今週の【早わかり株式市況】2週ぶり反落、波乱の米国株を横目に下値模索

市況
2022年5月14日 6時40分

■今週の相場ポイント

1.日経平均は2週ぶりの下落、リスクオフ加速で一時2万6000円台割り込む

2.インフレを背景にFRB引き締め強化の思惑と中国ロックダウンの影響を警戒

3.日経平均は週明け急落で始まり、その後も波乱の米国株横目に下値模索の動き

4.米CPIは市場予測上回り米ハイテク株安に波及、東京市場もその煽り受ける

5.週末は空売り買い戻しで急速に切り返すも、週間では前週末終値を大幅に下回る

■週間 市場概況

今週の東京株式市場は日経平均株価が前週末比575円安(2.13%安)の2万6427円と2週ぶりに下落した。

今週は週初から波乱含みの下げでリスクを避ける動きが顕著となった。米国では深刻なインフレでFRB(米連邦準備理事会)の金融引き締め強化に対する思惑が拭えず、中国の新型コロナウイルス感染者拡大によるロックダウンが与える経済への影響を懸念するムードも強かった。週末は突っ込み警戒感からの買い戻しが活発化し、日経平均は大幅高で切り返したが、週間ベースでは600円近い下げとなった。

ゴールデンウイーク明けとなった週明け9日(月)はリスク回避ムードの強い地合いで日経平均は700円近い急落をみせ、約2ヵ月ぶりの安値をつけた。前週末の米国では金利上昇懸念からハイテク株安が目立ったほか、中国ゼロコロナ政策による経済への反動を警戒した売り圧力が顕在化した。10日(火)も日経平均は下げ止まらなかった。前日の米株市場でナスダック総合株価指数が4%超の下げをみせたことで投資家心理が悪化し、寄り後早々に2万6000円台を下回る場面もあった。しかし、中国などアジア株が堅調な動きをみせたことや米株価指数先物の上昇が足掛かりとなって、その後は下げ渋った。11日(水)は4月の米消費者物価指数(CPI)発表前で方向感の出にくい不安定な地合いとなったが、好決算発表銘柄を買う動きなどが支えとなり、日経平均は小幅ながら反発した。しかし、12日(木)は再びリスクオフの波が押し寄せることになった。米CPIの結果が市場コンセンサスを上回り、インフレに対する懸念が再燃、前日の米株市場ではハイテク株を中心に売り直された。東京市場もリスク許容度の低下した外国人売りを浴び、日経平均は460円あまりの下落で2万6000円大台を割り込んだ。そしてオプションSQ算出日ともなった13日(金)の動向が注目されたが、この日はハイテク株中心に突っ込み警戒感からのショートカバーを誘発。日経平均は急速な切り返しに転じ、一時700円超の上昇をみせる場面も。前日の決算で巨額損失を計上したソフトバンクグループ <9984> [東証P]への空売り買い戻しが全体株高にも貢献した。

■来週のポイント

来週は引き続き米国のインフレ懸念を横目に2万6000円を巡る攻防となりそうだ。ただ、決算一巡で好業績銘柄が買い直される展開は期待できそうだ。

重要イベントとしては、国内では18日朝に発表される1-3月期GDP、19日朝発表の3月機械受注が注目される。海外では16日午前に発表される中国4月の小売売上高と鉱工業生産、17日に発表される米国4月小売売上高、18日発表の米国4月住宅着工件数、20日午前に発表される中国人民銀行の5月最優遇貸出金利が注目される。また、18日~20日まで開催されるG7財務大臣・中央銀行総裁会議にも注視が必要だろう。

■日々の動き(5月9日~5月13日)

【↓】   5月 9日(月)―― 大幅反落、米株安や中国リスクで2ヵ月ぶりの安値

日経平均 26319.34( -684.22)  売買高12億6342万株 売買代金 2兆9545億円

【↓】   5月10日(火)―― 続落、米株急落を受けリスク回避の売り優勢

日経平均 26167.10( -152.24)  売買高13億7245万株 売買代金 3兆2345億円

【↑】   5月11日(水)―― 3日ぶり小反発、米CPI発表を目前に不安定な値動き

日経平均 26213.64(  +46.54)  売買高13億6854万株 売買代金 3兆2045億円

【↓】   5月12日(木)―― 大幅反落、米株安でハイテク株を中心に売りが優勢

日経平均 25748.72( -464.92)  売買高14億8101万株 売買代金 3兆2683億円

【↑】   5月13日(金)―― 急反発、値がさハイテク株中心に買い戻しが流入

日経平均 26427.65( +678.93)  売買高16億4818万株 売買代金 3兆5923億円

■セクター・トレンド

(1)全33業種中、27業種が値下がり

(2)値下がり率トップは王子HD <3861> などパルプ・紙

(3)INPEX <1605> など鉱業、住友鉱 <5713> など非鉄金属、三井物 <8031> など大手商社といった資源株の一角が売られた

(4)輸出株はトヨタ <7203> など自動車が安い一方、オリンパス <7733> など精密機器が値上がり率トップと大幅高

(5)OLC <4661> などサービス、菱地所 <8802> など不動産、NTT <9432> など情報通信といった内需株は総じて安い

(6)三菱UFJ <8306> など銀行、野村 <8604> など証券、オリックス <8591> などその他金融、第一生命HD <8750> など保険といった金融株は軟調

(7)ENEOS <5020> など石油、東ガス <9531> など電気・ガスは高い

■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)

1(3) インバウンド

2(1) 円安メリット

3(2) メタバース

4(4) 半導体 ── SOX指数急落で1年2カ月ぶり安値

5(5) 防衛

※カッコは前週の順位

株探ニュース

人気ニュースアクセスランキング 直近8時間

特集記事

株探からのお知らせ

過去のお知らせを見る
米国株へ
株探プレミアムとは
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、ジャパンネクスト証券、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.