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SQUEEZE:テクノロジーとオペレーションの両輪でホテル運営を変革、フル支援客室数の拡大が成長を牽引

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2026年9月9日 11時22分

SQUEEZE<558A>は、テクノロジーとオペレーションを融合させ、ホテル運営の効率性・収益性向上を支援するスマートホテル事業を展開する企業グループである。2014年の設立当初は民泊事業者向けの運営代行業務を提供していたが、2018年の住宅宿泊事業法施行を契機に本格的にホテル運営支援へと事業を転換した。宿泊・観光領域におけるプラットフォーム開発と自社でのホテル運営を一気通貫で手がけ、自社開発のクラウド型ホテル運営プラットフォーム「suitebook」を基盤に、ホテル・観光業界のAX(AI Transformation)を推進している。サービス形態は、システム提供や遠隔フロント業務等を包括する「テクノロジー支援」と、物件の企画・システム導入から現地オペレーションまでを一括で担う「フル支援」を軸に展開している。 2025年12月期の売上高構成比はホテル支援ソリューションが97.7%を占め、支援先の総客室数を示すRUMは2025年12月期末で21,351室(前期末比2.4倍)、足元では25,149室まで拡大しており、運営支援施設の取扱高であるGMVは同期に649億円(前期比3.1倍)に達した。同社は、2026年4月に東証グロース市場へ上場。日本の地方創生の最前線に自ら身を置き、「エスコンフィールドHOKKAIDO」を中心としたFビレッジでの観光DX推進に加え、北広島市とも包括連携協定を締結。地域発のスタートアップとして自治体や地域社会と深く連携し、スポーツ・観光・宿泊が融合した次世代の「泊まれるまちづくり」を共創するため、2025年3月に本店を北海道北広島市へ移転している。

同社の強みは、第一に、テクノロジーとオペレーションの両方を自社で持つ独自のポジションである。基幹システムであるPMS領域ではNECやオラクル等と競合するが、これらはソフトウェア提供が中心であり、宿泊予約システムを手掛けるtripla<5136>等は基幹システム内の一機能である予約エンジン領域のプレイヤーであるため、直接の競合とはならない。システムと運営の両輪を持つ企業は他になく、自社運営施設で実証したDXノウハウを支援先へ横展開できる点が差別化の源泉となっている。第二に、運営の内製化と需要予測に基づく効率化である。従来のホテル運営は清掃会社等パートナーの役割分担が固定的で、外注清掃は固定人数での発注となるうえ、人手不足で清掃会社の交渉力が高まり単価も上昇傾向にある。同社は清掃を内製化し、AIによる需要予測と連動して稼働率に応じたシフトを組むことで費用を圧縮しており、一部のフル支援先ホテルではGOP(売上高営業粗利益)マージン70%超と、中規模の宿泊特化型ホテルの一般的水準(35~40%)を大きく上回る収益性を実現している。第三に、アパートメントホテル領域における運営知見である。主力ブランド「Minn」は40~50平米・30~50室規模程度を基本とし、グループ・家族の中長期滞在を主なターゲットとしており、電鉄系や金融×不動産系など施設を長期保有するオーナーからの受託が増加している。

8月13日に発表した2026年12月期上期業績は、売上高3,597百万円(前年同期比53.2%増)、営業利益430百万円(同20.9%増)と好調に推移し、通期業績予想に対して上期累計で売上高51.1%、営業利益61.0%と上振れ基調で進捗した。四半期推移でも、前期下期開業施設の通期寄与により売上高は2Q単体で過去最高、営業利益も例年4Q実施の成長投資を前倒ししながら四半期で過去最高となった。ストック型のリカーリング売上を基盤に、中長期で右肩上がりの成長を継続している。具体的に、フル支援施設については、2Qは「Minn 奥浅草」「Minn 札幌大通 西14」「Minn 難波日本橋」の3施設を開業した。霞ヶ関キャピタル<3498>グループの22施設、三交インホテルズ全15施設への「suitebook」導入が進むなど、テクノロジー支援の裾野も広がっている。(2026年8月時点)8月には、RS Investment Management社と包括業務提携を締結し、今後数年で20施設の運営を目標とすることも発表した。通期計画は、売上高7,034百万円(前期比31.1%増)、営業利益705百万円(同38.0%増)と大幅増収増益を見込む。同社は、1~3Qで利益を積み上げて4Qで成長投資を行う計画的サイクルとなっており、今期も同サイクルを継続させる。当期純利益は513百万円(同16.9%減)と減益予想だが、これは前期の税効果の反動によるものであり、税負担を正常化して比較すれば実質的には大幅増益となる。

成長戦略の中核は、収益貢献の大きいフル支援客室数の拡大である。フル支援施設はオンサイトオペレーションも提供するトータルソリューションであり、テクノロジー支援施設に比べ、単価が大きい。実際、フル支援施設が収益の大きな割合を占めているようだ。今後、同社はフル支援客室数を2026年12月期末に1,600室、2027年12月期末に2,500室へ引き上げる目標を掲げる。デベロッパーが土地を仕入れる段階でコンサルティング契約を締結し、2~3年をかけて開業に至るビジネスモデルであるため、目標は確度の高い案件を固めに積み上げたものであり、現在は2028~2029年の開業に向けた商談も高い確度で進行しているという。2026年6月には主要株主となった第一リアルターと包括業務提携を締結し、東京・大阪・京都・福岡等の主要都市で今後数年間に約30施設の開発を目指すほか、GLC GROUP<2970>とはフランチャイズ契約を締結し、10月に第1号案件「Minn 那覇美栄橋」の開業を予定するなど、資本効率の高い展開手法も加わった。国内ホテル市場における同社のシェアは客室数ベースで1.2%程度に過ぎず、拡大余地は大きい。長期的には、これまで蓄積した1,200万人超の宿泊者データを活かし、ゲスト向けサービスへ業容拡大するほか、国内宿泊・消費市場約33兆円を起点に他業種・海外へ拡張できる市場を狙っていく。

株主還元については、現在は成長投資を優先するフェーズであり無配としている。株主構成には第一リアルター、大和証券グループ本社<8601>、ヒューリック<3003>など事業パートナーが名を連ね、資本と事業の両面で成長を支える体制が構築されている点は特徴的である。上場時の180日ロックアップが2026年10月に期限を迎えるため、当面は需給動向にも留意したい。

総じて、同社はテクノロジーとオペレーションの融合という独自のポジションを確立し、人手不足が構造化するホテル業界の課題を成長機会に変えている企業である。インバウンド需要が追い風となる一方、同社はストック型のリカーリング売上を基盤に、特定国の観光客に依存しない多様な国・チャネルの予約ポートフォリオを構築しており、外部環境の変化による影響は限定的とみられる。フル支援客室数2,500室に向けたパイプラインの積み上がりと、フランチャイズ展開など新たな成長手法の進捗には注目しておきたい。

《YS》

提供:フィスコ

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