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半導体・AIセクターの検証(2)_株価指数に大きく影響、決算を控えて要個別対応

市況
2026年7月28日 16時20分

日経平均は一時70,000円台を突破した後も高値圏を維持し、過去最高値圏で推移しています。その最大の原動力は、市場予想を上回る企業業績の拡大です。日経平均が50,000円台にあった頃は、2026年度は1桁台後半から10%程度の利益成長がコンセンサスでした。しかし、AI関連を中心とした設備投資の拡大や円安効果、企業の収益力向上を背景に、2026年度は10%台前半の増益がほぼ確実視される状況となり、市場では2027年度についても引き続き10%前後の利益成長が期待されています。こうした利益成長を背景に、日経平均が65,000~70,000円台で推移する現在でも、予想PERは18倍前後と、極端な割高感はみられません。

かつて国内株式市場では、PER13~15倍程度が平均的な評価水準と考えられていました。しかし、デフレからの完全脱却や企業の資本効率改善、東京証券取引所による資本コスト改革、さらには海外投資家の資金流入などを背景に、日本株全体の評価水準は一段と切り上がりつつあります。市場がPER18倍前後を新たな均衡水準として受け入れるのであれば、現在の株価は今後1割程度の利益成長を織り込んだ水準と考えることができます。一方、従来のPER15倍程度を適正水準と考えるのであれば、依然として今後数年間にわたる高い利益成長を前提とした株価形成が続いていることになります。いずれにしても、現在の日本株は単なるバリュエーション拡大だけで上昇しているのではなく、企業収益の増加を伴った「業績相場」の色彩が強い局面にあると言えるでしょう。

また、足もと7月22日時点の年初来騰落率は、日経平均株価で約27~28%上昇、TOPIXで約15%上昇となり、両指数の上昇率には約12~13ポイントの大きな乖離が生じています。この乖離は2000年以降でも最大級であり、アベノミクス相場(2013年)やリーマン・ショック後の反発局面(2009年)、コロナ後のグロース相場(2020年)を上回る水準です。背景には、AI関連投資拡大を受けて海外投資家の資金が半導体・電子部品など一部の大型値がさ株へ集中したことがあります。日経平均は株価平均型指数であるため、高株価銘柄の影響を受けやすく、特にアドバンテスト<6857>、東京エレクトロン<8035>、ファーストリテイリング<9983>、ソフトバンクグループ<9984>の4社が指数上昇を大きくけん引しました。このほか、TDK<6762>、信越化学工業<4063>、リクルートホールディングス<6098>なども押し上げ要因となっています。一方、TOPIXは銀行、商社、不動産、小売など幅広い業種で構成される時価総額加重型指数であるため、半導体株の急騰効果が相対的に薄まり、日経平均との騰落率の差が歴史的な水準まで拡大しました。この乖離が修正されるのか否かは、当面の相場を大きく左右する重要なポイントになるでしょう。

多くの企業が近々で決算を迎えます。相場をけん引した半導体関連株であるアドバンテスト、東京エレクトロンも同様に7月下旬から8月上旬に決算発表となります。両社の1Q決算数値には様々な予想がありますが、市場の期待は非常に高く、前四半期を上回る利益水準に加え、前年同期比で利益成長率の加速も求められていると考えておいた方がよいでしょう。東京エレクトロンの前期1Q営業利益は1,446億円、同4Qは前年同期比12%増 の2,056億円でした。2,100億円程度の営業利益を達成できれば、期待のハードルを越えることができるイメージでしょうか。同様にアドバンテストの前期1Q営業利益は1,239億円、同4Qは139.1%増 の1,531億円です。利益倍増に近い

成長ペースを維持することは容易ではないとみられるため、利益成長スピードの鈍化が意識される可能性はあります。

今後は関連銘柄の株価上昇にも銘柄間で差が生じやすくなり、明暗が分かれる可能性があります。決算シーズンを迎えた現在の半導体関連株は、AI需要への高い期待を背景に株価が大きく上昇してきた一方、市場が織り込む利益水準やガイダンスのハードルも高まっています。そのため、決算内容次第では株価が大きく上下する可能性があり、「強気か弱気か」の二択ではなく、自身の相場観やリスク許容度に応じてポジションを構築することが重要になります。例えば、中長期では成長を期待して保有を続けたいものの、決算直後の急落リスクが気になる投資家は、プットオプションの買いによる下落ヘッジが有効な選択肢となります。一方、業績には自信があるものの投資資金を抑えたい場合は、コールオプションを活用することで、少額資金で値上がり益を狙う戦略も考えられます。また、「この水準まで下がれば買いたい」という明確な投資判断を持つ投資家であれば、プット売りによるターゲットバイイングでプレミアムを受け取りながら希望価格での買いを狙うこともできます。東京エレクトロンとアドバンテストは、いずれもかぶオプ(個別株オプション)のマーケットメイク銘柄ですので、流動性も確保されています。

《NH》

提供:フィスコ

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