【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─ 金利上昇を跳ね返す注目5銘柄!
「金利上昇を跳ね返す注目5銘柄!」
●米中首脳会談より重要な米長期金利
世界の耳目は本稿執筆時点のいま、米中首脳会談に向いている。しかし、株式投資の観点からは、もっと注視すべき数字がある。米国の長期金利だ。9月24日の米国債利回りは以下の通りとなった。
・2年債 4.92%
・5年債 5.06%
・10年債 5.20%
・30年債 5.48%
特に30年債は一時5.50%まで上昇し、2004年以来の高水準をつけた。なぜ、米国の市場金利がこれほど上がるのか。米国経済が予想以上に強いうえ、エネルギー価格や政府支出などによるインフレ圧力が収まらないためだ。ご存じのようにFRB(米連邦準備制度理事会)は9月16日に0.25%の追加利上げを実施し、政策金利を3.75~4.00%とした。2026年のPCE(個人消費支出)インフレ率予想も3.7%であり、2%目標にはまだ遠い状況といえる。
問題はここからだ。長期金利がさらに上昇すれば、
・住宅、自動車など個人消費を圧迫
・企業の資金調達コストが上昇
・PER(株価収益率)の高いハイテク、AI(人工知能)株に逆風
・ドル高・円安圧力が強まる
という連鎖が起きやすい。実際、米国の30年固定住宅ローン金利は7.03%まで上昇した。この7%台という住宅ローン金利は日本のバブル期の水準に近く、住宅市場にとって無視できない材料となる。しかも、これは日本にも波及する恐れがある。「米金利上昇→ドル高・円安→輸入物価が上昇→国内インフレ圧力」という流れになれば、日銀も追加利上げをさらに強く意識せざるを得なくなるからだ。
つまり当面、投資家にとって必要なのは、米中会談のニュースを追いかけることではない。毎朝、米10年債利回りを確認する。この方が、トランプ大統領、習近平国家主席の両巨頭が互いに腹を探り合いながら突きつけ合う、実現しそうもない要求を眺めるよりも、はるかに大事といえる。
●株式市場の主役交代も視野に入れて銘柄を設定
市場金利は日々の世界情勢に時々刻々、リアルに反応する。そのため、いまは米長期金利が5%台定着なら警戒を継続。さらに上昇するならば、株式市場での主役交代まで想定しておきたい。
そこで注目したいのは、金利動向の影響を受けにくい銘柄となる。具体的には、まずはトーモク <3946> [東証P]だ。段ボール製品の最大手でありながら、輸入住宅のスウェーデンハウスの販売、運輸倉庫の運営などを展開している。半導体関連株などに比べると地味な存在だが、収益を着実に伸ばし続けており、経営の安定性が高い。この点は大きな魅力であり、株価は9月9日につけた安値4225円から反発を開始した直後だけに狙い目となる。
アパレルやグルメなどのカタログ通販に強いベルーナ <9997> [東証P]も、本業の通販が最悪期を脱して黒字化に向かっているが、注目はホテル事業だ。「グランベルホテル」などの都市型ホテルやリゾートホテルを展開し、国内客と訪日客の双方から支持を得ている。2027年開業予定で北海道・洞爺湖のホテルを増設中であり、株式市場は今のところスルーしているが、今後次第にその効果に着目すると見てよい。
協同飼料や日本配合飼料の社名を覚えておられるだろうか。かつて飼料大手としてよく知られた企業だ。2014年に経営統合し、その後、持ち株会社として誕生したのがフィード・ワン <2060> [東証P]である。いまや飼料事業では全農に次ぐ企業であり、畜産用飼料だけでなく、水産飼料にも強く、収益を着実に伸ばし続けている。株価は5月以降に一時落ち込んだこともあったが、その後は次第に水準を切り上げ、いまは新値をつけるところまで上昇している。来年4月の食料品の消費税引き下げを考えると、畜産・水産用ともになお伸びる余地があると見てよく、さらなる高値が見込める。
私事で恐縮だが先週、私は白内障の手術を受けた。「手術中は話してはいけない」と家族に釘を刺されていたのだが、それを忘れて医師にあれこれと話しかけてしまった。医師は丁寧に返事をしてくれる。「そのメスはどこの製品ですか?」という問いに、医師が「マニーです」と返したものだから、話は弾まざるを得ない。「ほお~っ、マニー製品ですか。性能はどうですか?」。これに対し医師は「優れていますよ」と。「でも、株価はあまり上がりませんねえ」などと会話を発展させてしまい、術後にそれを知った妻から「手術中に株の話をするなんて」と大目玉を食らってしまった。さすがに反省せざるを得なかったのだが、帰宅後に改めてマニー <7730> [東証P]のチャートをチェックしたところ、投資対象としては悪くない位置にあることが分かった。
同社は手術用縫合針、眼科用ナイフ、歯科用治療具で首位のメーカー。それにもかかわらず、株価は低迷を続けてしまっている。これは製品が地味だからだろう。株価は明らかに底値圏にあり、浮上に転じるにはやや時間を要しそうだが、ここから大きく下げることは当面考えにくいため、現在水準あたりで拾っておきたい。
最後に、私の好きな銘柄を一つ挙げたい。玩具卸で圧倒的首位のハピネット <7552> [東証P]だ。すでに本コラムでは数回取り上げているが、幸い株価は上昇を続け、上場来高値をつけたばかりだ。しかし、これから季節はクリスマスや年末に向かう。当然、おもちゃ需要の最盛期が訪れることになるので、収益増は必至といえる。株価は前述したように高水準ながら、需要拡大に連動あるいは先行することを考えるのならば、まだ買い場圏にあるといえるだろう。
2026年9月25日 記
株探ニュース