国内株式市場見通し:国内外での決算発表本格化、日米金融政策会合などイベント豊富
■AI・半導体株への戻り売り圧力強く、日経平均は往って来い
今週の日経平均は先週末比470.03円高(+0.7%)の64611.15円で取引を終了した。連休明けの東京市場は大幅反発でのスタート。前日の米国半導体株の上昇、当日の韓国市場の上昇などを背景に、先週末大幅安の反動から人工知能(AI)・半導体株を中心に押し目買いの動きが優勢となった。中東情勢は一段と悪化、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海を念頭に「海上封鎖」を即時実施すると宣言したものの、ネガティブな反応は限られた。一方、翌日も一時は1300円余り上昇する場面があったが、次第にAI関連には戻り売りが優勢となり、結局マイナスサイドまで押し戻された。23日も一時900円超の上昇から300円高まで上げ幅を縮小するなど、AI関連銘柄に対する売り圧力の強さが認識される状況となった。
そして週末は大幅反落となり、結局今週の日経平均は「往って来い」の相場展開となった。AI・半導体株の下げが下落相場を主導。好決算を発表したアルファベットが米国市場で下落し、AI過剰投資への警戒感が強まることとなって、他のハイパースケーラーも全面安の動きとなり、ナスダック指数が大きく下落した。個別株レバレッジ型上場投資信託(ETF)について、投資家への取引規制の強化を前倒しで実施すると発表されたことから、韓国株式市場の下落も響くこととなった。なお、中東情勢の緊迫化によって来週は原油相場が上昇、約1か月半ぶりにWTI先物価格は90ドル台を突破している。
■国内外で本格化するAI・半導体株の決算発表に注目
今週末の米国株式市場はまちまち。ダウ平均は前日比235.60ドル高の51947.25ドル、ナスダックは同161.87ポイント安の24975.82で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比270円安の64290円。対イラン和平協議の再開を仲介国が模索していると報じられて原油価格が下落、ダウの押し上げ材料となったが、決算発表を行ったインテルをはじめ半導体株は総じて下落、ナスダックは低調な推移となった。
来週は国内外で主要企業の決算発表が本格化するほか、日米で金融政策決定会合が開催され、さらに欧米で4-6月期の国内総生産(GDP)が発表されるなど、重要な経済指標の発表も数多く予定されている。中でも、AI・半導体関連株の決算発表後の株価動向が最も注目を集めることになるだろう。韓国サムスン電子の暫定決算に始まって、台湾TSMC、米アルファベット、国内ディスコ<6146>など、総じて好決算を発表したものの株価が下落、あらためてバリュエーション面での過熱感が意識される状況になっている。全般的に警戒ムードも強まりつつあるとはいえ、来週はまだ好決算発表を材料出尽くしと捉える動きが優勢になりそうな雰囲気だ。国内では大手半導体株やAIインフラ関連の決算発表が集中、決算発表後の動向が警戒される。海外では、SKハイニックスやサムスン電子など韓国勢のほか、メタ、マイクロソフト、アマゾンなどハイパースケーラーの決算発表も集中する。ほか、アームHD、クアルコムなどの半導体関連銘柄の決算も予定されている。
一方、安川電機<6506>の決算発表で警戒感が先行したFA関連銘柄の決算は、見直しの動きにつながっていくか注目される。過度なAI代替懸念が強まっている情報サービスセクター、金利上昇メリットとなる銀行株の決算にも関心が向かおう。
■日米ともに金融政策は据え置きの公算
来週の日銀金融政策決定会合では政策金利の据え置きがほぼ確実視されている。ただ、中東情勢の悪化、それに伴って円安が進展している中、今週には、日本銀行は利上げペースを半年に1回程度の市場見通しよりも加速させることに柔軟な姿勢との報道も伝わっている。こうした状況下では、日銀がハト派的な姿勢を示した場合、急速に円安に振れるリスクも大きいだろう。利上げ前倒しに対して、今回はかなり前のめりのスタンスも想定されることになろう。東京株式市場にとってはややネガティブな状況となりそうだ。
一方、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ確率は3割超の水準に高まってきているもよう。ただ、ウォーシュ連邦準備制度理事会(FRB)新議長が経済認識や政策スタンスを明確に示していない中、今回利上げを実施した場合は、金融市場とのコミュニケーションエラーに対する懸念が強まっていく余地も残る。今回の利上げ見送りならば、市場にはやや安心感が生じるものとみられる。
■日米で金融政策会合が開催予定
来週、国内では、27日に6月企業向けサービス価格指数、30日に7月消費動向調査、31日に6月失業率・有効求人倍率、6月鉱工業生産、6月小売業販売額、7月東京都区部消費者物価指数が発表される。なお、30日から31日かけて日銀金融政策決定会合が開催され、31日には植田日銀総裁の会見が行われるほか、展望レポートが公表される。
海外では、27日に独・7月Ifo景況感指数、米・6月耐久財受注、28日に米・5月住宅価格指数、5月S&Pケースシラー住宅価格指数、7月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に欧・4-6月期ユーロ圏GDP、米・4-6月期GDP、6月個人所得・個人支出・デフレーター、新規失業保険申請件数、31日に中・7月製造業・非製造業PMI(国家統計局)、欧・7月消費者物価指数、米・7月シカゴ購買部協会景況指数などが発表される。なお、28日から29日にかけFOMCが開催され、29日にはFRB議長の会見が予定されている。
《FA》