国内株式市場見通し:長期金利の動向やAI関連銘柄の行方が引き続き焦点に
■米FOMCや日銀が利上げ決定も、あく抜け感が優勢となる
先週から今週にかけての日経平均は、11日終値比2352.86円高(+3.7%)の66364.20円で取引を終了した。先週は続落スタート後に切り返す展開となった。週前半は米オープンAIが年内の上場を見送ると報じられたほか、米アンソロピックCEOがAI開発を減速すべきと呼びかけ、それに賛同が相次いだと伝わり、AI関連銘柄を中心に続落となった。日米長期金利の上昇も警戒材料視された。ただ、週央以降は切り返した。米連邦公開市場委員会(FOMC)では約3年ぶりの利上げを決定、年内の追加利上げ観測も高まる状況となったものの、あく抜け感が優勢となっていった。FOMC後のドル高・円安の動きも日本株にとっては支援材料となったようだ。週末には日本銀行でも利上げが決定されたものの、2票の利上げ反対票が入ったことで、想定以上にハト派的とも受け止められた。前日の米国市場で半導体株が買われた流れを受けて、人工知能(AI)関連に買いが膨らんだこともあって、日経平均は65000円を回復する動きとなった。
シルバーウイーク明け後の今週も、日経平均は続伸基調が続いた。連休中に米半導体株が大きく上昇したことで、東京市場でも関連銘柄に買い安心感が広がった。週末も、AI・半導体関連をけん引役に大幅続伸となった。米中首脳会談を受けて、AI開発規制の動きに対する過度な懸念も和らいだようだ。また、9月末の権利取りの動きなども相場を支えたとみられる。
■配当再投資の買い一巡後の需給変化には注意も
今週末の米国株式市場は上昇。ダウ平均は前日比478.64ドル高の51828.62ドル、ナスダックは同129.34ポイント高の27068.72で取引を終了した。225ナイト・セッションは日中終値比170円高の66470円。イランのアラグチ外相が、「米国が一定の条件を満たせば7日以内にホルムズ海峡を開放し、最終合意に向けた交渉を再開するとの計画を米国に示した」と発言、原油価格が下落して投資家心理が改善した。
東京市場では来週初めに9月末権利付き最終売買日を迎える。28日の大引け、29日の寄付きにおいて配当再投資の買い需要が発生する。一部試算では1.6兆円程度の先物買いが発生するとみられており、週前半の需給面での下支え要因となろう。ただ、こうした需給インパクトへの期待感は反映済みとみられるため、配当再投資の買い一巡後の一時的な需給悪化には警戒すべき。10月相場入り後は、下半期入りによる機関投資家の需給動向の変化をまずは見極めたい。なお、9月30日には日経平均のリバランスが行われ、アドバンテスト<6857>のキャップ調整の影響が大きいことから、3000億円弱の日経平均構成銘柄に対する買い需要発生が想定されている。
日米ともに長期金利が上昇しており、日本の10年物国債利回りは一時3.115%と、1996年8月以来およそ30年ぶりの高水準をつけている。米国10年債利回りも、25日には一時5.23%と2007年6月以来の高水準となっている。足下では、長期金利上昇にもかかわらず株式市場は堅調推移となっており、やや楽観的な状況とも捉えられる。ただ、米国株にとっては鬼門の9月相場を通過していくことで、目先は押し目買いの動きが入りやすいと考えられる。長期金利は中東情勢の改善次第で大きく変化する可能性が高く、トランプ政権下ではAI開発減速の可能性なども低いとみられる。
■米国のインフレ指標やマイクロン決算などが注目イベントに
国内では、日銀金融政策決定会合の議事要旨や「主な意見」が公表されるほか、日銀短観や東京都区部消費者物価指数(CPI)などの発表も予定され、日銀の追加利上げのタイミングを探っていくことになる。インフレ指標が多少落ち着いても、再度円安傾向が強まり、トランプ米大統領による円安懸念も伝わっていることから、早期の追加利上げ実施の可能性は高いといえる。配当権利落ち後の銀行株などは押し目買い妙味となろう。
米国では、連邦準備制度理事会(FRB)が最重視するPCEデフレーター発表などが最注目イベントとなりそうだ。8月のコアPCEデフレーターは、前月比で7月実績からやや加速予想となっているもようで、想定通りなら、年内追加利上げの実現可能性がより高まることになっていこう。ほか、30日に予定されているマイクロンテクノロジーの決算発表も注目されよう。高水準の粗利益率見通しなどが示されるかによって、米国のメモリーメーカー、国内半導体関連銘柄の動きに対し、短期的な影響を強めさせそうだ。
■米PCEデフレーターや雇用統計に注目
来週、国内では、28日に7月30-31日開催の日銀金融政策決定会合議事要旨、30日に8月商業動態統計、8月鉱工業生産、10月1日に9月日銀短観、9月17-18日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、2日に8月失業率・有効求人倍率、9月東京都区部消費者物価指数、9月マネタリーベースが発表される。なお、28日に9月末権利付き最終日を迎える。
海外では、29日に米・7月住宅価格指数、7月S&Pケースシラー住宅価格指数、8月JOLTS求人件数、9月コンファレンスボード消費者信頼感指数、30日に中・9月製造業・非製造業PMI(国家統計局)、9月製造業・サービス業PMI(RatingDog)、米・4-6月期GDP(確定値)、8月個人所得・個人支出・デフレーター、9月ADP雇用統計、9月シカゴ購買部協会景況指数、10月1日に欧・8月ユーロ圏失業率、米・9月ISM製造業景気指数、9月自動車販売台数、新規失業保険申請件数、2日に欧・9月ユーロ圏消費者物価指数、米・8月製造業受注、9月雇用統計などが発表される。
《AN》