初心者でも「スーパーサイクル」の検証忘れず、三井E&S筆頭に1700万円
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ポリプさんの場合-最終回
イラスト:福島由恵兼業投資家。勤務医として週6日働きながら、株式投資に取り組む。2021年4月に米国の高配当株や投資信託からスタートし、23年から日本の個別株へ移行。需給やモメンタム、テーマ性を重視する手法で、累積元本3000万円を7200万円に増やした。興味を持つと没頭する性格で、仕事以外の時間はほぼ投資に注ぎ込んでいる。「株探-個人投資家大調査-2026」の回答者で、投資スタイルは「テクニカル・需給重視」、日本株投資の腕前は「中級者」となる。
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・前回記事「キオクシアで今年3000万円、調整も跳ね飛ばす『順張りの鉄則』」を読む
| この記事を読んで分かること |
| 1. 三井E&Sの株価7.8倍化に成功したツボ |
| 2. 動意づく前に取得し、上昇一服前に売却した判断基準 |
| 3. 投資の強みになっているポリプさんの気質 |
2023年頃から顕在化した「造船」ブームの初動で買い、2年後に上昇が一服する前に売り抜けに成功――。
今年キオクシアホールディングス<285A>で大勝ちしている兼業投資家のポリプさん(ハンドルネーム)は、2023年末から26年3月にかけて造船関連株を売買し、三井E&S<7003>では1250万円、他の関連株を含めると合計で1700万円のリターンを勝ち取った実績を持つ。
直近の造船ブームは世界的な造船需要の回復や脱炭素規制に伴う船舶の更新需要、さらに経済安全保障上の重要性も意識されて、株価上昇に弾みがついた。
ただ足元では、直近高値を下回る銘柄が目立つ。ポリプさんは調整局面に入る前に売却したことで、1700万円の実現益を手にできた。貢献したのは、以下の5銘柄だ。
船舶ディーゼル大手の
三井E&S<7003>
ダイハツインフィニアース<6023>
造船会社の
国内中堅の名村造船所<7014>
韓国大手のHD韓国造船海洋<009540>
同国大手のハンファオーシャン<042660>
――になる。
ポリプさんが造船関連株への投資を始めた2023年末は、日本の個別株投資をスタートしてまだ1年もたっていない頃だった。それでもブームの初期に乗り、しっかりと成果につなげることができたのは、独り善がりに陥らず、虚心坦懐に市場の声に耳を傾けてきたためだ。
最終回では、まだ初心者だったポリプさんが造船ブームでどう勝負してきたのかを見ていく。
最大の成功例は三井E&S<7003>、リターンは1250万円
造船関連の中で最大のリターンを得たのが、三井E&S<7003>だ。2023年12月に買い出動してから25年12月に手仕舞いするまでの2年間で、最大3500株の現物を保有して1250万円の利益を獲得した。
最初の買値は710円。最後に利益確定した売値は5530円と、約8倍に膨らんでいた。成功のポイントは、造船関連への注目が比較的高くなかった2023年に、スーパーサイクル(受注拡大期)到来を確信し、先回りして投資をしたことだ。
同サイクルは、造船需要の拡大期が長期的に続く現象を指す。一般に船舶の寿命は20年以上とされ、過去に造られた船が一斉に老朽化すると、更新需要がまとまって発生しやすい。こうした需要増が、ポリプさんが投資をした2年間の株価上昇を支えた要因の1つになっている。
まだ初心者だったポリプさんが、このチャンスを捉えられたのは決してビギナーズラックではない。勝ちの背景には、頭を使い、心がけを持って投資に臨んだ3つのポイントがある。その3つとは?
■売買の概要
| 売買項目 | 内容 |
| 取得時期 | 2023年12月~24年4月 |
| 売却時期 | 2025年9月~12月 |
| 取引株数 | 現物3500株 |
■三井E&Sの週足チャート(2022年10月~)

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同