伊藤智洋が読むマーケット・シナリオ【週間展望】 10月4日版
10月中に7万2831円まで上昇できれば、さらに一段高を目指す
1. 年足陽線の年の年末へ向けた展開
日経平均株価は、本年の年足が陰線引けする展開になる場合、9月末頃までに5万5000円程度まで下げている必要がありましたが、そうなりませんでした。そのため、本年は年末の値位置が1月5日の始値である5万1010円以上で引けて、年足が陽線の年になると考えらえます。
年足陽線の年は、年間を通じて強気に推移しているのですが、上げやすい年末へ向けて年初来高値を積極的に更新している年と、上値重く推移している年があります。
1990年以降で年足が陽線で引けた年で、11月~12月までの期間で年初来高値を更新した年は、1999年、2005年、2012年、2013年、2014年、2016年、2017年、2019年、2020年、2023年の10回あります。
この中で、2012年、2013年、2016年、2023年は、10月末頃まで調整の流れを作っているか、安値圏に位置しており、11月頃から急上昇を開始して年初来高値を更新しています。
2012年は、6月に年初来安値を更新する動きとなった後、安値圏で保ち合いとなり、11月以降、安倍氏が総理大臣になる可能性が出てきたことで、株価が上昇を開始しました。
2013年は、5月に大きく上値を抑えられた後、11月上旬まで保ち合いを形成して、11月以降、保ち合いレンジ下限から上昇を開始しています。
2016年は、2012年と同様に6月に年初来安値を更新して、その後、株価が上昇しても上値の限られる展開となっていましたが、トランプ米大統領の誕生により11月以降に急上昇を開始しています。
2023年は、6月以降調整の動きへ入り、10月末に調整の終点をつけた後、上昇を開始しています。
これらの年は「10月末までその年の安値圏に位置して、材料によって急上昇を開始し、年末までに年初来高値を更新している」か、「6月まで上昇し、その後に下げても、上げ幅全体の50%押し以上の地点で下値を支えられて、11月までの期間で徐々に下値堅さを確認する作業を経過して、年末へ向けて上昇を開始する」か、どちらかの展開となっています。
また、これらの年は、年末までの上昇がそれまでの高値を目指す動きとなって、11月以降に年初来高値を更新しても、11月以前の高値をわずかに上回る地点まで上げるだけとなっています(株価が大きく上昇するとしても、その上げは翌年1月以降の動きになっています)。
1999年、2005年、2014年、2017年、2019年、2020年は、10月中に年初来高値を更新するか、年初来高値付近に位置しており、11月以降、それまでの高値を大幅に更新する上げ場面を作っています。
1990年以降の値動きのパターンを考慮すると、11月から年末へ向けて積極的に高値を更新する展開になるには、10月中に年初来高値へ接近する動きになる必要があります。そうならなければ、材料が表れて価格が上昇したとしても、その上げは(年末までの期間で見れば)11月までに付けていた戻り高値を目指す動きで終わる、という見方ができます。