【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─自動車産業に必須の車載半導体、需給逼迫で高まる重要性!
「自動車産業に必須の車載半導体、需給逼迫で高まる重要性!」
●選挙には「後出しジャンケン」で臨む
真冬にもかかわらず、日本列島は選挙一色であり、異例の熱気に包まれている。今回の総選挙は改めて書くまでもなく、高市首相が国民に信を問う重要なイベント。かつて小泉元首相が郵政民営化を争点に掲げた選挙を彷彿とさせる。高市首相が国民に問いかけている最大のテーマが、「責任ある積極財政」だ。この政策が支持されれば、食料品の消費税2年間ゼロをはじめとする成長政策は円滑に進む。しかし、否定されれば、従来政権と同様に政策推進力を失い、政権運営は停滞する。今回の選挙は、まさにその分岐点になる。
もっとも、金融市場はこの政策に慎重だ。財源不足への懸念が根強く、国債の下落や円安・株安を招くとの見方も多い。実際、日本経済研究センターと日本経済新聞社の調査では、専門家の約9割が否定的な見解を示している。政策実行の難しさは明白である。
こうした不透明感から、現在の株式市場は軟調推移となっている。しかし、投資家が取るべき基本姿勢は「焦らず結果を待つ」、これになる。要するに、選挙結果を見てから動いても遅くはない。選挙結果と株式市場の関係は次のようになると予想されるからだ。
(1)自民党単独過半数獲得⇒日経平均株価は急騰の可能性が高まる
(2)自民増+維新増の現与党で過半数⇒力強さには欠けるが上昇
(3)自民増+維新減ながら過半数獲得⇒まずまず上昇
(4)自民減+維新増⇒市場失速
(5)自民減+維新減ながら過半数獲得⇒市場失速
(6)自民減+維新減で過半数獲得できず⇒市場は大きく急落
結果は以上のいずれかになるが、私の予想では(1)の可能性が高いものの、(2)も十分あり得るため、結果的には選挙終了で東京市場は上昇――こんな展開が見込める。
過去の例を見ても、選挙後は株価が上昇するケースが多い。ただし、予想が外れるリスクも当然存在するため、結局は結果が判明するまでは銘柄選定にとどめ、実際の投資は投開票日翌日の2月9日の寄り付きを確認してからにした方がよい。つまり、「後出しジャンケン」になるが、リスクを最小限に抑えるにはそれでよい。
●インフレ下で入手困難になりつつある車載半導体
では、具体的にはどんな銘柄を選んでおくか。いまはあらゆる製品が上昇するインフレが進行中だが、価格が上昇するだけでなく、製品自体の入手が困難なものもある。都心のマンション、レアアース、半導体メモリー、車載用半導体などがそうだが、 自動車・同部品メーカーなどが入手に困っているのが車載半導体になる。
自動車業界は、トランプ米大統領の関税引き上げにより収益の急減に見舞われたものの、日産自動車 <7201> [東証P]など一部メーカーを除き、多くが需要増に転じている。特にそれが顕著なのが、トヨタ自動車 <7203> [東証P]だ。米国でも販売を伸ばし、世界販売首位なのだから驚くが、業界全体としては自動車販売が好調になればなるほど車載半導体の入手が困難になる。
そこで、まずはルネサスエレクトロニクス <6723> [東証P]になる。車載半導体で世界首位級ながら産業用、車載用ともに需要が落ち込み、22年12月期以降収益の低下が続いていた。しかし、25年12月期を底に回復に向かい始める可能性が高く、株価は続伸が見込める。
車載用、民生用ともに強いローム <6963> [東証P]も、25年3月期は連結営業利益が赤字に転落したものの、今期は黒字に転換できる見込みだ。SiC(炭化ケイ素) パワー半導体にも注力中であり、今後株価を押し上げる要因となりそうだ。
同じくパワー半導体では、三菱電機 <6503> [東証P]、富士電機 <6504> [東証P]も要マークだ。パワー半導体はEV(電気自動車)向けがほとんどで、EV販売は苦戦中ながら、今後販売が上向いて来ることを考えると、両銘柄も魅力的だ。
最後に、信越化学工業 <4063> [東証P]とSUMCO <3436> [東証P]を。車載用であれ一般半導体であれ、半導体の製造には両社どちらかのシリコンウエハーが不可欠。いまは両銘柄とも下げており、投資の準備に入っておいて損はないだろう。
2026年1月30日 記
株探ニュース