村瀬智一が斬る!午年「有望株!」 <新春お年玉企画>
「AIバブルを警戒も、高市銘柄への関心は根強い」
●トランプ政策とAI巡る思惑が変動を増幅
2025年の株式市場を振り返ると、年初は米国のトランプ新大統領の政策を巡る不透明感を背景に、不安定な立ち上がりとなった。トランプ大統領は2月半ば、貿易相手国と同程度の関税を課す「相互関税」の導入を指示する覚書に署名し、世界経済に及ぼす影響がその後も警戒され続けることになった。大統領のSNS投稿は発言が二転三転し、25年の序盤は上値の重い展開が目立った。
3月には輸入自動車への追加関税が決定し、さらに4月に入ると大統領の表明通りに「相互関税」を発動した。これを受けて景気後退リスクが警戒され、日経平均株価は3月の直前高値から4月7日安値の3万0792円まで19%急落した(ザラバベース)。24年8月安値の3万1156円を割り込み、23年10月以来の水準まで売られる場面があった。
その後、米国と英国、中国との関税交渉に進展がみられ、相互関税を巡る過度な警戒が和らぎ東京株式市場は反転。鋭角的なリバウンドにより、5月には直前の急落分を吸収した。さらに6月を迎えてAI(人工知能)半導体の需要拡大期待から米国でハイテク株が買われ、東京市場においても主力の 半導体・AI関連株に投資資金が集中。日経平均株価はおよそ5カ月ぶりに4万円の大台を回復した。
夏場はもたつく場面もあったものの、日米関税交渉の合意に加え、半導体やAI関連企業の良好な決算などが支援材料となり、8月に4万3000円台に乗せて1年1カ月ぶりに史上最高値を更新。9月に入っても米利下げ観測や堅調なAI需要を追い風に、上昇基調を維持した。
10月の自民党総裁選では高市早苗氏が新総裁に選出され、日本初の女性首相誕生とその財政拡張的な政策への期待から、株式市場では「高市トレード」が活発化した。日経平均株価は10月27日に未踏の領域に足を踏み入れ、5万円の大台乗せを果たす。さらに11月4日の5万2636円まで水準を押し上げたものの、その後、一極集中の様相を呈していた半導体・AI関連株の過熱感が警戒されて調整を入れた。25年を締めくくる12月は、「掉尾の一振」には至らなかったものの、投資家の押し目買い意欲の強さと新年への期待をうかがわせる展開で幕を閉じた。
●2026年相場の注目ポイントは?
高市首相が掲げる政策に関連する「高市銘柄」への株式市場の関心は、2026年も引き続き根強いと考えられる。高市首相が「重点投資対象17分野」に挙げる「半導体・AI」「 航空・宇宙」「サイバーセキュリティ」「資源・エネルギー」「防災・国土強靱化」「再生医療」「フュージョンエネルギー」などは、新年の相場テーマとして注目を集めることだろう。
首相就任から約2カ月を経過しても依然として高い支持率を維持していることからも、物価高や外交などへの対応は一定の評価を得られているとみられる。高市氏の政策実行力に対する市場の期待は高く、重点投資対象分野に関わる企業には資金が流入しやすい。
25年の相場を牽引した半導体・AI関連株については、技術進化を背景に26年も相場の主役として活躍が期待されよう。ただ、AIを巡る過剰投資への警戒感も浮上するなかで、内外のファンドがAI銘柄を大量に保有しているとみられる点には注意が必要だ。AIバブルの懸念が再燃する局面ではファンド勢の売り圧力が高まり、日経平均株価は調整を強いられる場面も想定される。
しかし、急速に進化するAIとロボティクスを融合させる「 フィジカルAI」が投資テーマとして存在感を増すなど、AI関連銘柄の裾野には広がりがみられる。AIデータセンター に関しても電力インフラや水資源など多様な周辺銘柄に売買の矛先が向かっており、物色対象には事欠かない。
また、25年後半の上昇相場が主力大型株主導の展開だったこともあり、新年は出遅れ感のある中小型株を見直す動きが強まるかどうかも注目されよう。
◆村瀬氏のお薦め「2026年ポートフォリオ10銘柄」とポイント
○ソフトバンクグループ <9984> [東証P]
年後半からの調整で需給整理が進捗。AI関連の中核銘柄としての評価は高い。株式分割によって株式取得のハードルが下がり、新たな資金の流入が期待される。
〇豆蔵 <202A> [東証G]
グロース銘柄で株価上昇の持続性には懸念があるものの、大幅な調整を経ての仕切り直しに期待。システム構築やロボット開発支援などを手掛けており、「フィジカルAI」関連として注目。
〇日本板硝子 <5202> [東証P]
25年11月の急落以降、200日移動平均線水準での底固めを経て、リバウンド態勢に入った。「ペロブスカイト太陽電池」向けのガラス基板分野への参入が引き続き材料視されよう。
〇古河電気工業 <5801> [東証P]
核融合スタートアップの英国トカマクエナジー社と共同で、小型フュージョン炉の実現へ向けて関連部材の設計・開発に取り組んでおり、「フュージョンエネルギー」関連となる。
〇日本触媒 <4114> [東証P]
AIデータセンターでは大量の水が消費されるため、「海水淡水化」関連にも注目。同社は正浸透(FO)システムの基幹部材「浸透圧発生剤」を手掛ける。
〇大阪ソーダ <4046> [東証P]
肥満症治療薬に不可欠な医薬品精製用シリカゲルで圧倒的な世界シェア。肥満症治療薬市場の拡大を背景に成長期待は高い。
〇クラボウ <3106> [東証P]
全ゲノムDNA塩基配列を高速解析する「次世代シーケンス受託解析サービス」を提供。
〇東京計器 <7721> [東証P]
小型SAR(合成開口レーダー)衛星の中核機器であるマイクロ波パワーアンプモジュールを手掛ける。
〇ローム <6963> [東証P]
電力損失が少ないGaN(窒化ガリウム)パワー半導体関連のデバイスを手掛ける。
〇AeroEdge <7409> [東証G]
ボーイング<BA>やエアバスの航空機用エンジン「LEAP」に使われるチタンアルミブレードを製造。
2025年12月26日 記
⇒⇒★元日~5日に、2026年「新春特集」を一挙、"24本"配信します。ご期待ください。
株探ニュース