利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第4弾 29社選出 <成長株特集>
本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に随時配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
シリーズ最終回となる第4弾では、第1弾を配信した19日時点の時価総額が70億円以上300億円未満の銘柄を対象に、22年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している29社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、リネットジャパングループ <3556> [東証G]。宅配買取・通販サイトの運営(リユース)と使用済み小型家電の宅配回収(リサイクル)を主力とするほか、障害者雇用支援や外国人技能実習生の送り出しなども手掛ける。22年4-6月期(第3四半期)の経常利益は3.3億円と、過去最高だった直前の1-3月期実績を58.1%上回って着地。自治体との連携拡大やマーケティング戦略の強化が奏功し、リサイクル事業が好調だった。また、ソーシャルケアや海外HR事業の収益改善に加え、円安による為替差損益の好転も利益を押し上げた。第3四半期累計(21年10月-22年6月)の経常利益は6.8億円と通期計画の5.2億円をすでに大きく上回っており、業績上振れが確実とみられる。
4位に入った独立系海上輸送会社である内外トランスライン <9384> [東証P]の4-6月期(第2四半期)は、海上コンテナスペースの確保に注力するなか、海上輸送運賃が大幅に上昇したことで、主力の海上混載やフルコンテナの単価が想定を上回った。また、国内および海外子会社の業績も伸び、経常利益は前年同期比2.1倍の19.6億円と実に6四半期連続となる最高益更新を果たした。
7位にリスト入りしたトレンダーズ <6069> [東証G]の4-6月期(第1四半期)経常利益は前年同期比2.2倍の4.4億円に拡大し、4年ぶりに過去最高益を更新した。旺盛なSNSマーケティング需要が継続するなか、インフルエンサーサービスや美容情報の自社メディア「MimiTV」が好調だった。また、営業投資有価証券の売却益を計上したことも利益を押し上げた。第1四半期実績だけで、通期計画の8.5億円に対する進捗率は52.5%に達しており、業績上振れが期待される。株価は8月26日に約4年1ヵ月ぶりの高値2109円をつけている。
18位のクロスキャット <2307> [東証P]と28位のジェイリース <7187> [東証P]は、好決算を受けて上場来高値を更新している。中堅システムインテグレーターであるクロスキャットの4-6月期(第1四半期)は、クレジットや金融、官公庁、製造向けの案件が好調だったほか、原価率や販管費率が改善したことも大幅増益に貢献した。9月16日には上期業績予想の上方修正に踏み切ったが、材料出尽くし感から利益確定売りに押されている。
一方のジェイリースの4-6月期(第1四半期)は3四半期連続の最高益更新を達成した。主力の住居用賃料保証が地域密着営業やニーズへの対応の継続によって顧客を獲得したほか、成長分野である事業用賃料保証は新規市場開拓などで高い成長を維持した。また、独自データベースを活用した与信審査・債権管理業務による与信コストの抑制も利益拡大につながった。
選出リストは内需関連が大半を占めたが、製造業ではラサ工業 <4022> [東証P]が10位、ケル <6919> [東証S]が20位にそれぞれリスト入りしている。ラサ工は半導体向け高純度リン酸、ケルは産業用コネクターと、いずれも主力品の販売が増勢だった。両社ともに予想PER10倍以下、PBR1倍割れと指標面で割安感が強く、株価の水準訂正余地は大きいとみられる。
●“青天井”シリーズ ─────
も併せてご覧ください。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<3556> リネットJ 58.1 332 210 3.8 520 501 20.9
<4582> シンバイオ 57.1 969 617 74.8 1750 1001 19.2
<2982> ADWG 44.0 494 343 23.1 800 650 15.6
<9384> 内外トランス 42.1 1962 1381 21.9 4780 3922 6.1
<7849> スターツ出版 40.9 458 325 51.4 1400 925 11.6
<6034> MRT 39.2 1183 850 71.3 2150 1255 5.9 *
<6069> トレンダ 37.2 446 325 43.8 850 591 21.1
<7039> ブリッジ 35.7 338 249 3.5 672 649 18.5
<3294> イーグランド 33.7 1023 765 1.4 2380 2346 5.6
<4022> ラサ工 25.0 1507 1206 29.1 4600 3562 5.5
<4748> 構造計画 22.4 1621 1324 6.3 2070 1947 9.9
<7191> イントラスト 16.5 367 315 23.0 1450 1179 14.6
<6627> テラプローブ 15.6 1798 1555 33.4 6450 4835 5.4
<6566> 要興業 13.8 444 390 4.0 1367 1315 13.5
<7326> SBIIG 13.5 2801 2468 1.3 6000 5925 21.0
<9386> 日本コンセプ 12.3 1297 1155 14.0 3100 2720 10.4
<6070> キャリアL 11.1 1071 964 67.4 4640 2772 8.3
<2307> クロスキャト 11.0 402 362 1.6 1190 1171 25.8
<9325> ファイズHD 8.7 250 230 52.4 890 584 17.8
<6919> ケル 7.4 682 635 0.4 2150 2142 7.5
<7047> ポート 6.4 348 327 95.0 1100 564 14.4 *
<9268> オプティマス 5.6 903 855 13.0 3470 3072 5.4
<6081> アライドアキ 4.7 312 298 0.1 850 849 -
<7082> ジモティー 4.0 181 174 21.7 454 373 27.2
<7305> 新家工 3.7 1404 1354 17.1 4600 3927 3.2
<7228> デイトナ 2.2 611 598 9.2 2061 1888 5.6
<4462> 石原ケミ 1.5 741 730 6.2 2670 2514 9.0
<7187> ジェイリース 1.2 609 602 11.5 2170 1946 13.7
<9428> クロップス 0.1 821 820 6.8 2854 2672 5.3
※2021年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。
株探ニュース