【北浜流一郎のズバリ株先見!】 ─増収・増益・増配の「3増銘柄」を狙う!
「増収・増益・増配の『3増銘柄』を狙う!」
●株式市場を左右する「ベッセント方式」の成否
いま米国市場を見るうえで、最も注意すべき人物とは誰か。トランプ大統領と思われがちだが、ベッセント米財務長官だ。私に言わせるとこうなる。イラン戦争の長期化とホルムズ海峡をめぐる緊張の高まりによって原油価格は高止まりし、インフレ再燃が警戒されて米長期金利も上昇している。さらに米国の政府債務は40兆ドルを突破した。財政悪化への不安が国債売りを招き、長期金利をさらに押し上げるという厄介な構図だ。この難局で市場安定化の前面に立っているのが、ベッセント財務長官である。
米財務省は10~30年の長期国債の買い入れ消却の上限を1回20億ドルから40億ドル以上へ倍増させ、必要ならさらに拡大する構えを見せている。長期債を買い支えることで債券価格の下落を防ぎ、利回り上昇を抑えようという策だ。
注目すべきは、ベッセント氏が金融市場を知り尽くした人物であることだ。ジョージ・ソロス氏が運営するヘッジファンドで指導を受けながら長年経験を積んだだけに、市場との対話力では歴代財務長官の中でも傑出した存在といえる。さらに言うならば、世界の金融関係者の中で、為替に最も精通した人物と見てよい。そんな財務長官が主導し、国債買い入れ消却による金利抑制と財政健全化を組み合わせる。これを「ベッセント方式」と呼ぶなら、その成否が今後の株式市場を左右する可能性は高い。
ただし、過大な期待は禁物だ。30年債利回りは買い入れ拡大発表後に低下したものの、再び上昇している。原油高とインフレ、巨額の財政赤字という3つの難題は簡単には消えない。
●業績好調の「3増」有望銘柄5選
そこで、投資家が着目すべきは、相場全体ではなく企業業績である。キーワードは「増収・増益・増配」の「3増」だ。特に「3増」を達成しているにもかかわらず、金利上昇や地政学リスクによる市場の混乱に巻き込まれて売られた銘柄に注目したい。業績悪化で下げた株ではなく、業績好調であるのに下げた株を拾っておけばよい。ベッセント氏の手腕には期待する。しかし、頼り切らない。「3増」企業の売られ過ぎを待って買う。不透明な相場だからこそ、この単純な投資姿勢が有効になる。
まず注目したいのが、日機装 <6376> [東証P]だ。産業用特殊ポンプのメーカーだが、私が高く評価するのは人工透析装置に強いことだ。同社の製品がなければ、命を失う人もいるほどだ。それだけに株価は休みなく上がってもおかしくないが、8月14日に高値をつけたあと、大きく売り込まれてしまった。年初の1600円台から上場来高値の4530円まで買われていたので、いったん利食い売りを浴びたと見てよい。いまは下げ止まりの兆しが見えている点に着目したい。
同じく医療機器を扱う企業の中から朝日インテック <7747> [東証P]を取り挙げたい。循環器治療用のPCIガイドワイヤーに強い会社だ。一般での知名度はそれほど高くはないが、グローバルシェアを誇る製品を有し、海外での評価は高い。株価は目下のところ高値圏でやや不安定な動きながら、騰勢は変わらず、続伸が見込める。
私の大好きな銘柄の一つであるギフトホールディングス <9279> [東証P]も忘れてはなるまい。横浜家系ラーメン「町田商店」などを運営している会社だ。直営店経営と並行してラーメン店運営のプロデュースやコンサルティング、さらには麺やスープの提供も行い、経営基盤を多層化している。海外への出店にも乗り出しているため、今後のさらなる成長が見込める点が魅力だ。株価は8月5日に上場来高値5480円をつけて以降、失速してしまったが、下げ止まりつつあり、間もなく復調してもおかしくない。
金利の上昇が見込まれるため、「戸建てやマンションの購入者は減り、価格も下がるだろう」と思ってしまいがちだが、実際はそうではない。不動産市況は相変わらず活況で、私の住む横浜近郊でも至るところで住宅の建築が進んでいる。都内は土地がないといわれながらも、まだ空き地はある。そこにデザイン性の高い戸建てや投資用マンションを建てて躍進を続けているのが、アグレ都市デザイン <3467> [東証S]だ。最近では既存旅館の再生・運営支援にも乗り出しており、将来の成長要因となると期待されている。現在、高値から小幅に下げているところは魅力的だ。
最後に、寿スピリッツ <2222> [東証P]を挙げたい。この銘柄は下げているわけではない。地域限定のお菓子を全国の主要観光地で発売し、収益を伸ばし続けている。いわゆるインバウンド関連株のため、一時は中国政府による訪日自粛要請などが懸念されて騰勢が鈍っていたものの、6月頃からようやく正常な値動きを見せ始めている。収益力の高さを考慮すれば、株価はもっと上がってもおかしくはない。
2026年8月21日 記
株探ニュース