来週の株式相場に向けて=ハイパーグロース株に反発の萌芽も
13日の東京市場は日経平均株価が前日比678円高と急反発。前日に一時2万5600円台まで売られた日経平均株価は、2万6400円台まで値を上げた。この日の上昇を象徴したのが、前日に大幅な赤字を発表したソフトバンクグループ<9984>の10%を超す急騰だ。東京市場全体に関しても、SBGなどハイテク株を中心に「ヘッジファンドなど短期筋がショートカバーの買いを入れたようだ」(市場関係者)との見方が出ていた。
市場の関心を集めているのが、米ナスダックの動向だ。ナスダック指数は昨年11月高値から直近まで約3割下落した。20年2月から3月にかけてのコロナ暴落の際の下落率も3割程度であり、「ナスダック市場の下落は大分良い水準に達したのではないか」(アナリスト)との声が出ている。個別銘柄でも、ビットコインなど仮想通貨に絡むコインベース・グローバル<COIN>の株価が12日は売り一巡後、値を戻す動きを見せた。同じくEV関連のリビアンオートモーティブ<RIVN>も値を上げており「ハイパーグロース株に反発の萌芽も」(同)という声も聞こえ始めている。
この米国市場の動向がきょうのSBGの急反発にもつながったとみられている。とはいえ、インフレ懸念に揺れる米国市場では、高PER株に対する逆風は強い。ハイパーグロース株の反発は目先の動きで終わる可能性も小さくない。ただ、ナスダック指数がいったん反発基調に入れば、物色のホコ先も変わる。市場には、好決算を発表した東京エレクトロン<8035>など半導体関連株の動向に注目する声も出ている。
来週は、16日には約140社の決算発表が予定されているが、それで決算シーズンは終わる。目立ったイベントは無いだけに、決算内容が吟味され好業績銘柄が買い直される展開が予想される。海外では17日に米4月小売売上高が発表される。19日には半導体製造装置最大手アプライド・マテリアルズ<AMAT>の決算が発表となる。
国内では、16日に三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>やリクルートホールディングス<6098>の決算が発表される。18日に1~3月期GDP、20日に4月消費者物価指数が予定されている。同日に東京海上ホールディングス<8766>やSOMPOホールディングス<8630>が決算発表を行う。来週の日経平均株価の予想レンジは2万6100~2万7000円前後。(岡里英幸)