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乱調相場で現れた金鉱脈、高配当バリュー株の宝庫「建設株」5銘柄選抜 <株探トップ特集>

特集
2026年8月22日 19時30分

―官民の旺盛な工事需要続く、成長期待を株価に織り込み始めた有望株をロックオン―

日経平均株価は6月下旬から7月にかけて調整した後、6万円トビ台まで下げたところで反転。8月にかけて一気に6万9000円台まで回復した。が、ここではね返された。最高値圏にあったTOPIXも一転急落している。中東情勢を受けた原油高や財政拡大懸念から金利の先高観は根強く、これが相場の重荷となっている。今月半ばで一巡した決算発表シーズンは概ね好調との受け止めが広がっており、足もと好業績が確認された銘柄には物色が広がりやすいタイミングだ。全体相場が大きく下押す場面があれば、そこは押し目買いのチャンスとなるだろう。そこで今回注目したいのが「建設株」。業績はもちろん配当面でも魅力ある銘柄が多く、不安定相場のなかで脚光を浴びることが期待される。

●人手不足・コスト高で選別受注も

ゼネコン大手の清水建設 <1803> [東証P]が7月下旬に発表した第1四半期(4-6月)決算は、純利益が前年同期比5倍の552億5700万円と急拡大した。手持ち案件の進捗で完成工事高が増加し、採算改善が進んだ。持ち分法投資利益や有価証券売却益の計上も寄与した。同時に通期予想を上方修正し、同利益を前期比3割増の1655億円と従来の最高益予想(1300億円)に更に上乗せした。8月に入って同業大手も続々と第1四半期決算を発表し、大林組 <1802> [東証P](前年同期比2.2倍)、鹿島 <1812> [東証P](同17%増)、大成建設 <1801> [東証P](同5%増)いずれも良好だった。

建設業界を取り巻く環境には追い風が吹いている。各地で再開発が活発化し、AI普及によるデータセンター投資拡大も加わって工事需要の旺盛な状況は続く。また、 国土強靱化という国策の後押しもある。先の熊本地震や千葉の豪雨被害、昨年の埼玉県八潮市での道路陥没事故など近年大きな災害が相次ぎ、対策は待ったなしだ。政府は戦略17分野の一つに「防災・国土強靱化」を掲げ、取り組みを推し進める姿勢を鮮明としている。こうした豊富な工事需要は業界全体に良好な収益環境をもたらしているが、ここでポイントとなるのが売上高よりも利益の増加に効きやすい点。需要が多い一方、慢性的な人手不足やコスト高によって供給面の制約は依然として大きく、こうなると各社、選別受注に動かざるを得ない。結果、採算性を重視する傾向が強まり、利益率の向上につながることになる。

●キオクシア関連のインフロニア

では、株価はどうか。前述のゼネコン大手4社の値動きをみると、業績とは裏腹に冴えない。昨年から今年初めにかけて軒並み絶好調であったが、春以降はAI一極集中相場のなかで売りに押され、年初来安値圏に沈む。大手以外の中堅・中小どころでも業績堅調ながら株価が苦戦しているものは少なくない。足もとAI相場の一服とともにバリュー株など幅広い銘柄に物色が広がっており、建設セクターも早晩この流れに乗る公算が大きい。底値をじっくり拾って報われそうだ。

一方、セクター内には既に投資マネーを集めている銘柄もある。例えば、ゼネコン準大手のインフロニア・ホールディングス <5076> [東証P]。2024年に日本風力開発、25年に三井住友建設、今年7月に水道設備大手の水ing(スイング)を傘下に収め、相次ぐ大型買収で話題を呼んでいる。直近、第1四半期決算とあわせて通期予想を上方修正。純利益は従来の減益予想からプラス転換し、最高益更新の見通しとなった。スイング買収効果に加え、金融資産の評価益が寄与する。同社は東芝の非公開化を行った国内企業連合ファンドへ出資しており、評価益はこの出資持ち分の評価額の変動によるもの。変動の要因は、東芝が保有するキオクシアホールディングス <285A> [東証P]株の上昇だ。株価は7月に上場来高値を更新。全体相場にツレ安する場面はありつつも高値水準で底堅く推移している。

セクター内にはこうした成長期待のある銘柄がまだ数多く存在する。今後の建設株物色の高まりに期待して、今のうちに有望株をしっかりとマークしておきたい。業績や株価、株主還元の面で買い安心感のある5銘柄をピックアップした。

●準大手から中堅、老舗までさまざま、直近IPO銘柄も

安藤・間 <1719> [東証P]はゼネコン準大手。ダムやトンネルなど大型土木に定評がある。官民の堅調な建設投資を追い風に、第1四半期は純利益が前年同期比35%増の42億3700万円を達成。これを受けて株価は緩やかに上昇基調をたどり、1800円台後半を横に走る200日移動平均線の上に顔を出してきた。通期では減益を見込むが、これは前期に投資有価証券売却益を計上した反動によるもの。株主還元に手厚く、4期連続の増配を計画する。配当利回りは4%台半ばと高い。

戸田建設 <1860> [東証P]は病院や学校に強みを持つ名門ゼネコン。洋上風力発電に注力する。「戦略的受注の徹底」を掲げ、案件の採算性や規模、難易度を踏まえた厳格な選定を実行。また、デジタル化、機械化による生産性向上も推し進めている。こうした取り組みが実を結び、第1四半期は最終3.3倍増益と好スタート。対通期進捗率は3割強と順調だ。6期連続の増配を計画し、株価は高値圏からやや調整した水準で配当利回りは4%台に到達。PBRは1倍割れで割安感がある。

富士ピー・エス <1848> [東証S]は耐久性に優れたプレストレストコンクリート(PC)工法を手掛ける建設中堅。福岡に本社を構え、九州地方を地盤に全国展開する。7月28日の熊本地震を受け、翌29日に同社株は復興需要の思惑から急動意。10%を超える上昇を演じた。その後いったん売られたが、8月7日に第1四半期の好決算を発表し、切り返しに転じた。決算内容は純利益が前年同期比2.6倍と急拡大。継続して進めている採算改善が奏功した。今期は4期連続の増配を見込む。

飛島ホールディングス <256A> [東証P]は飛島建設を傘下に持つ老舗ゼネコン。青函トンネルの掘削工事に携わるなど土木分野で豊富な実績を有する。前身の「飛島組」から分離独立した企業に熊谷組 <1861> [東証P]、前田建設工業(インフロニアの前身)がある。第1四半期は最終減益で着地したが、これは税費用の影響によるもの。営業利益段階ではプラスを確保。通期でも4期連続の営業増益を計画する。配当は5期連続の増配で、利回りは5%台と魅力的だ。

ビーエイブル <604A> [東証S]は原発の建設・保守・廃炉作業を主体とする工事会社。東京電力福島第一原発の廃炉作業を担っていることで知られる。7月29日に新規上場した直近IPO銘柄となる。26年7月期通期の純利益見通しは前の期比53%増の7億2900万円。第3四半期累計(6億2000万円)時点で進捗率は8割強に達する。配当予想は年20円。初値(1016円)は公開価格(700円)を大幅に上回り、好調な滑り出しとなった。今後の値動きから目が離せない。

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