クシム---Eラーニング事業が引き続き好調に推移し、2Qも2ケタ増収だが、低利益率事業の廃止等で減益
クシム<2345>は14日、2021年10月期第2四半期(20年11月-21年4月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比25.2%増の11.03億円、EBITDAがマイナス0.03億円(前年同期は0.84億円)、営業損失が0.50億円(同0.42億円の利益)、経常損失が0.33億円(同0.44億円の利益)、親会社株主に帰属する当期純損失が0.66億円(同0.19億円の利益)となった。
Eラーニング事業の売上高は7.29億円(前年同期比3.36億円増)、EBITDAは0.80億円(同0.45億円減)、セグメント利益は0.66億円(同0.48億円減)となった。法人向け学習管理システムである「iStudy LMS」及び「SLAP」は、新型コロナウイルスの影響により働き方が大きく変化する中、研修の在り方や社員の能力開発を検討する企業も多く、ともに導入案件が増加した。また、既存顧客のカスタマイズ需要も堅調に推移しており、同社ソリューションに対する需要は旺盛であり、業績は伸長している。さらに、LMSやeラーニングシステムの新規導入や、特に他社のLMSからのリプレースニーズが顕在化してきたことにより、更なる導入に向けた対応を推進している。その結果、SLAPのID提供数は延伸した。
アカデミー事業の売上高は3.30億円(前年同期比0.68億円減)、EBITDAは0.37億円(同0.20億円増)、セグメント利益は0.08億円(前年同期は0.12億円の損失)となった。新型コロナウイルスの影響による業績不振からV字回復を成し遂げ、のれん償却額を含めたセグメント利益も黒字となり、安定的な黒字体質を維持している。クシムソフトでは、新型コロナウイルスの影響によるプロジェクト凍結等の厳しい状態が続く業界の中でも、グループシナジーを活かした案件拡大、非対面のWEB会議等を駆使した積極的な営業活動の推進、また、エンジニアマネージャー陣の情報連携強化によって、エンジニア非稼働を改善し、単月のエンジニア目標稼働率を早期に達成し、安定継続している。クシムテクノロジーズは、2021年4月1日にクシムソフトと合併し、その体制を吸収することで、これまで以上に受注マージンの高い案件の獲得、及びシステム開発事業へ販路の拡大と利益の拡大を見込んでいる。ケア・ダイナミクスでは、介護事業者向けASPサービスを中心に、介護業界にIT技術を導入することで成長をしている。
インキュベーション事業の売上高は0.61億円(前年同期比0.34億円減)、EBITDAは0.17億円(同0.04億円減)、セグメント利益は0.14億円(同0.06億円減)となった。暗号資産によるレンディングサービスアプリケーション、暗号資産を対象にしたAPI連携による自動トレーディングシステムの開発を完了し、サービスローンチに至った。
一方、低利益率かつ事業間のシナジー効果が発揮されにくいビデオ収録・映像配信スタジオ事業の廃止を意思決定し、このことによる特別損失0.43億円を計上している。
2021年10月期通期については、現段階では連結業績予想の合理的な算定が困難であることから、未定としている。今後、合理的な予想が可能となった時点で速やかに公表するとしている。
《ST》
株探ニュース