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決算シーズン開幕へ、1Q高進捗で「上方修正」シナリオ描く6銘柄厳選 <株探トップ特集>

特集
2026年10月5日 19時30分

―好発進でも通期計画は据え置き、業績上振れ余地の大きい有望株ピックアップ―

10月下旬から11月中旬にかけて、3月期決算企業の上期(4-9月)決算発表が本格化する。上期決算は、期初に策定した通期業績予想の達成確度を見極める重要な節目だ。年間を通じて業績修正が最も多く発表される時期でもあり、企業業績や今後の見通しに対する市場の関心が高まりやすい。今回焦点を当てるのは、第1四半期(4-6月)に好調な業績を確保しながらも、通期の見通しを据え置いた企業群だ。第1四半期実績や足もとの事業環境を踏まえ、間近に迫る上期決算で通期計画の上方修正が期待される銘柄を探った。

●企業の稼ぐ力が向上、AI需要と価格転嫁が後押し

上場企業の業績は総じて堅調に推移している。4-6月期決算では、AI関連需要の拡大や価格転嫁を背景に、好業績を発表する企業が相次いだ。生成AI向けの旺盛な設備投資は、半導体メモリーや製造・検査装置にとどまらず、回路形成に用いる化学素材からデータセンターのインフラ設備工事に至るまで、周辺産業へも広く波及している。また、原材料費や人件費の上昇分を販売価格に反映する動きが進み、幅広い業種で採算が改善した。そのほか、事業ポートフォリオの見直しなど、これまで進めてきた構造改革が収益に寄与し始めた企業も目立つ。こうした旺盛な需要の取り込みや収益力の底上げが好業績を力強く支えている。

●上期決算で通期計画の上方修正なるか

4-6月期は市場予想を上回る好決算を打ち出す企業も多く、社数ベースで6割以上が増益を達成した。その一方で通期見通しについては、為替の変動や地政学リスクの高まりなど先行き不透明感が燻るなか、事業環境を慎重に見極める姿勢がみられた。もっとも、これからの上期決算発表シーズンにおいては、こうした保守的な業績予想を実態に合わせて引き上げる動きが相次ぐと予想する市場関係者も少なくない。ここは、業績の上振れ余地が大きいとみられる企業を改めてチェックしておきたいところだ。

以下では、3月期決算の中小型株を対象に、(1)4-6月期経常利益の通期計画に対する進捗率が40%以上、(2)4-6月期に売上高が前年同期比10%以上増収、かつ経常利益が同30%以上増益、といった条件を満たした6社を「上方修正の有力候補」として紹介していく。

※「1Q進捗率」は4-6月期経常利益の通期計画に対する割合を示す。

◎日金銭 【1Q進捗率:60.3%】

日本金銭機械 <6418> [東証P]は、カジノ用ゲーミング機に搭載される紙幣識別機や流通・金融向け自動精算機用ユニットといった貨幣処理機器の大手。主力のグローバルゲーミング事業を牽引役に、業績の伸びが加速している。4-6月期は北米カジノ市場で紙幣識別機やプリンターユニットの販売が拡大したほか、欧州向けセルフレジ用還流ユニットの受注回復によって海外コマーシャル事業が黒字転換した。更に円安効果も加わり、経常利益は18億6900万円と前年同期比7.2倍に膨らんだ。通期計画31億円に対する進捗率は60%と高水準で、業績上振れは濃厚とみられる。5月に発表した新中期経営計画では配当性向50%以上を掲げており、業績上方修正に伴う配当増額も期待できそうだ。

◎荒川化 【1Q進捗率:57.7%】

荒川化学工業 <4968> [東証P]は、電子部品の需要低迷などで23年3月期から2期連続の最終赤字に陥ったが、構造改革や成長市場への投資効果が顕在化し、業績は急回復局面にある。4-6月期は生成AIの需要拡大を追い風に、AIサーバー向け光硬化型樹脂やデータセンター向けHDD用精密研磨剤が大きく伸び、経常利益は前年同期比2.8倍の16億1600万円に急拡大した。通期計画28億円は据え置いたものの、会社側が足もとの業績は想定を大幅に上回る進捗と言及しており、今後の上方修正に期待がかかる。中期経営計画では電子材料、ライフサイエンス、海外展開を成長領域に据え、31年3月期に経常利益67億円を目指す。目先の業績上振れに加え、中長期的な収益力向上も見直し買いを誘う材料となりそうだ。

◎フィデアHD 【1Q進捗率:48.7%】

フィデアホールディングス <8713> [東証P]は、日銀の政策金利引き上げを背景に預貸金利ざやの改善が続いている。4-6月期は経常利益23億3900万円(前年同期比2.1倍)と好調なスタートを切った。27年1月に予定する荘内銀行と秋田県の北都銀行の合併に伴う一時費用を考慮し、通期は減益予想としているが、足もとの利益進捗は順調だ。中期経営計画ではROE向上を通じたPBR改善を掲げ、今期から累進的配当を導入。有価証券ポートフォリオの再構築にも取り組み、収益力の向上を目指している。株価は2015年以来の高値圏に浮上したものの、PBRは依然として0.5倍台と解散価値の半分にとどまる。好調な業績進捗に加え、株主還元強化や経営基盤の強化をテコに一段の水準訂正が見込まれる。

◎ランディクス 【1Q進捗率:46.7%】

ランディックス <2981> [東証G]は、東京・城南エリアを中心に注文住宅用地の仕入れ・開発・販売を主力とするほか、不動産売買・仲介や建築会社のマッチングなども手掛ける。足もとでは、AIを活用した仕入れ精度の向上や営業効率の改善が利益成長につながっている。4-6月期は経常利益13億5400万円(前年同期比37.0%増)と四半期ベースで過去最高を塗り替えた。住宅用物件の販売が好調に推移するなか、自社メディアを通じた集客の伸長や高い紹介・リピート率を背景に広告費などの販管費も抑制され、採算が大きく改善した。金利上昇で不動産市場の先行きに不透明感が残るなかでも、同社の商圏では富裕層の購入意欲が底堅く、上期決算での通期計画の上方修正への期待が高まる。

◎セカリテ 【1Q進捗率:44.2%】

セカンドリテイリング <2681> [東証P]は、古着を中心とするリユース店「セカンドストリート」やゲーム・中古スマートフォンを扱う「ゲオ」などを展開。10月1日付でゲオホールディングスから商号変更し、リユース事業を軸としたグローバルトップを目指す姿勢を鮮明にしている。4-6月期は主力の衣料・服飾雑貨が好調に推移したほか、インバウンド需要や中古時計相場の上昇を追い風にラグジュアリー商材も大きく伸長し、2ケタ増収増益を達成した。ゲーム機関連の特需の反動減などを警戒して通期見通しは据え置いたものの、第1四半期の好調な滑り出しに加え、物価高による節約志向の高まりを背景にリユース市場の拡大も続いており、業績の上振れ余地が強く意識される。

◎SEMTEC 【1Q進捗率:42.3%】

SEMITEC <6626> [東証S]は自動車、家電、医療、産業機器など幅広い分野に高精度センサーを供給する温度センサーの大手メーカー。4-6月期は韓国や米国で自動車用センサーの引き合いが旺盛だったほか、欧州や東南アジアを中心に家電・住設用センサーも伸びた。原材料費や人件費の増加はあったものの、増収と円安効果でこれを吸収し、経常利益は12億2300万円(前年同期比34.9%増)と大きな伸びを示した。第1四半期実績だけで通期計画28億9000万円に対する進捗率は40%を超えており、業績の上振れ余地は大きい。小型・高精度で応答性に優れた「薄膜サーミスタ」の需要増加を見据え、生産設備の拡充を進めるなど成長投資にも意欲的で、上方修正に伴う水準訂正の動きも期待される。

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