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明日の株式相場に向けて=「テマセク砲」で日本株は火を吹けるのか

市況
2026年8月13日 17時30分

13日の東京株式市場で日経平均株価は3日続伸。TOPIXは7連騰で、最高値を連日で更新した。日経平均の日足は一目均衡表の雲領域の上限に押し返される形で伸び悩んだが、それでもフシ目の7万円まであと1700円程度まで接近している。TOPIXの日足は4日の十字足形成後に6本の陽線が続き、青天井圏で上昇指向を鮮明にする。

日本時間12日夜発表の7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.4%上昇と、伸び率は6月の3.5%から鈍化した。ホルムズ海峡問題が世界の原油調達網に揺さぶりをかけているにもかかわらずガソリン価格が下落し、サッカーW杯の終了で宿泊料が落ち込んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)の早期利上げ観測が後退したことは、米株式相場の支援材料となったが、米長期金利は横ばい圏と債券投資家は「塩対応」である。ハイパースケーラーが資金調達に向け相次いで社債発行に動き、米国の債券需給は比較的緩んでいる。インフレも中東次第との見方が根強い。株式市場もフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.5%近く上昇したとはいえ陰線で終了しており、AI・半導体株の上値追いに慎重な投資家心理が垣間見える状況だ。

東京市場のAI・半導体関連をみると、アドバンテスト<6857>の上場来高値更新というポジティブな動きがあったが、キオクシアホールディングス<285A>やイビデン<4062>など、後場終盤に伸び悩んだ銘柄が相次いだ。これとは対照的に銀行株が頑強ぶりを示し、みずほフィナンシャルグループ<8411>は高値引け。京都フィナンシャルグループ<5844>やいよぎんホールディングス<5830>など、上場来高値を更新した地銀株の姿が目立った。終値だけみればAI・半導体株高と銀行株が共存する形となっているものの、日本政府が日銀の早期利上げを支持する姿勢だとの米ブルームバーグ通信の報道を受けて、後場は銀行株に物色の矛先が一気に向かう形となっている。円債市場で長期金利は2.870%へと水準を切り上げており、AI・半導体株の利食いの口実となったようだ。

とはいえ、SKハイニックス<SKHY>とサムスン電子の株価に大きく左右される韓国総合株価指数(KOSPI)は、7月末の安値から一時20%を超す上昇となり、底入れ機運を強めている。シンガポール政府系ファンドのテマセク・ホールディングスが、SKハイニックスとサムスン電子に初の直接投資を計画しているとの報道も追撃材料となった。巨額の資金を運用する中長期投資主体のソブリンファンドが半導体メモリー株に投資をするとなれば、株式需給面では大きな安心材料になる。エクイティストーリーに対する市場の疑念を払しょくするうえでも強い力を持つ。

政府系のテマセクと並んで直近で注目度を高めたのが、米ヘッジファンドのシタデルである。米オープンAIの元研究者、レオポルド・アッシェンブレナー氏が設立したヘッジファンドのシチュエーショナル・アウェアネスが、AI・半導体株の急落で7月に破綻の危機に追い込まれた際に、救済の手を差し伸べた。シチュエーショナル・アウェアネスは太陽誘電<6976>の株式で激しく売り買いを行った。シタデルがシチュエーショナル・アウェアネスの保有株の一部を取得したことが明らかになる前の7月29日が、日経平均の直近のボトムとなっている。市場では「決算発表シーズンの過程で半導体関連株は需給調整が進み、ボラティリティも低下した。ファンダメンタルズ自体は悪くなく、再びレバレッジを掛けて物色しようというムードも広がりつつある」(中堅証券)との見方もある。

SKハイニックスやサムスン電子がテマセクの投資対象となるならば、キオクシアも候補となるとの算段で、買いに向かった気の早い投資家もいたに違いない。ソブリンファンドの投資対象は基本的には国際優良株が中心だ。韓国において株価乱高下は社会問題化し、政府は神経を尖らせている。今回の報道では、テマセクが韓国政府に接触したとされている。持続的な株高を志す政権サイドの意向に沿った報道と斜めに構えて臨む必要があるかもしれないが、実際に株式を取得したのであれば、投資家心理には大きなプラスとなるはずだ。

韓国半導体株の復調は、日の丸AI・半導体関連の大型株にも浮揚力を高めるとみられ、中小型株にも波及効果をもたらしそうだ。AIツルハシ的性向を持つ好業績銘柄のうち、半導体ウエハー研磨材原料で競争力を持つ扶桑化学工業<4368>や、感光性材料を手掛けるダイトーケミックス<4366>、液体研磨剤大手で半導体のほか光ファイバー関連に展開するマイポックス<5381>などをマークしておきたい。

日程面では14日は国内では株価指数オプションの特別清算指数(SQ)算出日。7月投信概況が公表される。企業決算はアサヒグループホールディングス<2502>や電通グループ<4324>、荏原<6361>、アシックス<7936>、SOMPOホールディングス<8630>などが予定する。海外では米7月小売売上高や米8月ミシガン大学消費者信頼感指数の発表を控える。(長田善行)

出所:MINKABU PRESS

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