「電力会社」が15位にランク、原発再稼働に対する思惑で高い関心続く<注目テーマ>
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みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「電力会社」が15位にランクしている。
岸田文雄首相が日本時間5日にロンドンで講演し、「安全を確保した原子炉の有効活用を図る」と述べたことを受けて、原発再稼働の思惑から電力会社への関心が高まっている。ロシアによるウクライナ侵攻で、原油をはじめとするエネルギー価格の上昇が続いていることを受けて、代替エネルギーの一つとして原子力発電所の再稼働が注目を集めている。
ロシアによるウクライナ侵攻以前からエネルギー価格は上昇基調にあり、その背景にはコロナ禍からの世界的な景気回復に伴う需要拡大と、その一方で世界的な脱炭素の流れを受けて化石燃料の開発投資が伸び悩んでいることが挙げられていた。エネルギー価格の高騰を受けて、欧州連合(EU)の欧州委員会は今年1月、条件付きで原子力発電所を「脱炭素に貢献するエネルギー」と位置づける方針を表明。米国でもバイデン政権が既存の原発を利用し続ける方針を鮮明にしており、原発維持を支援する補助金制度の運用を開始している。
一方、福島第一原発事故以降、日本では全ての原発が順次停止され、現在は3社10基の原発が再稼働している。また、原子力規制委員会が審査中の原発も10基あるが、一部は9年近く審査が続くなど歩みが遅い。それだけに、燃料費の低減につながるとされる原子力発電への産業界の関心は高く、株式市場でも再稼働の話題に対して敏感になっており、電力会社への注目も当面続きそうだ。
なお、この日の関連銘柄は利益確定の動きが優勢で、東京電力ホールディングス<9501>、中部電力<9502>、関西電力<9503>、中国電力<9504>などが軒並み軟調となっている。