【杉村富生の短期相場観測】 ─外国人に負けるな!投資の時代到来!

市況
2022年8月28日 9時15分

「外国人に負けるな!投資の時代到来!」

●NISA拡充、個人資金(現・預金)が始動!

恒例の夏のイベント(ジャクソンホール会合、サマーバカンス、高校野球、お盆休みなど)を通過、いよいよ本格的な株式投資のシーズンを迎える。猛暑は残っているが、日陰に入ると、涼風が心地良い。そう、秋だ。彼岸花が芽を出した。この花は律儀である。季節を忘れない。さあ、このタイミングを逃さず、株式投資に踏み出そうではないか。

全般相場は8月17日に、日経平均株価が2万9222円の戻り高値をつけたあと、調整している。これはやむを得ない。なにしろ、6月20日の2万5520円を安値に、一気に3702円(14.5%)の急騰劇を演じた。それに、イベントを前に手控えムードがあったと思う。古来、「イベントリスクは避けよ」という。

しかし、“休み”は終わった。外国人は8月に入って、先物を含め3週連続の買い越し(第1週3375億円、第2週3943億円、第3週4040億円:現物と先物合計)だ。7月は同様に、1兆7396億円(5週分)の買い越しだった。彼らはしぶとい。しっかり買っている。NY市場は波乱含みだが、早晩立ち直るだろう。

再三指摘しているように、日本のファンダメンタルズは良好だ。企業業績は好調だし、GDP成長率は3期連続のプラスである。これに対し、アメリカは2期連続のマイナス(テクニカルリセッション)だ。ヨーロッパは厳しい。ロシアとの戦時体制に加え、天然ガス価格の高騰、電力危機、物流(水運)の混乱、金融引き締めがダメージを与えている。

結局、相対的な日本の強さが評価されることになろう。金融庁はNISAの拡充を計画している。少額積み立てとはいうものの、昨年のNISAの利用額は3.5兆円、今年は4兆円を超える(1~3月に1.7兆円の実績)だろう。この資金の6~7割は投信経由を含めると、株式投資に向かう。これが需給改善に貢献する。

●この局面での狙い目はこれだッ!

もとより、日本株は出遅れている。日経平均株価のPERは12.9倍、PBRは1.17倍だが、世界平均(MSCI AC World Index)はPERが15.5倍、PBRが2.75倍だ。この修正とともに、個人金融資産の54%を占める1092兆円の現・預金が動き始めるだろう。バカバカしいほどの超低金利なのに、もったいない話である。

さて、物色面はどうか。やはり、好業績の新日本科学 <2395> [東証P]、芝浦メカトロニクス <6590> [東証P]、ヨネックス <7906> [東証S]、レノバ <9519> [東証P]などがターゲットになろう。ヨネックスはバトミントンラケットに強い。現在、バトミントン世界選手権大会(東京)が開かれている。チケットは入手困難らしい。

テーマ的には世界的な見直し機運に乗って、原発関連が好人気だ。東京電力ホールディングス <9501> [東証P]、岡野バルブ製造 <6492> [東証S]、木村化工機 <6378> [東証S]、助川電気工業 <7711> [東証S]などがにぎわっている。話題の小型原子炉(SMR)は冷却が容易なため、安全性の向上が期待できる。

この分野の開発では三菱重工業 <7011> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]・米GE連合、日揮ホールディングス <1963> [東証P]、IHI <7013> [東証P]が出資する米ニュースケール・パワーが先行している。SMRよりも優れているのが核融合(プラズマ)発電だ。ウランを核分裂させる原発とは根本的に違う。

現在、多くのベンチャー企業が開発を進めている。先にINPEX <1605> [東証P]はこの開発支援のため「新興数社に最大数百億円を出資」(会社側は否定)と報じられた。エスイー <3423> [東証S]は厚木研究所(神奈川県)において、独自に研究開発を行っている。本業は落橋防止工事など圧倒的なシェアを有するが、足もとは苦戦している。

このほか、個別銘柄では大幅増額修正(2022年12月期は減益予想が一転、最終利益が91.1%増益に)のアップルインターナショナル <2788> [東証S]、急出直りのANYCOLOR <5032> [東証G]、タンタルコンデンサーがEV(電気自動車)向けに伸びている松尾電機 <6969> [東証S]などに妙味があろう。

2022年8月26日 記

株探ニュース

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