「原子力発電」が4位、キシダノミクスで「国策に売りなし」の潮流<注目テーマ>
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みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「原子力発電」が4位となっている。
記録的な猛暑で電力不足の問題が再び取り沙汰される状況となっている。電力株は電力需給逼迫を背景としたスポット価格の上昇が利益採算を向上させるとの思惑から総じて株高基調にある。そしてもうひとつの思惑としては、クリーンエネルギーの活用による需要への対応。再生可能エネルギーはもちろんのこと、原発再稼働に向けた議論が今後活発化することへの期待も電力セクターへ投資資金を誘導する背景となっている。
岸田内閣が昨年10月に閣議決定した第6次エネルギー基本計画では、発電に際して石油・石炭・LNG火力への依存度を2030年度までに半分近くに減らし、それを再生可能エネ及び原子力発電の増加で補うという目標が明示されている。30年度の原発比率については20~22%という目標数値が示されており、そのためには現在稼働中の原発10基では当然ながら無理であり、今後更に20基程度の再稼働が必要との試算がある。
岸田首相は原発再稼働に前向きな姿勢を明確にしており、今月10日の参院選で自民党が首尾よく大勝して政権基盤が固まれば、求心力の高まった岸田首相から原発再稼働に関して何らかの新たな動きが示されることへの期待がある。
物色人気の中心にいるのは世界最大級の柏崎刈羽原発を有する東京電力ホールディングス<9501>で、来年にかけて同原発再稼働に向けた動きが顕在化してくれば、同社の株価にも大きな影響を与えそうだ。このほか、現在再稼働させている原発が5基(停止中含む)と最も多い関西電力<9503>や4基(同)を再稼働させている九州電力<9508>などをはじめ他の電力株にも物色の矛先が向かいそうだ。
電力株以外では、三菱重工業<7011>や日立製作所<6501>、日本製鋼所<5631>のほか、東京エネシス<1945>、助川電気工業<7711>、木村化工機<6378>、高田工業所<1966>、日本ギア工業<6356>、明星工業<1976>、太平電業<1968>、TVE<6466>といった中小型株も投資対象として有力視される。