好決算ラッシュで輝く! 27年3月期「早くも上方修正」の厳選6銘柄 <株探トップ特集>
―第1四半期から際立つ強さ、業績モメンタム加速の有望株をピックアップ―
3月期決算企業の27年3月期第1四半期(4-6月)決算発表が一巡した。4-6月期は生成AI の普及に伴うデータセンター などへの世界的な投資拡大が半導体関連 を中心に追い風となったほか、原材料費や人件費の上昇に伴う価格転嫁が製造業・非製造業を問わず広く浸透し、利益率向上に寄与した。こうした良好な事業環境を背景に好業績が相次ぐなか、今回は4-6月期決算発表シーズンに業績予想を上方修正した企業に着目し、一段の上値追いや再評価が期待できる銘柄を探った。
●AI需要や価格転嫁が牽引、上方修正は昨年の2倍超
セクター別で見ると、電気機器をはじめ、非鉄金属、化学、機械といったAI・半導体サプライチェーンに属する企業群で上方修正が目立つ。データセンター関連や先端半導体向けの需要が期初の想定を上回って推移し、業績の上振れを力強く牽引した格好だ。また、価格転嫁の進展が利益を押し上げた企業に加え、為替の円安効果が収益を底上げした自動車を中心とする外需関連、利ざや改善が進む銀行など、さまざまな追い風を受けて利益を大きく伸ばす企業が多くみられた。
第1四半期の段階では、為替動向や海外景気の不透明感など先行きのリスク要因を見極めるため、通期業績予想を据え置く企業が大半を占める。しかし今回は、4-6月期決算に合わせて通期業績予想を上方修正する企業が相次ぎ、その数は経常利益または税引き前利益ベースで230社を超えた。前年の第1四半期決算発表シーズンと比べて2倍以上の水準だ。期初からわずか3ヵ月での増額修正は、足もとの需要の強さや採算改善を映す動きといえる。
以下では、4-6月期決算の発表に合わせて通期計画を早くも増額修正した銘柄群のなかから、AI・半導体需要を捉える成長株、高付加価値化や価格転嫁で業績を伸ばす銘柄、更には手厚い還元姿勢を持つ割安株など、今後の株価上昇が期待される6銘柄を厳選して紹介する。
◎ニッタ <5186> [東証P]
伝動用ベルトの大手で、樹脂ホースやチューブなども手掛ける。中長期経営計画で半導体関連市場を成長ドライバーに位置づけ、高付加価値製品の展開を強化している。足もとでは半導体製造装置向けクリーンチューブの引き合いが想定以上に強く、持ち分法適用会社が手掛けるウエハー研磨パッドなどの販売も好調だ。4-6月期は製品への価格転嫁も進展し、経常利益49億7900万円(前年同期比56.9%増)と四半期ベースの過去最高益を塗り替えた。好調な第1四半期決算を受け、早くも通期の同利益予想を従来の150億円から180億円(前期比21.5%増)へ上方修正し、3期連続の最高益見通しを更に上積みした。毎年10円以上の増配を継続する方針を掲げており、積極的な株主還元姿勢も魅力だ。
◎JSP <7942> [東証P]
発泡プラスチックの大手メーカー。主力の発泡ポリプロピレン「ARPRO」は軽量性や衝撃吸収性、リサイクル性に優れ、バンパーなどの自動車部材で世界的に高いシェアを誇る。4-6月期は欧州のEV(電気自動車)向けや中国のバッテリー関連向けで高機能材製品の販売が好調だったほか、台湾ではAIサーバー関連の包装材も伸びた。また、原材料高を受けた製品価格改定も着実に進み、経常利益は前年同期比2.8倍の35億7500万円と大きな伸びを示した。この結果を踏まえ、通期の同利益見通しを従来の72億円から102億円(前期比26.0%増)へ上方修正し、減益予想から一転して10期ぶりの最高益更新を見込む。1990年の上場以来「減配ゼロ」を続け、今期配当も100円(前期比10円増)と4期連続で増配する計画だ。財務の健全性に加え、予想PER11倍近辺、PBR0.7倍台と割安感も強く、水準訂正の余地は大きい。
◎テセック <6337> [東証S]
半導体の最終検査工程で使われる「テスタ(性能測定)」と「ハンドラ(選別)」を展開する装置メーカー。特にパワー半導体向けを得意とし、世界の主要半導体メーカーを顧客に持つ。足もとでは生成AIやデータセンター向け半導体の需要拡大を追い風に、MAPハンドラの受注が急増している。4-6月期は製品構成の改善や好採算案件の計上も寄与し、経常利益5億1700万円と前年同期比27.2倍に膨らんだ。EV需要の減速でテスタの回復が遅れているものの、ハンドラの引き合いは強く、通期の同利益予想を従来の5億9000万円から13億円(前期比2.3倍)へ大幅に上方修正した。配当は「DOE(株主資本配当率)4%を目安」とし、安定した配当を重視する方針で、自社株買いにも機動的に取り組むなど、株主還元に積極的な姿勢をみせる。AI関連で伸びるハンドラを軸とした業績拡大と高水準の株主還元が、株価の再評価を後押ししそうだ。
◎AIRMAN <6364> [東証P]
エンジンコンプレッサを主力とする建設・産業機械メーカー。国内建設現場での需要が伸び悩む一方、海外展開を強化しており、なかでも北米向けが絶好調だ。データセンターや天然ガスパイプライン建設などのインフラ整備に伴う需要が拡大するなか、大手レンタル会社向けを中心にコンプレッサ や発電機の販売が大きく伸びている。4-6月期は米国関税や原材料高による負担を円安効果や製品の価格転嫁で吸収し、経常利益は前年同期比7割近い大幅増益となった。この好実績に加え、米国関税の還付も見込まれることから、通期の同利益予想を87億円(前期比8.6%増)へ引き上げた。減益を見込んでいた期初予想から一転して最高益を更新する見通しだ。あわせて発表した最大8億円の自社株買いは、設定枠をほぼ使い切って早期に取得を完了した。利益還元の実行力の高さも評価材料となる。
◎ダスキン <4665> [東証P]
清掃用具レンタルなどの訪販グループとドーナツ 専門店「ミスタードーナツ」を運営するフードグループが二本柱。ミスタードーナツは安売りから脱却し、素材や商品開発にこだわった高付加価値戦略へのシフトで業績を大きく回復させてきた。4-6月期は前期に大ヒットした55周年記念商品「もっちゅりん」の再投入が奏功したほか、期間限定商品なども好調で、客数と客単価がともに前年を上回った。好調なミスタードーナツ事業を背景に、通期の経常利益予想を従来の129億円から140億円(前期比8.0%増)へ早くも上方修正。更に、配当性向60%とDOE3.0%のいずれか高い方とする配当方針に基づき、配当も135円(前期比17円増)へ引き上げた。業績拡大と手厚い還元策を追い風に、株価は7月末からの急落分を早々に埋め、直近高値に迫る強い動きをみせており、青空圏への再浮上が視野に入る。
◎コプロ・ホールディングス <7059> [東証P]
建設・プラント向けを中心とした技術者派遣の有力企業。3月に同業のトライトエンジニアリングを子会社化し、建設技術者数は約7400人(26年7月末時点)と業界トップクラスの規模へ拡大した。4-6月期は建設業界の人手不足が続くなか、派遣需要が高水準で推移し、経常利益は前年同期比36.8%増の8億4000万円と大幅増益を達成。順調な進捗を受け、通期の同利益予想を従来の25億5000万円から34億2600万円へ上方修正した。今期はトライトEG買収に伴うのれん償却が利益を圧迫するものの、28年3月期からはIFRS(国際会計基準)への移行に伴い、のれん償却が不要となる。本業の持続的な成長に加え、会計基準の変更による利益水準の切り上がりは、中長期的な注目材料となろう。加えて、今期配当は新規上場から8期連続増配となる45円を予定し、配当利回りが5%前後と高水準にあることも評価ポイントだ。
株探ニュース