【杉村富生の短期相場観測】 ─波乱相場に打ち勝つ厳選9銘柄!
「波乱相場に打ち勝つ厳選9銘柄!」
●9~10月が荒れる季節習性なのは……?
9~10月(秋)相場は荒れる、という季節習性がある。日本の場合、事業法人、機関投資家の9月中間決算期末だ。例年、利食い優先、損出しの売り(利益圧縮)が出やすい。11日はメジャーSQ(先物・オプション取引の特別清算指数算出)が控えている。売り方と買い方のせめぎ合いがあろう。アメリカは10月末にミューチュアルファンドの決算を迎える。
改めて述べるまでもない。アメリカのミューチュアルファンドはオープンエンド型の投資信託である。SEC(米国証券取引委員会)は「Open-End Investment Company」と定義する。すなわち、投資信託そのものが一つの会社なのだ。したがって、出資(受益)者は株主になる。日本の契約型投資信託とは根本的に違う。
さて、焦点はこの会社型のミューチュアルファンドの決算が株価にどんな影響を与えるか、にあろう。米国の内国歳入法第852条によると、このタイプの「投資会社は利益の90%以上を配当に回さないと課税の対象になる」。実際は物品税も課されるため、課税を避けるには利益の98%強を配当に振り向ける必要がある。結果的に、9~10月は日本以上に需給が悪化する。
さらに、9月のポイントは9~10日のECB(欧州中央銀行)理事会、15~16日の米FOMC(連邦公開市場委員会)、17~18日の日銀金融政策決定会合になろう。ECBは0.25%の利上げ(政策金利は2.5%に)が確実視されている。ただし、ECBの利上げは今回が最後(打ち止め)となる可能性がある。
FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ確率は、基本的には「五分五分」ではないか。日銀の利上げ(0.25%)はほぼ確実だ。政策金利は1.25%とする。円安阻止に加え、金融正常化、インフレ対応の狙いもあって、日銀幹部は来春(4月頃)には1.50~1.75%まで引き上げたい意向をほのめかしている。
●強まる円高圧力!購買力平価では93円!
なお、日本の中立金利(景気を冷やしもせず、刺激もしない金利水準)は2.00%程度とみられるが、ターミナルレート(利上げ局面において、当局が最終的な政策金利をどこまで上げるか、という市場の予測)は今回、2.00%→2.50%に切り上がった、と思う。ベッセント米財務長官の「円安是正を」の“圧力”は強烈である。
まあ、彼の高市政権への「リフレ政策はやめよ」とか、他国(日銀)の金融政策に対する介入は明らかに、内政干渉だ。アメリカサイドは長期金利の上昇を警戒しているのだろう。ただ、日本の長期金利の上昇の背景には、日銀の年間40兆~50兆円規模の国債保有圧縮策(量的金融引き締め)がある。ついでにここに切り込んでくれれば、株価は暴騰する。
為替は1ドル=156円台の円高に振れている。IMF(国際通貨基金)が唱える購買力平価による円の「妥当値」は1ドル=93円だ。まさか、欧米諸国がこの水準をターゲットにしているとは考えにくいものの、政治的に円高圧力が強まっているのは確かである。この局面(9~10月)は外部環境の変化に対応できる銘柄を個別に攻める戦術が有効だろう。
具体的には大手証券の投資判断引き上げ(目標株価増額)が相次いでいる東北電力 <9506> [東証P]、金利上昇のメリットを享受でき、バークシャー・ハサウェイ<BRK.B>と連携、海外戦略を強力に推進している東京海上ホールディングス <8766> [東証P]に妙味があろう。東京海上は9月末の株式分割(1対15)の権利取りがお勧め。
このほか、打たれ強くなったキオクシアホールディングス <285A> [東証P]、出直り態勢のソフトバンクグループ <9984> [東証P]はじっくり狙える。キオクシアは自社株買い(8000億円)の平均取得価格(4万9586円)が下値の岩盤だろう。ソフトバンクグループは5000円割れ水準が買いゾーンとなる。
小物ではドローンのTerra Drone <278A> [東証G] 、フィジカルAI(人工知能)のYE DIGITAL <2354> [東証S]、量子コンピューターのヘッドウォータース <4011> [東証G]、値動き抜群のノースサンド <446A> [東証G] 、エヌビディア<NVDA>と関係の深いジーデップ・アドバンス <5885> [東証S]などに注目できる。
2026年9月4日 記
株探ニュース