【村瀬智一が斬る!深層マーケット】業績手掛かりの物色や出遅れ感ある中小型株に注目
「業績手掛かりの物色や出遅れ感ある中小型株に注目」
●半導体・AI関連株主導で日経平均は7万円接近
日経平均株価は7月29日につけた6万0448円を安値にリバウンドに転じ、抵抗線として意識されていた25日・75日移動平均線を上抜け、8月14日には一時6万9608円と7万円に接近してきた。日米の企業決算発表がピークを迎えるなか、米国市場では業績好調が確認された 半導体やAI(人工知能)関連株を物色する動きが強まった。東京市場でもこの流れが指数インパクトの大きい値がさハイテク株に波及し、アドバンテスト <6857> [東証P]はおよそ1カ月半ぶりに上場来高値を更新した。なかでもキオクシアホールディングス <285A> [東証P]がリバウンド基調を強めてきたことが、投資家心理の改善につながったとみられる。
決算発表が一巡したことで、改めて業績面を手掛かりにした物色が意識されやすいだろう。決算発表の初動で好業績でありながら材料出尽くし感から売られた銘柄や、評価不足のまま物色の圏外に置かれている銘柄などを探る動きとなりそうだ。
また、日経平均株価は7万円回復を射程に入れたものの、同水準に接近する局面では強弱感が対立しやすいことには留意しておきたい。7万円手前水準で膠着感が強まってくるようだと、相対的に出遅れ感のある中小型株に個人投資家主体の資金が向かいそうだ。
●活躍が期待される「注目5銘柄」
◆フェローテック <6890> [東証S]
「磁性流体を用いた真空シール」と「サーモモジュール」で世界トップクラスのシェアを誇るハイテク素材・部品メーカー。半導体製造装置の内部(真空環境)を密閉する真空シールや製造工程の消耗品として不可欠な石英、セラミックスなどのマテリアル部材が売り上げの6割超を占める。生成AI向けデータセンター の新増設に伴い、高速通信で必須となる光トランシーバー向けの冷却用サーモモジュール需要が急増。株価は2025年4月安値の1923円を底に上昇に転じ、26年6月22日には上場来高値の1万1700円まで買われた。その後、13週・26週線を割り込む場面もみられたが、7月17日につけた6750円を安値に切り返して26週線に続き13週線水準を回復。最高値更新を射程に入れた一段の上昇に期待したい。
◆ワークマン <7564> [東証S]
「防水、防寒、遮熱、耐久性」など職人向けに開発された高機能性を、一般アパレルに応用し、アウトドア・カジュアルウェア市場でも圧倒的な存在感を放つ。着るだけで疲労回復を促すリカバリーウェア「メディヒール」のほか、熱中症対策の義務化を追い風にファン付きウェアやペルチェ素子冷却ベストなどの戦略製品群を拡大する。なかでも「氷撃冷感-10℃半袖Tシャツ」は品薄になる大ヒット商品となった。株価は6月3日高値の8330円をピークに、7月22日には5530円まで売られた。だが、足元は緩やかながらリバウンドに転じており、6500円~6800円辺りに位置する13週・26週・52週線の突破による一段高を想定。
◆ナカニシ <7716> [東証S]
歯を削るドリル( 歯科用ハンドピース)など歯科医療事業が主力で、外科向けの高速回転ドリルや手術用システムも展開。また、一般産業用では自動車や航空機、精密機械の製造ライン、金型加工などで使用されるモータスピンドルを手掛ける。9月30日を基準日として1株→2株の株式分割を実施する。株価は調整を交えながらも上向きで推移する13週線を支持線として強いトレンドを形成しており、2023年9月につけた上場来高値3780円が射程に入ってきた。
◆QDレーザ <6613> [東証G]
次世代の半導体光源・量子ドットレーザーの量産化に世界で初めて成功した最先端光テクノロジー企業。生成AIの普及に伴い、データセンターの消費電力と発熱量が爆発的に増えるなか、半導体のチップ間を「光」で結ぶ光電融合技術への移行が進んでいる。最先端技術の研究開発が先行したことで赤字が続いていたが、2027年3月期の営業損益(非連結)は300万円の黒字(前期は3億2600万円の赤字)へ浮上を見込む。株価は2026年5月の3620円、6月の3530円でダブルトップを形成して急落。一時は52週線に接近する場面もみられたが、7月29日につけた1208円をボトムに反発し、26週線を捉えてきた。同線突破からの一段高に期待したい。
◆ミライト・ワン <1417> [東証P]
NTT <9432> [東証P]向けなどで国内トップクラスの実績を有する通信工事大手。通信キャリア向け工事が減少する一方、データセンター構築やEV(電気自動車)充電、スマートシティ関連など非通信の成長領域「みらいドメイン」が伸びている。高発熱の高性能GPU(画像処理半導体)サーバーの構築検証のために、水冷コンテナ型データセンターの商用初号機を新木場に設置し、9月以降の運用開始を目指す。株価は5月12日につけた上場来高値4351円をピークに下落し、足元で52週線を割り込んでいる。ただし、同線水準で下げ渋る動きがみられており、調整一巡からのリバウンド狙いで対応したい。
2026年8月14日 記 (次回は8月29日に更新予定)
株探ニュース