「金利上昇メリット」が4位にランクアップ、日銀の金融政策修正で利ザヤ改善に期待高まる<注目テーマ>
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みんかぶと株探が集計する「人気テーマランキング」で、「金利上昇メリット」が4位にランクアップしている。
日本銀行が12月20日まで開催した金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)政策を見直し、長期金利の変動幅を従来のプラスマイナス0.25%程度から同0.5%程度に引き上げた。長期金利は足もとで変動幅の上限近くで推移していることから、事実上の利上げを意味することになる。
日銀の黒田東彦総裁は2013年3月に就任して以降、デフレ脱却を目指して「異次元緩和」とも呼ばれる大規模な金融緩和策を打ち出した。16年には短期金利をマイナス0.1%、長期金利の指標になる10年物国債利回りを0%程度に誘導するYCCを導入。国債を買い入れることで長期金利を抑えた。
しかし、今年に入ると米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切り、円安・ドル高が加速した。ロシアによるウクライナ侵略をきっかけにした物価高もあり、大規模緩和を続ける日銀への不満が高まるなかでの事実上の利上げに踏み切ったことになる。
金融政策の修正を受けて、銀行をはじめとする「金利上昇メリット」への関心が高まっている。金利上昇に伴う利ザヤの改善が期待でき、運用益の増加による業績への恩恵が期待されているためだ。この日は全般相場が軟調なため関連銘柄も大きく目立った動きは見られないものの、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、りそなホールディングス<8308>、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、みずほフィナンシャルグループ<8411>、第一生命ホールディングス<8750>などが堅調な動きとなっている。