【杉村富生の短期相場観測】 ─需給要因による急落に脅える必要なし!
「需給要因による急落に脅える必要なし!」
●何をいまさら、リスクを騒ぎ立てるのか?
マーケットは再び荒れ模様の展開となっている。この季節特有の現象(花冷え、花曇り)といえるが、投資家は何を脅えているのだろうか。もちろん、株式市場には地政学上(ウクライナ情勢)、各国中央銀行の金融引き締め(オーバーキル懸念)、スタグフレーション(景気後退下での物価高)などのリスクが存在する。
4月6日、7日の日経平均株価の急落(437円安、461円安)では中国の景気減速を危惧する声が多かった。すなわち、上海などロックダウン(都市封鎖)の影響である。実際、サプライチェーン(物流網)が混乱、日本企業の国内工場が操業停止に追い込まれている。中国での新型コロナウイルスの感染拡大は人ごとではないと思う。
ただ、新営業年度入りと同時の株価調整の主因は需給要因によるものだ。だって、そうじゃないか。前述のリスクはずっと言われてきたことだろう。ここにきて急に浮上した話ではない。この時期は3月決算期末に向けてのリバランス(買い需要)が一巡し、機関投資家は4月1日以降、利益確定の売りを出す傾向がある。
買い手はどうか。新規資金の配分は終わっているが、すぐに買うことはない。アセットアロケーション(資金配分)を慎重に行う。本格的な買い出動は4月中旬だろう。とはいえ、利上げを控えているだけに、債券は買いづらい。株式シフトが強まるのは間違いない。さらに、円安が輸出関連企業には追い風となる。
●波乱に強い最高益更新企業!
いずれにせよ、ここは弱気に傾く局面ではない。それに、直近安値→直近高値(ザラバベース)の上昇率をみると、NYダウが9.6%、ナスダック指数が16.7%、日経平均株価が15%、東証マザーズ指数が30.1%の急騰劇を演じた。休むのは当然だ。竹に節があるように、値固めがあってこそ、相場は力強く上昇できる。
さて、ここでの投資戦術は? 引き続いて突っ込み買いの吹き値売り、逆行高の強い銘柄を攻める(暴落日の赤札銘柄を狙え)作戦が有効だろう。具体的にはウッドワン <7898> [東証S]、日揮ホールディングス <1963> [東証P]、青山財産ネットワークス <8929> [東証S]、三和油化工業 <4125> [東証S]などに妙味があろう。
小物ではメタバース関連のBirdman <7063> [東証G]、エスユーエス <6554> [東証G]、車載用銅箔のトップ企業の日本電解 <5759> [東証G]などはどうか。テーマ性を有し、好業績の銘柄は強い。押し目が買える。テーマ性が社会的な話題となって、株価に復元力がある。波乱相場ではじっくり狙える。
一方、決算発表シーズンを前に、2023年3月期が最高益予想、かつアナリストコンセンサスが上方修正されている銘柄は突っ込み買いのチャンスだろう。たとえば、日本電子 <6951> [東証P]、三井不動産 <8801> [東証P]、コマツ <6301> [東証P]、デクセリアルズ <4980> [東証P]などがそうだ。波乱に強い銘柄である。
2022年4月8日 記
株探ニュース