ログイン
米国株
2022年6月21日 19時30分
特集

世界エネルギー危機を救え、LNG関連株に長期成長観測強まる <株探トップ特集>

―日本企業に活躍期待膨らむ、中長期的な需給逼迫の構図に変化なし―

LNG(液化天然ガス)関連株に長期的な投資妙味が膨らんでいる。ロシアによるウクライナ侵攻に伴い、世界的なエネルギー安全保障に対する関心が高まった。特に欧州は脱ロシアが急務となっており、それとともに天然ガスを液化して長距離搬送を可能とするLNGはエネルギー分野の注目の的となっている。足もとで、原油価格の下落でLNG関連株も軟調に推移しているが、長期的な成長トレンドは不変であり投資妙味は大きい。

●価格高騰の反動懸念もLNG需給逼迫は変わらず

LNGは液化天然ガスの略称。天然ガスを約マイナス162度にまで冷却し液化させたもので、液化すると体積は約600分の1に減る。これにより、LNG専用船やタンクローリー、鉄道での長距離輸送やタンクでの貯蔵が可能となる。石油や石炭などに比べ二酸化炭素の排出量が少ないクリーンなエネルギーであることも特徴だ。

そのLNGを巡る市場環境はウクライナ危機を契機に激変した。象徴的なのが、天然ガス価格で欧州の同価格は、100万BTU(英国熱量単位)当たりが今年3月の平均で1月に比べ5割上昇しており、その後も高止まりしている。ウクライナ危機を経て、いまこそ活躍本番とばかりにLNG関連株は急伸した。

ただ、直近ではLNGや 石油関連株が軟調となっている。これは米金融引き締めによる景気減速懸念が高まるなか、米原油先物相場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)価格が下落。LNG価格は原油相場に連動する面が強いため、LNG関連株も警戒売りに押されたようだ。しかし、エネルギーアナリストからは「基本的にタイトな需給関係は変わらない」と価格高止まりを予想する見方が多い。特に「LNGは原油に比べ一段と需給は引き締まっており、価格はより上昇しやすい」とみる声もある。それだけに、LNG関連株の一服場面は格好の拾い場ともみられる。

●米国産など巡り世界的なLNG争奪戦が勃発

ウクライナ危機で主要7ヵ国(G7)は対ロシア経済制裁を強めロシア産原油の輸入を禁止する方針を示した。同時にロシア産の天然ガスからの脱却を目指しており、この動きが天然ガス価格の高騰を呼んでいる。そんななか、焦点となっているのがシェール革命でシェールオイル・ガスの増産が進む米国の動向だ。これまでカタールやオーストラリアがLNG輸出国のトップ争いをしていたが、米国は2022年には両国を抜き世界最大のLNG輸出国となる見通しだ。

これまでロシア産の天然ガスに頼っていたドイツなど欧州各国は、脱ロシアを進めるなか、日本や中国、韓国の主要LNG輸入国のなかに割って入ってくる格好となり、増産を進める米国産などを巡って世界的なLNG争奪戦が勃発している。

今後、LNGの供給力を増加させるために生産設備を増強したとしても、新規プラントの建設には数年単位の時間がかかるとみられる。このことは、エネルギー危機の収束は容易ではないことを示すと同時に、LNG関連株には今後も長期間にわたり追い風が吹くことを意味している。

●日揮HDや千代建などプラント企業の活躍余地は大

とりわけ、日本にはLNG関連分野で世界的な高実績を誇る企業が少なくない。なかでもLNG関連の有力銘柄に挙げられるのは、やはり日揮ホールディングス <1963> [東証P]などプラント株だ。同社は、米ベクテルやKBR<KBR>とともにLNGプラントの「世界4強」の1社と呼ばれている。残りの1社は、やはり日本の千代田化工建設 <6366> [東証S]だ。日揮HDの23年3月期の連結受注高の目標は前期比2.7倍の8400億円と大幅増の見通し。同社は、4月に米ルイジアナ州のLNG基地「キャメロン」の増設工事の基本設計を受注したことを発表。今後も海外のLNG案件の受注などが期待される。足もとの円安も追い風であり、今3月期の連結営業利益は300億円前後(会社予想260億円)に増額修正されるとの期待も出ている。

同様に千代建にも期待が膨らむ。23年3月期の同利益は200億円(前期比89.7%増)の見通し。カタールのLNGプロジェクトなどの受注残が積み上がっている。更に、プラント大手の東洋エンジニアリング <6330> [東証P]も石油化学プラントなどの建設需要拡大の追い風が期待できる。

●IHIやニチアス、明星工、荏原など

また、オーストラリアのイクシスLNGプロジェクトなどを手掛けるINPEX <1605> [東証P]など石油関連株や、米国のLNGプロジェクトに出資する三菱商事 <8058> [東証P]や三井物産 <8031> [東証P]など商社株。それにLNG船の建造に絡む三菱重工業 <7011> [東証P]や三井E&Sホールディングス <7003> [東証P]などや、LNG運搬船の日本郵船 <9101> [東証P]や商船三井 <9104> [東証P]など。LNG貯蔵タンクの建設では、IHI <7013> [東証P]は世界トップシェアを誇り、トーヨーカネツ <6369>も同タンクで高実績を持つ。また、LNG保冷工事に絡むニチアス <5393> [東証P]や明星工業 <1976> [東証P]、LNGの移送などに使う極低温ポンプを扱う荏原 <6361> [東証P]、LNGプラント制御システムの横河電機 <6841> [東証P]などにも注目したい。

株探ニュース

関連記事・情報

  1. 備えあれば憂いなし、防災シーズン突入で「水害対策」関連株を総点検 <株探.. (06/20)
  2. まだ間に合う、6月配当【高利回り】ベスト30 <割安株特集> (06/21)
  3. 【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─外国人買いのターゲットとなるか?!  日本を.. (06/19)
  4. 【杉村富生の短期相場観測】 ─大荒れの株式市場! この局面での投資作戦は? (06/19)
  5. 【LNG】関連の銘柄一覧
  6. 「選挙関連」が13位にランク、あす参院選の公示で政局相場への思惑も<注目テ..(06/21)
  7. 採れたて“好決算”を探る! 2-4月期【2ケタ増益】銘柄リスト <成長株特集> (06/19)
  8. 【高配当利回り株】ベスト50 <割安株特集> (6月17日現在)
  9. 世界株暴落の予兆、レッドシグナル点灯前夜の東京市場に見えたもの <株探.. (06/17)
  10. 山田勉氏【波乱続く日経平均、これは終わりの始まりなのか】 <相場観特集> (06/20)

人気ニュース (直近8時間)

  1. 1
    利益成長【青天井】銘柄リスト〔第2弾〕30社選出 <成長株特集> 特集
  2. 2
    【明日の好悪材料】を開示情報でチェック! (8月5日発表分) 注目
  3. 3
    【高配当利回り株】ベスト50 <割安株特集> (8月5日現在) 特集
  4. 4
    【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─3大支援材料に後押しされ、秋高相場の助走期に! 市況
  5. 5
    【杉村富生の短期相場観測】 ─超タカ派発言はコミュニケーション手段? 市況
人気ニュースベスト30を見る
ログイン プレミアム会員登録
PC版を表示
【当サイトで提供する情報について】
当サイト「株探(かぶたん)」で提供する情報は投資勧誘または投資に関する助言をすることを目的としておりません。
投資の決定は、ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
当サイトにおけるデータは、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、JPX総研、China Investment Information Services、CME Group Inc. 等からの情報の提供を受けております。
日経平均株価の著作権は日本経済新聞社に帰属します。
株探に掲載される株価チャートは、その銘柄の過去の株価推移を確認する用途で掲載しているものであり、その銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
決算を扱う記事における「サプライズ決算」とは、決算情報として注目に値するかという観点から、発表された決算のサプライズ度(当該会社の本決算か各四半期であるか、業績予想の修正か配当予想の修正であるか、及びそこで発表された決算結果ならびに当該会社が過去に公表した業績予想・配当予想との比較及び過去の決算との比較を数値化し判定)が高い銘柄であり、また「サプライズ順」はサプライズ度に基づいた順番で決算情報を掲載しているものであり、記事に掲載されている各銘柄の将来の価値の動向を示唆あるいは保証するものではなく、また、売買を推奨するものではありません。
(C) MINKABU THE INFONOID, Inc.