7-9月期【利益倍増】企業はこれだ!〔第1弾〕 38社選出 <成長株特集>

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2022年11月20日 19時30分

3月期決算企業の23年3月期上期決算がほぼ出そろった。本特集では、時価総額1500億円以上の銘柄(銀行を除く)を対象に、直近3ヵ月実績である7-9月期(第2四半期)に経常利益が前年同期と比べて2倍超の大幅増益を達成した38社をリストアップし、増益率の大きい順に並べた。下表は四半期ベースの「増益連続期数」、4-9月期(上期)経常利益の通期計画に対する進捗割合を表す「対通期進捗率」も併せて記した。

増益率トップとなったのは、大正製薬ホールディングス <4581> [東証S]。22年7-9月期(第2四半期)の経常利益は前年同期の1.9億円から80.9億円に急拡大して着地。経済回復に伴う需要の増加や新型コロナウイルス感染症の流行による解熱鎮痛剤の特需が発生し、海外売上高が大きく伸びた。また、販管費の効率化に加え、円安進行に伴い為替差益が増加したことも大幅増益に貢献した。

2位に入った平和 <6412> [東証P]の7-9月期はパチンコ機、パチスロ機ともに販売台数が増加したうえ、原価低減や前期に実施した希望退職制度による人件費削減も寄与し、遊技機事業の利益が急改善した。また、ゴルフ事業が顧客単価の回復や高水準な需要などを背景に収益が伸びたことも大幅増益につながった。9位には同じくパチンコ、パチスロ機大手のSANKYO <6417> [東証P]が入っている。

3位のマツダ <7261> [東証P]は原材料価格の高騰や上海ロックダウンに伴う世界販売台数減少の影響を、1台当たり収益の改善や円安による増益効果などで吸収し、7-9月期の経常利益は前年同期比12.2倍の896億円に膨らんだ。併せて、減益予想だった23年3月期通期の経常利益を一転して37.6%増益見通しに大幅上方修正している。

選出リストにはマツダを筆頭に自動車関連が目立つ。自動車メーカーでは、三菱自動車工業 <7211> [東証P]、SUBARU <7270> [東証P] 、スズキ <7269> [東証P] がランクインしており、いずれも通期予想を上方修正している。また、トヨタ系部品メーカーの東海理化電機製作所 <6995> [東証P]、豊田合成 <7282> [東証P]、ジェイテクト <6473> [東証P]のほか、自動車用懸架ばねを主力とするニッパツ <5991> [東証P]がリスト入りした。

自動車関連をはじめ海外売上高比率の高い製造業は円安が強力な追い風となった。足もとで注目度が上昇している半導体関連では、パワー半導体を主力とするサンケン電気 <6707> [東証P]が27位、半導体検査装置で世界大手のアドバンテスト <6857> [東証P]が33位に入っている。サンケンは売上高、経常利益ともに四半期ベースの過去最高を更新したうえ、通期の上方修正も発表しており、株価は年初来高値圏に急浮上している。

内需関連に目を移すと、近鉄グループホールディングス <9041> [東証P]や京王電鉄 <9008> [東証P]などコロナ禍の影響から回復基調にある鉄道会社が多く入った。足もとの株価は新型コロナウイルス感染拡大の第8波への懸念が高まるなか軟調展開を強いられている。ただ、16日に発表された訪日外客数が大幅な伸びを示すと反発に転じており、インバウンド需要への期待が大きいことがうかがえる。

12位にリストアップされたサンリオ <8136> [東証P]の7-9月期は、複数キャラクターでの展開が奏功し国内外でライセンス契約の獲得が進んだほか、国内ではゴールデンウイーク、夏休み期間ともに行動制限なく営業できたことで実店舗やテーマパークの客数が大きく伸びた。また、構造改革の進展による原価率の低減なども寄与し、経常利益は前年同期比5.8倍の30.9億円に急拡大して着地。通期予想の上方修正を発表したことも評価され、株価は8日に約8年10ヵ月ぶりの高値となる4670円まで上値を伸ばす場面があった。

  ┌ 経常利益 ┐   増益  対通期 予想

コード 銘柄名    増益率  7-9月期 連続期数 進捗率  PER

<4581> 大正薬HD   4162   8097     4  86.7 37.3

<6412> 平和      1325   7309     2  75.7 17.6

<7261> マツダ     1115   89629     1  64.9  5.3

<7011> 三菱重      924   55831     3  48.1 14.6 *

<9513> Jパワー     858   64652     4  55.6  3.4

<6995> 東海理      832   7807     1  79.5 24.3

<9041> 近鉄GHD    737   12414     7  42.2 11.7

<7282> 豊田合      736   9524     1  32.0 11.0 *

<6417> SANKYO   667   17015     2  58.4  7.8

<9008> 京王       569   3872     6  70.9 94.5

<9031> 西鉄       509   7082     7  64.2 16.8

<8136> サンリオ     480   3096     7  72.8 88.1

<9048> 名鉄       391   6398     6  53.2 26.7

<9042> 阪急阪神     368   23731     7  72.8 25.0

<7013> IHI      365   22614     1  49.4 10.1 *

<4680> ラウンドワン   340   4533     6  41.4 14.1

<9001> 東武       277   8787     6  60.9 28.8

<5803> フジクラ     251   26053     4  55.8  8.7

<7211> 三菱自      226   51844     6  56.3  6.3

<5991> ニッパツ     216   15606     2  70.0  8.7

<7270> SUBARU   204   81949     3  40.1  8.3 *

<4044> セ硝子      180   4958     8  64.4  5.3

<7269> スズキ      174  102517     1  60.1 13.0

<6923> スタンレー    163   14985     1  45.9 18.9

<5727> 邦チタ      157   3450     6  64.1 27.1

<6473> ジェイテクト   144   17316     1  44.4 13.9 *

<6707> サンケン     140   7227     1  36.5 20.7

<9044> 南海電      137   3728     6  57.0 32.5

<1662> 石油資源     131   20484     7  64.4  4.2

<9045> 京阪HD     126   3796     7  62.0 23.3

<5444> 大和工      120   28187     7  56.8  4.6

<9605> 東映       120   15095     2  61.3  14

<6857> アドテスト    118   46831     7  54.7 12.8 *

<6103> オークマ     116   6543     7  45.9  8.0

<7518> ネットワン    114   5627     3  41.3 20.8

<9531> 東ガス      108   50952     3  67.9  9.2

<6770> アルプスアル   106   19597     8  47.1  6.8

<9107> 川崎汽      101  300143     9  79.9  0.9

※経常利益の単位は百万円。直近で通期業績予想を下方修正した銘柄は除いた。「*」は国際会計基準を採用する銘柄。

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