,005円 -35 円 (-1.2%) 本日終値
ミダックホールディングス<6564>が4日続落。同社は7日に公募増資を行うことを発表しており、この日から発行価格の決定期間に入っている。株価は公募増資の発表後、15%近く下落しており、目先底打ち期待感はあるものの神経質な値動きが続いている。
■シュッピン <3179> 1,224円 +168 円 (+15.9%) 本日終値 東証1部 上昇率トップ
シュッピン<3179>が続急騰し一時、前日比186円(17.6%)高の1242円に買われた。17日の取引終了後、22年3月期の単独業績予想について、売上高を388億3100万円から415億7600万円(前期比22.4%増)へ、営業利益を19億9600万円から29億6600万円(同83.9%増)へ、純利益を13億6300万円から20億7300万円(同94.3%増)へ上方修正したことが好感された。主力のカメラ事業で、EC売り上げが好調に推移したことや、時計事業で人気時計ブランドのロレックスを中心とした戦略的な品揃えを維持したことなどが寄与する。また、人件費を中心とした販売管理費のコントロールができていることも貢献する。
■窪田製薬HD <4596> 169円 +21 円 (+14.2%) 本日終値
窪田製薬ホールディングス<4596>は大幅反発。同社はきょう取引開始前に、米国子会社のクボタビジョン・インク(ワシントン州)が開発する遠隔医療眼科網膜モニタリング機器 「PBOS(Patient Based Ophthalmology Suite)」について、医療法人明星会鹿児島園田眼科・形成外科による前向き介入研究を開始したと発表した。この臨床試験は目標症例数を40例とし、同社が貸与した「PBOS」の使用感を評価するもの。17日に最初の被験者登録(FPFV)を行ったとしている。
■Jテック・C <3446> 1,881円 +178 円 (+10.5%) 本日終値 東証1部 上昇率2位
ジェイテックコーポレーション<3446>が急騰。同社は17日取引終了後、23年に完成予定の東北大学の第4世代放射光施設SLiT-J、及び世界3大大型放射光施設の1つであるSPring-8など、国内の放射光施設から各種超高精度ミラーを受注したと発表した。受注総額は約4億円。同社では、ナノ領域での観察や制御の高精度化、効率化のキーテクノロジーとなるX線ミラーの一層の高精度化や新規開発に注力し、技術開発やイノベーションを支援するとした。
■すららネット <3998> 1,523円 +142 円 (+10.3%) 本日終値
すららネット<3998>が急反発。岸田文雄首相が17日の通常国会の施政方針演説で、オミクロン株への対応として「学校においても、休校時のオンライン授業の準備を進める」と述べたことから、オンライン授業や教育ICT関連の代表的銘柄である同社やチエル<3933>などが買われたようだ。
■JDSC <4418> 1,512円 +122 円 (+8.8%) 本日終値
JDSC<4418>が急反発。この日の午前中、同社とRIZAPグループ<2928>及びユカイ工学(東京都新宿区)の3社は合同で、健康寿命延伸サービスの構築と検証を開始したと発表しており、これが好材料視された。同実証実験は、高齢者宅のスマートメーターからの電力データを人工知能(AI)が解析することで高齢者の負担なくデータを把握し、ヘルスケアデータと連携することで、健康寿命延伸プラットフォーム構築を目指すもの。JDSCは、加齢に伴い心と身体の動きが弱くなってしまうフレイルと呼ばれる状態の予防に取り組むうえで解消しなければならないモニタリング(データ収集)、ITリテラシー、リクルート(参加と継続)の3つのハードルを解消するため、電力データからAIでフレイルリスクや日常生活の変化を検知する技術を用いて、フレイル予防における結果の見える化と予防活動の継続化を実現するプラットフォーム構築に貢献するとしている。
●ストップ高銘柄
キャンバス <4575> 399円 +80 円 (+25.1%) ストップ高 本日終値
Enjin <7370> 2,821円 +500 円 (+21.5%) ストップ高 本日終値
サイエンスアーツ <4412> 7,250円 +1,000 円 (+16.0%) ストップ高 本日終値
エフ・コード <9211> 5,220円 +700 円 (+15.5%) ストップ高 本日終値
など、4銘柄
●ストップ安銘柄
グレイステクノロジー <6541> 231円 -80 円 (-25.7%) ストップ安 本日終値
など、1銘柄
株探ニュース