伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 9月27日版
日経平均は10月中旬頃まで上昇継続の公算も
1. ドル・円はしばし152.85円から160.39円の範囲で推移する公算
ドル・円相場は、8月1日~15日に動いた範囲を上下どちらかに抜けた方へ動意づいて、年末へ向けてその方向へ流れを作る傾向があります。
円安方向の動きになる場合、「8月前半のレンジを上方へ抜けて、そのまま円安の流れを作るパターン」と、「いったんレンジを下方へ抜けて、9月に押し目をつけた後、円安の流れを作るパターン」があります。
年の後半が円高へ向かう場合、たいていの場合、8月前半のレンジを下方へ抜けて、そのまま円高の流れを継続するパターンとなっています。
本年は8月3日に1ドル=155.19円で押し目をつけた後、9月2日まで円安の動きを継続したため、年末まで155.19円を割ることなく、円安方向に推移する可能性のある展開になっていました。しかし、9月2日以降、急反転して、9月8日までの期間で155.19円を割れて、152.85円まで円高が進んでいます。
例年と異なるパターンになっている理由は、日米が現在の円安を容認できなくなったことが理由ではないかと推測しています。
8月9日の本コラムでは「1985年、1995年、1998年に米国が介入した後、それまでの円高、円安の流れが止まり、反転する動きとなっている」という過去の経験則を紹介しました。
本年も7月31日に日米による協調介入が実施されて、7月23日の高値163.99円が戻り高値となって、今後が円高方向の動きになる可能性を示しています。
ドル・円相場の値動き、現時点での政策や情勢を考慮すると、現在は円安方向へ行きやすい状態ですが、日米当局の思惑から円高へ向かわせる積極的な行動を取る可能性があるため、160円に近い地点や日銀会合が近づいてくると、円高方向への動きが表れると見ることができます。
図1は、ドル・円相場の日足と今後の想定できる展開になります。7月31日に米国が介入した事実から、本年は年末へ向けて円安の流れを作る展開を考えられません。今後は、10月30日の日銀会合で追加の利上げを実施するか否かによって、9月8日安値の152.85円から9月2日高値の160.39円の範囲内で推移するか、152.85円を割れて円高方向の動きになるかが見えてきます。
円高の流れを作る場合、下値の目安は137.12円前後(2015年6月の125.85円から2016年6月の98.98円までと同程度の値幅[26.87円幅])が挙げられます。
図1 ドル・円相場(日足)と10月の予想線
