今週の【早わかり株式市況】5週ぶり反発、2万6000円台回復も円高が上値抑える
■今週の相場ポイント
1.日経平均は5週ぶりに上昇、2万6000円台をキープ
2.米雇用統計後にインフレ警戒薄れ連休明けリスク選好姿勢
3.米長期金利に低下圧力、半導体株が堅調
4.日銀政策修正の思惑で円高進行も銀行株には買い
5.米CPI後に円が一段高、ファストリ減益決算も重荷
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比145円(0.6%)高の2万6119円と5週ぶりの上昇となった。
今週は9日月曜日が成人の日の祝日があった関係で、取引は4営業日となった。米国でのインフレ懸念が和らいだことを背景に、3連休明けはリスク選好ムードが強まった。一方、外国為替市場でドル安・円高が進行し、日本株の上値を圧迫した。
3連休明けとなる10日(火)の東京市場では日経平均は終値で2万6000円台を回復した。前週末6日公表の12月の米雇用統計で平均時給の伸びがコンセンサスを下回り、インフレ警戒感が後退。米連邦準備制度理事会(FRB)による金融引き締めが長期化することへの懸念が和らいだ。11日(水)の日経平均は270円高。パウエルFRB議長の講演は市場が警戒するほどタカ派的な内容ではなく欧米株が上昇し、東京市場でも買い安心感が広がった。12日(木)の日経平均は3円高と小幅に5日続伸。米長期金利の低下を背景に、前日の米主要株価指数が揃って上昇したことが日本株相場の支えとなった。半面、一部報道により次回の金融政策決定会合で前回に続き政策修正の動きが出るのではないかとの思惑が広がるなか、銀行株には買いが集まったものの、円高の進行は相場全体の重荷となり、日経平均は下げに転じる場面があった。そして13日(金)は急反落。12月の米消費者物価指数(CPI)の伸び率が前月比マイナスとなったことで急激なドル安・円高が進行。加えて決算内容を嫌気されたファーストリテイリング <9983> [東証P]が急落し、日経平均を押し下げた。一方、半導体株や銀行株の買いが全体相場を下支えした。
■来週のポイント
来週は17~18日に日銀の金融政策決定会合が開かれる。ここで12月に続いて政策修正がある場合、為替の円高が更に進み株式市場にはネガティブに働く可能性がある。米国では決算発表シーズンに入っており、米主要企業の業績にも注意を向ける必要がありそうだ。日経平均は上値の重い展開が続きそうだ。
重要イベントとしては、国内では日銀金融政策決定会合のほか、18日朝に発表される11月機械受注、20日朝に発表される12月全国消費者物価指数が注目される。海外では、17日に発表される中国12月の小売売上高、鉱工業生産および10-12月期GDP、18日発表の米国12月の小売売上高と鉱工業生産、19日に発表される米国12月住宅着工件数に注視が必要だろう。
■日々の動き(1月10日~1月13日)
【↑】 1月10日(火)―― 3日続伸、米インフレ警戒感が後退し2万6000円乗せ
日経平均 26175.56( +201.71) 売買高11億1114万株 売買代金 2兆7554億円
【↑】 1月11日(水)―― 4日続伸、米株高を受けリスク選好の買い優勢
日経平均 26446.00( +270.44) 売買高10億5887万株 売買代金 2兆5894億円
【↑】 1月12日(木)―― 5日続伸、日銀政策修正への警戒感で上値は重い
日経平均 26449.82( +3.82) 売買高12億3892万株 売買代金 2兆8018億円
【↓】 1月13日(金)―― 6日ぶり反落、円高進行やファストリ急落が重荷
日経平均 26119.52( -330.30) 売買高14億7983万株 売買代金 3兆4556億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、20業種が上昇
(2)上昇率トップは日本製鉄 <5401> など鉄鋼
(3)輸出株はレーザーテク <6920> など電機、コマツ <6301> など機械が大きく買われた一方、
日産自 <7201> など自動車は売られた
(4)リクルート <6098> などサービス、JR東日本 <9020> など陸運といった内需株は総じて安いが、
積水ハウス <1928> など建設、住友倉 <9303> など倉庫・運輸は堅調
(5)金融株は三菱UFJ <8306> など銀行が大幅高のほか、
野村 <8604> など証券、第一生命HD <8750> など保険も高い
(6)下落率トップはマルハニチロ <1333> など水産・農林
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(2) 防衛
2(4) 半導体
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4(46) グローバルニッチ ── 成長余地大きく根強い人気
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※カッコは前週の順位
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