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防衛装備品輸出で脚光、新ステージ迎える「防衛関連」妙味株6選 <株探トップ特集>

特集
2026年7月4日 19時30分

―日本の防衛産業は外需取り込み推進へ、政策主導の成長テーマとして再浮上―

日本の防衛政策が大きく動き出している。4月には、日本政府は防衛装備移転三原則を改定し、殺傷能力を備える防衛装備品の海外移転が可能になった。また、「もがみ型」護衛艦の改良型の輸出が決まるなど、日本の防衛産業は新ステージを迎えつつある。世界的な地政学リスクの高まりで、防衛に対する需要が高まるなか、春先以降の調整局面が続いた防衛関連株には再浮上期待が強まっている。

●防衛産業は戦略「17分野」のひとつ、小型無人航空機など焦点

高市早苗政権の戦略「17分野」のひとつに「防衛産業」が掲げられた。具体的には、「小型無人航空機」「艦艇」「デュアルユース(軍民両用)技術」が取り上げられた。防衛省は2026年度予算で、防衛力の抜本的強化を継続する方針を示している。なかでも焦点となるのが「無人アセット」の導入加速だ。従来型の高価な有人装備の重要性が失われたわけではないが、従来防備に加え、安価で大量展開が可能なドローンなど小型無人航空機、そして無人水上艇、無人潜水機を組み合わせ、偵察、監視、攻撃、補給を多層的に担わせる発想が主流になりつつある。

防衛省自身も、無人機の大量運用やミサイルなどを組み合わせた複合攻撃への対応を喫緊の課題と位置づけている。幅広い技術に防衛テーマの裾野が広がっている理由はここにある。いまや防衛は、航空機やミサイルだけの話ではない。無人機を飛ばすための制御技術、通信を守る暗号技術、電波妨害に耐える電子機器、AIによる自律判断、そしてそれらを安全に運用する基礎となるサイバー防衛までが、不可欠な構成要素になっているということだ。

●「もがみ型」護衛艦の改良型をオーストラリアが導入へ

「無人化」や「裾野の広がり」を含め防衛産業全体の動きを貫くポイントについて小泉進次郎防衛相は5月の記者会見で「無人機の生産・技術基盤が国内に存在することが不可欠」だと言及した。防衛分野では、必要な時に必要な量を調達できる供給網の確保が不可欠となる。海外依存が高ければ、有事の際はもちろん、関係悪化や資源問題に伴う輸出規制の局面で調達が滞るリスクがある。過度な海外依存の怖さは、中東危機を通じた原油、そしてナフサ不足で改めて痛感したばかりだ。

4月には、「防衛装備移転三原則」が改定され、殺傷能力を備える防衛装備品の海外移転が可能になった。オーストラリアが日本の「もがみ型」護衛艦の改良型を次期汎用フリゲートとして導入する流れに続き、ニュージーランドも同艦の導入を検討していると報じられている。仮に採用が広がれば、日本の防衛装備は国内需要だけでなく、同志国向けの外需を取り込む段階に明確に入っていくことになるだろう。

艦艇本体に加え、レーダー、通信、エンジン、電装品、保守、訓練、部品供給など、関連するサプライチェーンにも波及効果が及ぶ可能性がある。安全保障環境の変化、無人化・AI化の進展、サイバー防衛の重要性、そして国産化の要請と輸出需要。これらが重なり合うことで、防衛関連は政策主導の成長テーマへと姿を変えつつある。三菱重工業 <7011> [東証P]を中核として川崎重工業 <7012> [東証P]やIHI <7013> [東証P]の大手重工3社のほか、三菱電機 <6503> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]、NEC <6701> [東証P]などが中心銘柄となるだろう。以下、個別銘柄を紹介する。

●三菱重や東京計器、古野電、日鋳造など注目

三菱重工業 <7011> [東証P]~多機能護衛艦「もがみ型」の開発・建造を担っているほか、「コンパクト化」「多機能性」「高い省人化」を追求している点が最大の特徴となる能力向上型の新型護衛艦(FFM)を手掛けている。オーストラリア政府より25年8月に優先プラットフォームに選定され、26年4月に3隻の建造契約を正式締結した。

東京計器 <7721> [東証P]~海上自衛隊の艦艇向け航海機器で国内トップシェアを誇る。GPS電波が届かない、または敵の電波妨害(ジャミング)を受ける戦闘環境下でも、自艦の正確な位置・針路・姿勢を割り出す「光ファイバージャイロコンパス(慣性航法装置)」、運航を自動化・省人化で支える中枢システムとなる「自動操舵システム(オートパイロット)」、「レーダー警戒装置」などの防衛システムを手掛けている。

古野電気 <6814> [東証P]~護衛艦が周囲の民間船や地形、不審船を正確に把握するための「航海用レーダー」や高精度な位置情報システム、FFMシリーズの重要任務である対潜水艦戦(ASW)や機雷戦において、同社のコア技術である水中音響センシング(ソナー)技術や、艦船用表示装置の活用が見込まれる。中期経営計画の基本施策として、グローバル展開、防衛装備品事業における生産体制の強化・販売拡大を挙げている。

理研計器 <7734> [東証P]~FFMなどの艦艇内において、火災の原因となる可燃性ガスの漏洩や、乗組員の命に関わる「酸欠(酸素欠乏)」、毒性ガスの発生を24時間監視する警報システムなどを手掛ける。高性能センサーは自動で異常を検知・中央コンソールへ通知する仕組みが、省人化に貢献するとみられる。

大同特殊鋼 <5471> [東証P]~過酷な高温・高圧に耐える特殊な「ニッケル基超合金」や「チタン合金」を手掛けている。23年10月にはグループで航空機・防衛向けの精密鋳造品を製造している大同キャスティングスが精密鋳造品の製造における超厳格な品質マネジメントシステム「JIS Q 9100/2016」の認証を取得している。

日本鋳造 <5609> [東証S]~JFEスチールグループに属する鋳物メーカーで、極めて高い強度と精密さが求められる「特殊構造用鋳物」を製造。高強度・高延性・高靱性製品の製作が可能な金属3Dプリンター積層造形技術を持っており、防衛装備品や宇宙ロケット部品の国産化・量産化を支える技術として注目される。

株探ニュース

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