今週の【早わかり株式市況】反発、連休や米指標を前に様子見姿勢強く
■今週の相場ポイント
1.日経平均は2週ぶり反発、3万2000円台を維持
2.決算シーズン佳境へ、レーザーテクは好決算
3.東芝TOB始まる、JIPなど国内連合が8日から
4.3連休・米CPI控え、市場の様子見姿勢強まる
5.中国が日本向け団体旅行解禁、内需株に買い
■週間 市場概況
今週の東京株式市場で日経平均株価は前週末比280円(0.9%)高の3万2473円と、2週ぶりに上昇した。
今週は金曜が山の日の祝日で休場のため、4営業日の立ち合いとなった。個別では決算を受けて売買を活発化させる銘柄もあったが、全体相場は週末3連休や米CPI発表を控え方向感を欠いた。中国の日本向け団体旅行解禁を受け、インバウンド関連株が注目された。
週明け7日(月)の東京株式市場は朝安後に切り返し、日経平均は小幅高で着地した。前週末の米国株市場が安かった流れを引き継ぎ売り優勢でスタートしたものの、3万2000円台割れ水準では押し目買い需要が活発で戻り足に。決算発表シーズンが佳境を迎えるなか、好業績銘柄を中心に売買が活発化した。8日(火)も日経平均は上昇。上値の重さが意識されつつも、前日の米株高を受けた買いで全体相場は押し上げられた。個別では、好決算を発表したレーザーテック <6920> [東証P]が上昇。日本産業パートナーズ(JIP)など国内連合から非公開化に向けたTOBが開始された東芝 <6502> [東証P]も堅調だった。9日(水)は反落。欧米株安の流れを受けて市場のセンチメントが低下するなか、翌日にオプションSQ算出日を控えていることもあって様子見姿勢の強い地合いとなった。10日(木)は再び上昇に転じた。前日の米株市場で7月米消費者物価指数(CPI)の発表を前にNYダウなど主要指数が下げたため、東京市場も朝方は売り優勢でスタート。ただ、為替市場での円安が相場の支えとなったほか、中国政府が日本向け団体旅行を解禁する方針が伝わり、インバウンド関連株をはじめとする内需株に買いが広がった。原油市況の上昇を背景に資源エネルギー関連株にも投資資金が流入し、全体相場はプラス圏に切り返した。11日(金)は山の日の祝日で休場。
■来週のポイント
来週は決算発表が一巡するため、好決算銘柄などの見直し・吟味が活発になりそうだ。10日に中国の日本向け団体旅行解禁でインバウンド関連が買われたが、この流れは来週も続くと思われる。ただ、全体相場の浮揚には時間がかかりそうだ。
重要イベントとしては、国内では15日朝に発表される4-6月期GDP、17日朝に発表される7月貿易統計と6月機械受注、18日発表の7月全国消費者物価指数が注目される。海外では15日に発表される中国7月の小売売上高と鉱工業生産、中国1-7月固定資産投資、米国7月小売売上高、16日に発表される米国7月住宅着工件数、17日に発表される米国7月コンファレンス・ボード景気先行指数に注視が必要だろう。
■日々の動き(8月7日~8月10日)
【↑】 8月 7日(月)―― 続伸、朝安も好決算銘柄を中心に買い優勢
日経平均 32254.56( +61.81) 売買高14億5509万株 売買代金 3兆4327億円
【↑】 8月 8日(火)―― 3日続伸、米株高好感しリスク選好の買い継続
日経平均 32377.29( +122.73) 売買高14億4563万株 売買代金 3兆6710億円
【↓】 8月 9日(水)―― 4日ぶり反落、欧米株安を受けて売り優勢
日経平均 32204.33( -172.96) 売買高15億9355万株 売買代金 3兆8471億円
【↑】 8月10日(木)―― 反発、朝安も円安進行で切り返し後場一段高
日経平均 32473.65( +269.32) 売買高16億5395万株 売買代金 4兆1415億円
■セクター・トレンド
(1)全33業種中、27業種が値上がり
(2)原油市況の上昇を受けてINPEX <1605> など鉱業が値上がり率断トツ。ENEOS <5020> など石油も高い
(3)内需株は堅調。三井不 <8801> など不動産、JR東日本 <9020> など陸運、パンパシHD <7532> など小売が買われた
(4)輸出株はオリンパス <7733> など精密機器が値下がり率トップ。ソニーG <6758> など電機、ダイキン <6367> など機械も軟調
(5)金融株はMS&AD <8725> など保険が堅調な一方、三菱UFJ <8306> など銀行、SBI <8473> など証券は売られた
(6)素材株はユニチャーム <8113> など化学、神戸鋼 <5406> など鉄鋼が高いが住友鉱 <5713> など非鉄は安い
■【投資テーマ】週間ベスト5 (株探PC版におけるアクセス数)
1(1) インド
2(2) 半導体
3(11) JPX日経400 ── マツダなど38銘柄が定期入れ替えで採用
4(4) 人工知能
5(16) インバウンド
※カッコは前週の順位
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