来週の株式相場に向けて=米ビッグテック決算と日米決定会合がカギ握る
日経平均株価が下げ止まらない。26日は前日比202円安となり8日続落。これは21年9月から10月にかけての2年9カ月ぶりのことだという。11日の日経平均株価の最高値(4万2224円)からは4500円強下落した。
足もとの株式市場を巡る環境の変化としては「急激な円高進行」「日米半導体株の下落」「米大統領選の民主党候補にハリス氏」といったところだが、特に東京市場にとっては半導体などテック株下落の影響が大きい。米ナスダック指数の下落が目立つが、「23日のアルファベット<GOOG>の決算内容はさほど悪くなかったが、株価は急落した。それだけ米テック株は割高な水準まで買われていたということだ」(アナリスト)との声が出ている。
また、来週は30~31日に米連邦公開市場委員会(FOMC)と日銀金融政策決定会合が予定されており、為替市場が一段とボラタイル(変動が大きい)な動きとなることも予想される。FOMCでは政策金利は据え置かれるとの予想が多いが、9月以降に対し、どんなメッセージが打ち出されるかが焦点だ。更に、日銀の決定が注視されている。市場関係者からは「日銀が利上げに踏み切ると、円キャリートレードの巻き戻しを通じて世界の金融市場に一段の波乱が起こることも考えられる」と警戒する見方もある。
来週は、30日にマイクロソフト<MSFT>、31日にメタ・プラットフォームズ<META>、1日にアップル<AAPL>、アマゾン<AMZN>とビッグテック決算が相次ぐ。日本では31日のアドバンテスト<6857>の決算なども注目されるほか、週末の8月2日には米7月雇用統計が予定されており、目の離せない展開となりそうだ。
上記以外のスケジュールでは、海外では31日に米7月ADP雇用統計、1日に米7月ISM製造業景況指数が発表される。30日にアドバンスト・マイクロ・デバイシズ<AMD>、31日にアーム・ホールディングス<ARM>、1日にインテル<INTC>、2日にエクソン・モービル<XOM>の決算発表がある。
日本では31日に6月鉱工業生産が発表される。企業決算では29日にコマツ<6301>、ファナック<6954>、30日に村田製作所<6981>、NEC<6701>、31日に日立製作所<6501>、1日に三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306>、三菱商事<8058>、2日に三井不動産<8801>、任天堂<7974>。更に、29日にLiberaware<218A>、30日にHeartseed<219A>、31日にFaber Company<220A>が新規上場する。来週の日経平均株価の予想レンジは3万7200~3万8400円前後。(岡里英幸)