来週の株式相場に向けて=「米中間選挙後は株高」のアノマリーは有効か
注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)は、予想通り0.75%の利上げが発表された。しかし、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は、記者会見で利上げの一時停止を検討するのは「非常に時期尚早」と述べるなどタカ派姿勢を示したことから、NYダウは2日に500ドル超安と大幅安となった。
またもや、米利上げ打ち止めに向けた株式市場の期待は先送りとなり、次回12月13~14日のFOMCが注目されることになった。とはいえ、米金融政策を巡っては息のつけない展開は続く。まず、今晩の米10月雇用統計は大きなポイントとなる。また、10日の米10月消費者物価指数(CPI)は要注目だ。
そして、来週はもうひとつの大きなヤマ場がある。それが8日の米中間選挙だ。下院は米共和党が優勢な情勢であり、上院の結果が焦点となる。米政治サイトのリアル・クリア・ポリティクスによる直近の分析では、上院(定数100議席)は民主党45議席、共和党48議席、接戦7議席とこちらもやや共和党優勢だが、まだ結果はどちらに転ぶかは分からない。
共和党が上下両院を制した場合、再生可能エネルギー関連株などには逆風で、石油関連株などにプラスとの見方もある。また、米グローバル企業にとって逆風となるドル高是正を進めるとの見方もある。ただ、環境規制強化やインフレ抑制の流れのなか、共和党の声がストレートに影響を及ぼすかは不明だ。
そんななか、市場で注目されているのは、「米中間選挙後は株高」というアノマリー(経験則)があることだ。1994年以降では中間選挙から1年後のS&P500種指数は平均で十数%上昇しているようだ 足もとの米株式市場は不透明感が強いが、年末から新年に向けての株高アノマリーには期待したい。
一方、日本株では日立製作所<6501>やパナソニック ホールディングス<6752>といったグローバル企業の株価が急伸していることに注目する見方が出ている。
来週は、国内企業の決算発表が佳境を迎える。7日にヤマトホールディングス<9064>やNTTデータ<9613>、8日に任天堂<7974>や三菱商事<8058>、9日にキリンホールディングス<2503>や三井不動産<8801>、10日にブリヂストン<5108>や東京エレクトロン<8035>、11日に楽天グループ<4755>やソフトバンクグループ<9984>などが予定されている。来週の日経平均株価の予想レンジは2万6700~2万7500円前後。(岡里英幸)