採れたて“好決算”を探る! 2-4月期【2ケタ増益】銘柄リスト <成長株特集>
1月、4月、7月、10月を本決算月とする企業の22年2-4月期(3ヵ月業績)決算発表がほぼ出そろった。本特集では、2-4月期に前年同期比で2ケタ増益を達成した企業にスポットライトを当てた。
「株探」集計によると、本決算月にかかわらず、2-4月期の決算発表を終えた188社のうち、経常利益が前年同期比で増益または黒字転換した企業数は88社と全体の半数に満たなかった。下表では、この88社の中から、時価総額100億円以上の銘柄を対象に、2-4月期の経常利益が前年同期比で10%以上の増益を達成した35社を選び出し、増益率の高い順に記した。
増益率トップとなったのは、物流不動産のトータルサービスを展開するシーアールイー <3458> [東証P]。直近3ヵ月の22年2-4月期(第3四半期)の経常利益は前年同期の1.4億円から26.8億円に急拡大して着地。物流投資事業で「ロジスクエア三芳2」をコアブリッジファンドに売却したことが収益を押し上げた。第3四半期累計の経常利益(83.3億円)は通期計画の82億円をすでに上回っており、業績上振れが濃厚とみられる。
3位の三井ハイテック <6966> [東証P]は需要好調な半導体向けリードフレームや電動車向け駆動・発電用モーターコアの販売が引き続き大きく伸びた。2-4月期(第1四半期)の経常利益は前年同期比3倍の81.6億円に拡大し、直前の11-1月期に記録した四半期ベースの過去最高益(56億円)を大幅に更新した。
4位に入ったビジョナル <4194> [東証G]の2-4月期(第3四半期)は、企業が中途採用への取り組みを積極化させるなか、テレビCMを含むマーケティング投資などが奏功し、主力の会員制転職サービス「ビズリーチ」の導入企業や登録会員が増加した。業績好調に伴い、22年7月期通期の経常利益を従来の63.2億円→83.2億円に上方修正し、最高益予想をさらに上乗せしている。
5位にリスト入りしたミライアル <4238> [東証S]の2-4月期(第1四半期)は、旺盛な半導体需要を背景にシリコンウエハー出荷容器・工程内容器の販売が大きく伸びた。高付加価値な新製品のスポット案件も寄与し、経常利益は前年同期比2.5倍の8.6億円に膨らんだ。半導体関連では、半導体商社の菱洋エレクトロ <8068> [東証P]が7位、半導体製造向け高純度化学薬品を主力とするトリケミカル研究所 <4369> [東証P]が20位にそれぞれ入っている。
続く6位のヤーマン <6630> [東証P]の2-4月期(第4四半期)はミーゼブランドの美容器具がCM効果もあって大きく伸びたほか、海外部門では中国向けの販売が好調だった。併せて発表した23年4月期の経常利益は前期比19.1%増の96億円と3期連続で最高益を更新する見通しだ。好決算を受けて、株価は15日に7ヵ月ぶりの高値となる1458円まで上値を伸ばした。
9位の投資用ワンルームマンション販売を主力とするグッドコムアセット <3475> [東証P]は、ホールセール部門で不動産運用会社への1棟販売を強化するなか、マンションの販売が増加するとともに利益率も向上し、2-4月期(第2四半期)は売上高232億円(前年同期比45.6%増)、経常利益33.4億円(同81.2%増)と業績高変化を遂げた。上期経常利益(31億円)の通期計画34.1億円に対する進捗率は90.8%に達しており、業績上振れが期待される。
13位にリストアップされたタカショー <7590> [東証P]の2-4月期(第1四半期)は、海外部門が物流混乱の影響を受けて不調だったものの、ガーデニング需要の高まりが継続するなか、主力のプロ向けリビングガーデン製品の販売が伸び、増収を確保した。円安による為替差益3.1億円を計上したことも利益を大きく押し上げた。
14位のクミアイ化学工業 <4996> [東証P]は畑作用除草剤「アクシーブ剤」の輸出向け販売が好調だった。また、円安による収益押し上げ効果や為替差益の計上も寄与し、2-4月期(第2四半期)の経常利益は74.7億円と過去最高だった前年同期を66.5%も上回って着地。上期決算発表前の7日に、22年10月期通期の業績予想を大幅上方修正しており、翌日の株価は約6年4ヵ月ぶりの高値圏に急浮上する場面があった。
┌ 経常利益 ┐ 増益 対象 予想
コード 銘柄名 増益率 2-4月期 連続期数 四半期 PER
<3458> CRE 1803 2683 1 3Q 8.1
<7050> Fインタ 333 797 5 4Q -
<6966> 三井ハイテク 198 8161 10 1Q 22.2
<4194> ビジョナル 155 3235 1 3Q 37.9
<4238> ミライアル 151 862 6 1Q -
<6630> ヤーマン 118 1796 2 4Q 11.7
<8068> 菱洋エレク 109 1130 5 1Q 29.0
<5218> オハラ 96.3 791 7 2Q 15.3
<3475> グッドコムA 81.2 3342 1 2Q 7.8
<6040> 日本スキー 80.2 701 2 3Q 403
<8842> 楽天地 78.0 283 2 1Q 16.2
<3854> アイル 77.5 701 2 3Q 27.7
<7590> タカショー 68.7 764 1 1Q 11.1
<4996> クミアイ化 66.5 7475 5 2Q 11.4
<6778> アルチザ 61.8 178 3 3Q 11.0
<6387> サムコ 55.6 291 5 3Q 21.9
<1928> 積水ハウス 54.8 86120 6 1Q 9.8
<9824> 泉州電 53.2 1947 5 2Q 9.8
<2353> 日本駐車場 44.8 1429 5 3Q 18.5
<4369> トリケミカル 39.2 1718 5 1Q 16.3
<7095> マクビープラ 36.9 345 6 4Q 17.4
<3733> ソフトウェア 36.8 1768 4 2Q 9.9
<7605> フジコーポ 34.4 1215 3 2Q 7.9
<9279> ギフトHD 30.5 381 5 2Q 15.7
<9632> スバル 23.5 2015 2 1Q 8.3
<3539> JMHD 21.7 1748 1 3Q 9.4
<2217> モロゾフ 21.4 765 5 1Q 24.2
<3031> ラクーンHD 20.0 312 2 4Q 42.8
<3180> Bガレージ 19.1 431 1 4Q 17.3
<8917> ファースト住 18.0 931 1 2Q 6.4
<2751> テンポスHD 15.3 640 6 4Q 14.5
<3480> JSB 15.3 5725 5 2Q 9.0
<9743> 丹青社 13.8 801 2 1Q 20.9
<3361> トーエル 13.3 897 8 4Q 12.9
<9262> シルバライフ 12.9 201 1 3Q 41.2
※経常利益の単位は百万円。増益率は前年同期に比べた増加率、単位は%。連続期数は四半期ベースの連続回数。
※予想PERの「-」は今期業績予想を非開示の企業。2-4月期に営業赤字だった企業、および経常利益が1億円未満の企業は除いた。
株探ニュース