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エレマテック Research Memo(7):成長市場と付加価値の2軸による成長戦略へ展開

特集
2019年6月21日 15時07分

■中長期の成長戦略

1. 中長期の成長戦略の全体像

(1) 中長期戦略「elematec×(エレマテック クロス)」の概要

エレマテック<2715>は期間固定式の中期経営計画は策定していないが、中長期戦略に関する取り組みについての基本方針を策定し、それに基づいて経営を進めている。2018年3月期からはスローガンを「elematec×(エレマテック クロス)」に改めた。これは従来のスローガンである「elematec+(エレマテック プラス)」に比してシナジー追求を一段と加速させることや、“×”が“クロスオーバー”や“駆ける”にも通じることでスピード感を強調する意図が込められている。

業績計画については、同社は毎年、期初において当該年度と2年後の業績予想を公表している。いわゆるローリング中期経営計画と似たスタイルだ。2020年3月期の開始に当たっては、当期業績予想とともに2022年3月期において売上高2,300億円、経常利益75億円を目指す中期予想を公表している。

この中長期成長戦略のスローガンは、“「グローバルに高付加価値ビジネスを提供し続ける電子材料商社」を目指す”というもので、キーワードは言うまでもなく “高付加価値ビジネス”だ。これは、会社概要の項で前述した、“自社の有する特長・強みと、独立系技術商社としての機能・知見とを組み合わせ、「付加価値創造」の取り組みを強化する方針”と同じ趣旨だ。

では、何が同社にとって“付加価値”なのか。これに対する答えは一つではなく、説明が複雑になりがちだ。簡略化のための一つの例として、メーカーに近い存在になることが挙げられる。企画、設計、組み立て・加工といったプロセスを同社自身が担うことで、これらに付随する付加価値を取り込み、マージン(利益率)を高めるというようなケースだ。この場合、同社は生産設備を保有せず、製造については外部に委託することになるのは言うまでもない。ポイントは、こうしたケースは、同社にとっては新しいチャレンジではなく、同社の5つのベーシック機能としてすでに具備しているということだ。付加価値創造の取り組みは、5つの機能を発揮する“場”を広げる取り組みということが出来る。

同社が5つの機能を発揮する“場”を広げることは、同社側の事情ばかりでなく、顧客側の事情もある。上の例でいうと、顧客側から“付加価値”が川上へと移動していることになる。これをスルーしてしまうこともできるが、同社はこれをしっかりと取り込もうということだ。ここで生きてくるのが同社の商材並びに取引先の多様性だ。素材の選定と加工の委託先の選定を自前で完結し、付加価値を取り込むことが可能になる。長期業績の項で述べたように、同社は人知れずこの点の経験と技術を蓄積してきたと思われる。

こうした高付加価値化戦略は、同社の中長期の成長において大きな貢献が期待される。同社のこれまでの成長は、“成長市場”をうまく乗り換えることで達成されてきた。しかし今後は、成長市場という軸に、高付加価値化というもう1つの軸が加わり、2つの軸によって成長を目指すことになる。成長市場の追求はトップライングロース(売上高の成長)に寄与する一方、高付加価値化は売上高と利益の両方に貢献するイメージだ。

(2) 4つの重点取組テーマ

現在の中長期戦略「elematec×」は2020年3月期が最終年度となり、同社は2021年3月期からの新たな中長期戦略の策定に取り掛かるとみられる。また同社を取り巻く事業環境は昨年来急激に変化してきている。スマートフォンの普及に伴う関連需要一服、液晶と有機ELによる小型パネル市場での競争激化、米中貿易摩擦の激化に伴う中国の生産活動の減速等々、数え上げればきりがないほどだ。

こうした状況にあって同社は、成長戦略として4つのテーマに取り組んでいる。すなわち、1)自動車、2)自動化/省力化、3)“BtoBtoC”ビジネスの強化、4)機能強化、の4つだ。それぞれの詳細は以下に詳述するが、特に重要な取り組みは1)の自動車と2)の自動化/省力化の2つだ。これらはスマートフォン関連からの乗り換え先の、“これからの成長市場”ということだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《ST》

提供:フィスコ

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