4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第3弾〕 36社選出 <成長株特集>

特集
2022年8月28日 19時30分

本特集では、22年4-6月期(第1四半期)に経常利益ベースで利益倍増を達成した3月期決算企業を紹介する「4-6月期【利益倍増】企業はこれだ!」の〔第1弾〕(8月21日配信、時価総額2500億円以上)、〔第2弾〕(8月25日配信、時価総額が550億円以上)に続くシリーズ第3弾をお届けします。

今回は21日時点の時価総額が300億円以上550億円未満の銘柄(銀行を除く)の中から、直近3ヵ月実績である4-6月期(第1四半期)に経常利益が前年同期と比べて2倍超の大幅増益を達成した36社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。下表は四半期ベースの「増益連続期数」、4-6月期(第1四半期)経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。

増益率トップとなったのはサン電子 <6736> [東証S]。22年4-6月期(第1四半期)の経常利益は前年同期の4.4億円から76.6億円に急拡大して着地。主力のモバイルデータソリューション事業でデジタルフォレンジック製品の販売が大きく伸びた。利益面では先行投資としての研究開発費や販管費などがかさみ、営業損益は赤字に転落したものの、デリバティブ評価益の発生や為替差益の増加で吸収し、経常ベースでは大幅増益を達成した。

2位の三重交通グループホールディングス <3232> [東証P]は政府による行動制限の解除に伴う人流の活発化や観光需要の持ち直しを背景に、貸し切りバスやホテルなどレジャー関連が大きく回復した。また、不動産部門では物件数の増加で賃貸事業が伸び、4-6月期の経常利益は前年同期比7.4倍の12.1億円と2四半期連続の業績高変化を遂げた。

続く3位の淺沼組 <1852> [東証P]は手持ちの建築工事や土木工事が順調に進んだうえ、工事採算の改善や為替差益の計上も寄与し、4-6月期の経常利益は前年同期比5.3倍の12億円に膨らんだ。上期計画の11.7億円をすでに上回っており、業績上振れが濃厚視される。配当利回りが6%を大きく超えるなど株主還元への評価も高く、株価は23日に約26年ぶりの高値となる2923円まで上昇する場面があった。

6位に入った日本製鉄系鉄鋼メーカーの中山製鋼所 <5408> [東証P]は、主原料である鉄スクラップや鋼片の価格は上昇したものの、鋼材販売価格への転嫁が進んだことで利益幅が改善し、4-6月期の経常利益は前年同期比4.3倍の33億円に急拡大した。業績好調に伴い、減益予想だった通期の同利益を一転して増益見通しに大幅上方修正している。

7位にリスト入りしたアイ・ピー・エス <4390> [東証P]の4-6月期は、経常利益が前年同期比3.8倍の14.5億円と四半期ベースの最高益を更新した。使用権を保有する国際通信ネットワークC2C回線の販売が順調に推移したほか、前期に契約したIRU(長期的・安定的な通信回線使用権)提供案件の入金も加わり、国際通信事業の収益が大きく伸びた。また、円安進行で為替差益が急増したことも利益を押し上げた。上期計画の12.7億円をすでに上回っており、業績上振れは確実とみられる。

9位の田中化学研究所 <4080> [東証S]は車載用のリチウムイオン電池向け材料やニッケル水素電池向け材料の販売数量は減少したものの、主原料であるニッケルとコバルトの相場高騰による相場関連利益が寄与し、経常利益は前年同期比3.6倍の11.5億円と急拡大して着地。通期計画は7億円の赤字を据え置いたが、前期も通期予想は期初段階で赤字とし、10月に黒字予想に大幅上方修正した経緯があり、今年も同様のパターンが期待される。

このほか、半導体需給逼迫を背景に業績拡大が続く銘柄では、樹脂バルブの国内トップメーカーである旭有機材 <4216> [東証P]、電源用ICと半導体受託製造を2本柱とするトレックス・セミコンダクター <6616> [東証P]、半導体・電子部品商社の新光商事 <8141> [東証P]、ダイヤモンド工具最大手の旭ダイヤモンド工業 <6140> [東証P]がリスト入りした。いずれも好決算を受けて株価は上値を指向する展開となっている。

  ┌ 経常利益 ┐   増益  対通期 予想

コード 銘柄名    増益率  4-6月期 連続期数 進捗率  PER

<6736> サン電子    1639   7668   10    -   -

<3232> 三重交HD    638   1217    2   26.5 16.2

<1852> 浅沼組      426   1205    2   22.0 11.1

<4828> ビーエンジ    426    852    4   32.8 16.5

<9900> サガミHD    345    748    5    234  360

<5408> 中山鋼      332   3304    4   30.0  3.9

<4390> アイピーエス   283   1458    2   51.7 20.4

<6363> 酉島       276    380    1    7.6  9.7

<4080> 田中化研     264   1153    3    -   -

<3395> サンマルク    255    611    5   24.4 30.6

<2372> アイロムG    226   1432    1   47.7 14.4

<6779> 日電波      222   1718    2   37.3  8.9 *

<6958> 日本CMK    222    663    6   22.9 13.1

<6480> トムソン     220   3215    6   40.2  7.5

<1518> 三井松島HD   191   3496    4   14.9  3.2

<5541> 大平金      177   3676    6    147 22.7

<4216> 旭有機材     172   2423    6   29.5  7.8

<7463> アドヴァンG   169   3549    1   68.9  9.3

<9308> 乾汽船      169   6465    7   46.9  5.7

<3612> ワールド     168   4653    5   48.5  8.4 *

<9274> 国際紙パルプ   168   4818    5   51.3  7.1

<8081> カナデン     164    370    1    9.7 11.4

<6616> TOREX    160   1757    7   35.1  9.5

<3580> 小松マテーレ   151    639    4   25.6 20.5

<8141> 新光商      151   1614    6   37.5 11.1

<6962> 大真空      145   3019   11   52.1  8.3

<6800> ヨコオ      138   3057    1   38.2  9.4

<9081> 神奈交      134   1698    5   35.7 12.4

<6333> 帝国電      130   1278    5   40.8 16.6

<8699> HSHD     115   7361    6    -   -

<7130> ヤマエGHD   112   2279    6   25.9  6.6

<9052> 山陽電      111    942    1   32.1 24.9

<6140> 旭ダイヤ     107   1124    6   30.4 18.1

<6332> 月島機      106    295    1    5.4 10.7

<3817> SRAHD    102   2352    6   45.2 11.1

<7480> スズデン     100   1064    6   35.6 15.1

※経常利益の単位は百万円。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。

※増益連続期数は四半期ベースの連続回数、同一会計基準内が対象。21年4-6月期の経常利益が1億円未満の銘柄は除いた。

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