調整AI株でも3勝1敗、学資ローンを溶かしたヤラレが生きる
目指せ億トレ、頑張り投資家さんの稼ぎ技
AI相場で勝つ人
Masさんの場合-最終回
イラスト:福島由恵兼業投資家。勤務医として働く傍ら、株式投資に取り組む。投資を始めたのは2016年、職場の指示で大学院に通うことになり収入減をカバーする目的だった。当初は値動きの激しい銘柄で失敗を重ねたが、その反省から割安成長株や高配当株に軸足を移し、信用取引も活用。累計元本200万円を1300万円まで増やしている。「株探-個人投資家大調査-2026」の回答者で、投資スタイルは「グロース重視」、日本株投資の腕前は「中級者」となる。
・「投資家検索サービス」を使う
・「AI相場で勝つ人」を読む
・前回記事「『フルポジ&ハイレバ』×『2 つの安』=『4 年・6.5 倍』」を読む
| この記事を読んで分かること |
| 1. AI関連銘柄を売買する際の判断軸 |
| 2. 売買の腕を磨くために意識してきた点 |
| 3. 超小型グロース株への集中投資の教訓 |
10年前の雪辱をAI相場で果たす。
今回登場のMasさん(ハンドルネーム)は初心者時代、値動きの激しい銘柄への集中投資に失敗し、学資ローンの一部を溶かす痛い目に遭っている。その時の教訓を足元のAI関連銘柄への投資で生かし、調整入りした局面で、しっかり実現益を確保することに成功している。
AI関連の騰勢が強まった2026年4月以降、Masさんは
米オープンAIに出資するソフトバンクグループ<9984>
電子部品大手の京セラ<6971>
特殊ガス大手の関東電化工業<4047>
半導体製造装置大手のSCREENホールディングス<7735>
――の4銘柄に、信用取引を活用して投資。その後、6月下旬から7月上旬にかけて順次売却を進め、合計で110万円の実現益を得た。スクリン以外の3銘柄は現在も少量を保有している。
最終回は、この10年間で上達のために意識してきたポイントを見ていく。
関電化は、キオクシア関連で買い
AI関連の4銘柄の中で。最も成功したのが関東電化工業<4047>だ。
投資のきっかけは、5月15日に今期(27年3月期)の予想営業利益を前期比83%増とする計画を公表したことだ。これを受けて同社株は、翌営業日の18日そして19日と2日連続で窓を空けて上昇。Masさんは19日、2700円前後で取得した(下のチャート)。
同時に、関電化はキオクシアホールディングス<285A>の関連銘柄としての期待も大きかった。関電化は半導体製造に欠かせない特殊ガスを供給している。前期にキオクシア向けの売上高は123億円と全体の18%を占めている。
一方の主役、キオクシアを投資対象にしなかったのは値がさ株で、1単元を保有するのに当時の水準で約500万円を投じる必要があったためだ。それに対し関電化は1単元30万円未満で買うことができた。
キオクシアをミニ株(単元未満株)で買う手もあったが、「信用取引を活用できないため見送った」(Masさん)。前回も触れた通り、信用取引の担保とする現物株は、リスクを抑えるため値動きの安定した銘柄で構成している。高ボラティリティー(変動率)のキオクシアは担保に組み入れづらい。
関電化は最大900株を保有し、そのうち800株を6月23日に売却した。理由は出来高が減少して株価が軟調となり、短期的には天井をつけたと判断したため。100株だけ残したのは、再び上昇基調に転じた際、その変化を把握しやすくするためだ。
同社を含むAI関連銘柄での成功のポイントは、何なのか。
■関電化の日足チャート(2026年3月~)

注:出来高・売買代金の棒グラフの色は当該株価が前期間の株価に比べプラスの時は「赤」、マイナスは「青」、同値は「グレー」。以下同
AI関連銘柄の雲行きが怪しくなってきた昨今、Masさんが利益を確保できたのは理由がある。それは、初心者時代にネット広告の効果測定サービスイルグルム<3690>でヤラレを食らってから、常に意識してきたことだ。