利益成長“青天井”銘柄リスト【総集編】第2弾 33社選出 <成長株特集>
本特集では、7月下旬から8月中旬までの決算発表集中期間に配信した「利益成長“青天井"銘柄リスト」を、“全期間”を対象に再構成した総集編をお届けします。
今回は19日に配信した時価総額2500億円以上の銘柄を対象とした「第1弾」に続き、19日時点の時価総額が850億円以上2500億円未満の中から、22年4-6月期に四半期ベースの過去最高益を更新し、かつ今期も最高益を見込む、いわゆる利益が“青天井”状況になっている銘柄をリストアップした。
下表では、本決算月にかかわらず、4-6月期に経常利益が全四半期ベースの過去最高益を更新した銘柄をピックアップ。さらに、会社側が今期(通期計画)も過去最高益見通しを示している33社を選び出し、4-6月期の過去最高益に対する上振れ率が大きい順に記した。
上振れ率トップとなったのは、ダブル・スコープ <6619> [東証P]。22年4-6月期(第2四半期)の経常利益は29.7億円とこれまでの過去最高益を3.2倍も上回って着地。電気自動車(EV)市場の成長を受けて車載用リチウムイオン二次電池向けセパレーターの販売が大幅に増加したほか、民生用途も電動工具やコードレス家電、電動自転車のハイエンド電池向けに大きく伸びた。また、生産性の改善による原価低減に加え、為替の円安進行も利益拡大の要因となった。好決算を受けて株価は16年6月以来の高値圏に浮上したが、韓国コスダックへ上場する子会社の公募価格が想定を下回ることが伝わると、16日から3日連続ストップ安と急落を強いられている。
2位にリスト入りした阪和興業 <8078> [東証P]の4-6月期(第1四半期)は、資源高を背景に鋼材や非鉄金属、原油などの商品価格が高水準で推移したうえ、海外販売子会社の業績拡大も寄与し、売上高は前年同期を5割近く上回る大幅増収を達成した。また、戦略的投資先からの配当収入が急増したことに加え、円安による為替差損益の好転や持ち分法による投資利益の増加も利益を大きく押し上げた。好調な第1四半期業績を踏まえ、23年3月期通期の同利益予想を大幅上方修正している。
続く3位の加賀電子 <8154> [東証P]は主力の電子部品事業で自動車や産業機器関連を中心に幅広い分野で販売が伸び、4-6月期(第1四半期)は3四半期連続の最高益更新を遂げた。一部で半導体・電子部品の供給不足が継続するなか、独立系商社としての調達力を生かして販売物量を確保し、旺盛な需要を取り込んだ。併せて、23年3月期通期の同利益を減益予想から一転して最高益見通しに上方修正したことも好感され、株価は上場来高値圏で推移している。
7位に入った大阪ソーダ <4046> [東証P]は世界高シェアのニッチ製品を多数有する化学メーカー。4-6月期(第1四半期)はエピクロルヒドリンやアリルエーテル類などの電子材料関係向け製品のほか、医薬品精製材料や医薬品原薬・中間体といったヘルスケア関連製品の販売が増勢だった。業績好調に伴い、23年3月期通期業績見通しと配当計画を上方修正したことを受けて、株価は1991年5月以来約31年4ヵ月ぶりの高値圏に急浮上している。
9位のヨネックス <7906> [東証S]は中国でバドミントン用品の販売好調が継続したうえ、国内や欧米では本格的に需要が回復し、4-6月期(第1四半期)は売上高236億円(前年同期比46.5%増)、経常利益38.5億円(同2.8倍)と業績高変化を遂げた。中国ロックダウンの影響が限定的にとどまることや為替の円安なども踏まえ、23年3月期通期の同利益を従来予想の80億円→96億円に上方修正し、2期連続の過去最高益予想をさらに上乗せした。
17位にリスト入りした医薬品開発業務受託機関(CRO)大手である新日本科学 <2395> [東証P]の4-6月期(第1四半期)は、主力の前臨床試験が国内を中心に伸びた。また、持ち分法適用関連会社である新日本科学PPDの業績拡大に加え、急速な円安進行に伴い為替差損益が急改善したことも利益を大きく押し上げた。23年3月期通期業績予想を上方修正したことも評価され、株価は12日に上場来高値3015円まで上値を伸ばしている。
31位にリストアップされた中古品の出張買い取りを手掛けるBuySell Technologies <7685> [東証G]も決算発表後に上場来高値を更新している。4-6月期(第2四半期)は、出張訪問件数の増加や個人向け販売比率の向上で出張訪問あたり変動利益が上昇したほか、バイセルとタイムレスの店舗拡大なども寄与し、売上高、経常利益ともに過去最高を塗り替えた。店舗型買い取りを展開するフォーナインの子会社化やリユース市場の拡大などを背景に、さらなる成長期待も高まっているようだ。
┌─ 四半期 経常利益 ─┐ ┌── 通期 経常利益 ──┐ 予想
コード 銘柄名 上振れ率 4-6月期 過去最高 上振れ率 今期予想 過去最高 PER
<6619> WSCOPE 221 2975 928 142 6000 2479 28.5
<8078> 阪和興 76.7 33332 18863 3.6 65000 62718 3.2
<8154> 加賀電子 50.0 9858 6570 14.2 24500 21456 6.8
<7734> 理計器 45.8 3664 2513 3.2 9100 8819 15.3
<4480> メドレー 45.6 1431 983 21.1 900 743 135
<9110> ユナイテド海 43.4 13116 9144 12.8 30000 26606 4.0
<4046> 大阪ソーダ 32.5 5921 4469 25.8 16900 13435 7.9
<6454> マックス 31.4 3082 2345 13.5 9400 8282 13.5
<7906> ヨネックス 30.9 3859 2948 32.5 9600 7246 18.4
<6890> フェローテク 30.7 10204 7806 30.8 34000 25994 6.6
<5384> フジミインコ 30.0 4408 3392 8.9 13600 12490 15.1
<7327> 第四北越FG 29.0 10654 8261 5.8 24900 23545 7.5
<4919> ミルボン 26.5 2504 1980 3.5 7410 7158 39.6
<7970> 信越ポリ 25.9 3973 3155 3.6 12500 12063 11.6
<8425> みずほリース 23.7 11538 9329 27.1 35000 27542 6.0
<6652> IDEC 22.5 3562 2907 3.9 10800 10398 9.1
<2395> 新日本科学 15.8 2772 2394 11.5 7890 7078 19.7
<6564> ミダックHD 15.2 743 645 31.9 2885 2188 53.3
<9672> 東競馬 13.6 3996 3519 2.1 13115 12842 13.8
<8566> リコーリース 13.4 6934 6114 0.4 19600 19522 8.3
<7180> 九州FG 13.1 13919 12309 8.3 36500 33717 6.6
<7839> SHOEI 9.3 2438 2230 32.3 8060 6092 25.5
<8584> ジャックス 9.2 8953 8200 8.3 29000 26786 6.7
<7780> メニコン 9.0 3306 3033 0.4 10100 10055 33.5
<9934> 因幡電産 8.6 5537 5100 3.7 18200 17558 11.6
<8012> 長瀬産 8.3 11542 10660 6.9 39000 36497 8.5
<4272> 日化薬 6.8 8634 8081 0.4 26600 26496 10.4
<4368> 扶桑化学 6.3 5363 5047 16.7 18100 15509 9.6
<4958> 長谷川香料 5.5 2732 2590 7.2 8000 7466 17.7
<3132> マクニカHD 3.2 11280 10926 17.2 41600 35487 6.2
<7685> バイセル 1.8 783 769 43.8 3300 2295 45.8
<8771> イー・ギャラ 1.7 1019 1002 11.7 4200 3760 41.1
<7595> アルゴグラフ 0.7 2167 2153 2.5 7120 6944 17.4
※2021年4月以降に上場した企業と今期見通しを開示していない企業は除いた。四半期の過去最高益は原則、四半期決算の開示が本格化した03年4-6月期以降の業績に基づいたものです。
※過去最高益は同一会計基準内が対象。
株探ニュース